採用戦線_異常あり

方向転換しないと、労働市場から選ばれない

こんにちは、ナザレです。

企業にとって、従業員の採用はとても重要な業務です。
採用力強化のために、さまざまなことに取り組んでいる企業が多くあります。
大事なことは、その企業が応募者にとって魅力的であるかどうか、というのは皆さんもおわかりのことと思います。

昭和、そして平成時代の、企業が応募者に選ばれる要件としては、
・給与が高い
・仕事の規模が大きい
・企業規模が大きく安定している
などがあったと思います。

もちろん、今だって上記の要件を満たしている企業は人気企業といえます。
しかし、最近ではここにもう1つ、必須の要件が加わってきています。

それは、
・ブラック企業であるかどうか
というものです。

これは昨今の働き方改革も影響していますが、それよりもっと前から、特に新卒採用の現場では必須の要件となってきています。

戦後の復興以降、日本人は豊かになるためにがむしゃらに働きました。
そして、働いて得たお金でさまざまなものを買い、物質的な豊かさを享受していきました。
戦後、貧しかった世代からすれば、物質的豊かさ=幸せだったのだと思います。
その気持ちが、今の日本の経済成長を支えてきたのだとも言えます。

しかし、現代の若者にとっては物質的な豊かさというものは、いまいちピンとこないと思います。
なぜなら、既に周囲に何でも揃っているからです。

戦後世代が頑張って買った「カラーテレビ」「洗濯機」「冷蔵庫」「エアコン」などはもう既に自分たちの周りにあります。
子供の頃から物質的な豊かさを享受しているわけです。

そして、スマートフォンが出てきたせいで、生活の全て、娯楽の全てが自分たちの手元に存在するようになりました(ちょっと大げさ?)。

いずれにせよ、今の若者や他の応募者に関しては、物欲はある程度満たされていると言っていいでしょう。
それならば、企業を選ぶ際、そこまで給料に重きを置くということはないと考えられます。
もちろん多いに越したことはないでしょうが、1番の要件ではないはずです。

「仕事だけが全てではない」という感覚も、最近市民権を得たと思います。
「たくさん仕事をして充実したい」というよりは、「仕事だけでなくプライベートも充実させたい」、いやむしろ「プライベートが大事」という人もいるでしょう。
今、応募者にとって大事なのは、プライベートを楽しむための時間だと言えます。

そういった時間を確保したい人からすると、長時間労働をさせるブラック企業に入るなんて選択肢は存在しません。
残業のない、もしくは少ない企業に入りたいと考えます。
昔の世代からすれば、残業したくないなんて「寝言は寝てから言え」って感じだったでしょうが、今は残業がないことが応募者に選ばれる要件となっているのです。

そもそも、長時間労働して結果が出るのであれば良いのですが、実際のところ投下した労働時間に対して成果が乏しいという現象が起きています。
以前のように猛烈に働いて徹夜上等!でやっても、なかなか成果・売上につながらないのです。
たくさん作れば売れていた時代は終わってしまったのです。
今は、どうやれば売れるのかを考えなければならない時代に突入したと言えます。

どうやれば売れるかというのは、長時間悩んだからといって良いアイデアが浮かぶわけではありません。
悩んだ時間ではなく、閃きが必要となってきます。

つまり、長時間働かせても、あまり意味はないのです。
また、法律も厳しくなってきており、長時間労働=悪という構図が出来上がってきてしまっています。
長時間労働させている企業や他の法律を守れない企業というのは、どんどん淘汰される恐れがあります。
誰も入りたいと思えない企業は、潰れるしかありません。
ゲームのルールが変わってしまったことに気づくべき時なのです。

結局のところ、企業は人です。
人がいないと企業としては成り立たない。
であれば、いろいろと思うところはあるでしょうが、人が働きたいように働かせる以外に、人を定着させる方法はないのです。

自分が正しいと思うやり方をやるのではなく、上手くいくようにやることが大事だと考えます。
いくら自分が正しいと思っても、そこにいる人たちが動かなければ意味はありません。
例えば、長時間労働が正しいと思っても、従業員や応募者がそれを支持していなければ、誰もその企業に所属したいとは思わないはずです。

今までと同じやり方、組織風土では、今後の採用戦線は絶望的かもしれません。
いかに応募者の働きやすい組織を作るか、それが選ばれる必須の要件なのです。

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