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社会保険適用拡大【2024年10月】そこが知りたい -Q&A-

社会保険適用拡大に関する ”よくある質問” を厚生労働省の特設サイトと日本年金機構から引用し、部分的に分かりやすく加筆しました。


問1. 1週間単位で所定労働時間が定められていない場合の
1週間の所定労働時間の算出方法を教えてください。

(答)◆所定労働時間が短期的かつ周期的に変動し一定ではない場合(4週5休制等)
…当該周期における1週間の所定労働時間を平均し、算出します。

◆所定労働時間が1カ月単位で定められている場合
…1カ月の所定労働時間を12分の52で割って算出します。

◆特定月の所定労働時間に例外的な長短がある場合(夏季の特定の月が例外的に短い、繁忙期の特定の月が例外的に長い等)
…当該特定の月以外の通常の月の所定労働時間を12分の52で割って、1週間の所定労働時間を算出します。


問2.就業規則や雇用契約書等で定められた所定労働時間が週20 時間未満である者が、業務の都合等により恒常的に実際の労働時間が週20時間以上となった場合は、どのように取り扱うのか。

(答)実際の労働時間が連続する2月において週20時間以上となった場合で、引き続き同様の状態が続いている又は続くことが見込まれる場合は、実際の労働時間が週20時間以上となった月の3月目の初日に被保険者(短時間労働者)の資格を取得します。


問3. 月額8.8万円には、給料のどの手当が含まれますか。

(答)月額8.8万円の算定対象は、基本給及び諸手当で判断します。ただし、以下の賃金は算入されません。

  1. 臨時に支払われる賃金(結婚手当等)

  2. 1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)

  3. 時間外労働に対して支払われる賃金、休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)

  4. 最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)


問4. 2ヶ月以内の契約であれば該当しないのでしょうか。

(答)最初の雇用契約の期間が2ヶ月以内であっても、次に該当する場合は2ヶ月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合に該当するものとして、最初の雇用契約に基づき使用され始めた時に被保険者資格を取得することになります。

  1. 就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が「更新される旨」又は「更新される場合がある旨」が明示されていること。

  2. 同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき使用されている者が、契約更新等により最初の雇用契約の期間を超えて使用された実績があること。


問5. 「学生ではないこと」について、「学生」はどのような方になりますか。

(答)「学生」とは、主に高等学校の生徒、大学又は短期大学の学生、専修学校に在学する生徒等が該当します。
卒業した後も引き続き当該適用事業所に使用されることとなっている者、休学中の者、定時制課程及び通信制課程に在学する者その他これらに準じる者(いわゆる社会人大学院生等)は学生でも社会保険の対象となります。
※学生であっても、適用事業所に4分の3基準を満たす場合(所定労働時間または所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上である者)は、正社員等と同様に「一般被保険者」として健康保険・厚生年金保険の被保険者となります。


問6. 傷病手当金や出産手当金は一日あたりいくらもらえますか。

(答)◆1日当たりの金額
【支給開始日(※1)の以前12ヶ月間の標準報酬月額を平均した額】÷30日(※2) ×2/3(※3)
※1 支給開始日とは、最初に傷病手当金(出産手当金)が支給された日のことです。
※2 働いた月に関わらず「30日」で割ったところで1の位を四捨五入
※3 「2/3」で計算した金額に小数点があれば、小数点第1位を四捨五入
注)会社が加入している健康保険の保険者(健保組合や協会けんぽなど)によって、金額が異なる場合もありますので、ご不明な点は、保険者にご確認ください。

なお、支給開始日以前の期間が12ヵ月に満たない場合は、
次のいずれか低い額を使用して計算します。

  1. 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額

  2. 加入する健康保険の標準報酬月額の平均額

ただし、休業している間にも会社から給与が支払われる場合は、傷病手当金(出産手当金)と給与の差額が支給され、給与が傷病手当金(出産手当金)よりも多い場合は、支給されません。

◆(参考)退職後の継続給付
次の2点を満たしている場合に退職後も引き続き残りの期間について傷病手当金(出産手当金)を受けることができます。

  1. 退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があること。

  2. 退職時に傷病手当金(出産手当金)を受けているか、または受ける条件を満たしていること。

なお、退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失日(退職日の翌日)以降の傷病手当金(出産手当金)は受給できません。


問7. 家族に相談する場合にどのような点に留意すれば良いでしょうか。

(答)社会保険の加入によって生じる変化を伝えることが重要です。
メリットとしては、❶将来受け取れる年金が増額、❷休業時に給付が受けられる(傷病手当金、出産手当金)が挙げられます。
また、現在扶養に入っている方は、新たに社会保険料が発生すること、配偶者の会社で支払われている「家族手当」、「配偶者手当」の対象外となる可能性があることにも留意が必要です。
保険料の額については、厚生労働省の「適用拡大特設サイト」で簡単なシミュレーションができますので、ご活用ください。また、手当については、近年見直しを進めている企業もあるため、配偶者のお勤め先に最新の状況をご確認ください。


問8. 雇用保険のみ入ることはできますか。

(答)雇用保険の適用事業所に雇用される次の労働条件のいずれにも該当する労働者の方は、原則として全て被保険者となります。

  1. 1週間の所定労働時間が20時間以上であること

  2. 31日以上の雇用見込みがあること

そのため、「短時間労働者」の4つの要件に該当する場合は、社会保険と雇用保険ともに加入することになります。


問9. 短時間労働者の厚生年金保険・健康保険の適用については、所定内賃金が月額8.8万円以上であるほかに、年収が106万円以上であるかないかも勘案するのか。

(答)所定内賃金が月額8.8万円以上であるかないかのみに基づき、要件を満たすか否かを判定します。(年収106万円以上というのはあくまで参考の値です。)


問10. 健康保険の被扶養者として認定されるための要件の一つに、年収が130万円未満であることという収入要件があるが、この要件に変更があるのか。

(答)健康保険の被扶養者の認定について、収入要件の変更はありません。
なお、年収が130万円未満であっても、4分の3基準又は4要件を満たした場合は、厚生年金保険・健康保険の被保険者となります。
※4分の3基準とは、「一般被保険者」として社会保険に加入する基準のことで、具体的には、所定労働日数や所定労働時間が、通常の労働者(フルタイム労働者など)の4分の3以上ある場合のことをいいます。
※4要件とは、「短時間労働者」として社会保険に加入する要件のことです。

出典:厚生労働省

そのほか、よくあるお問い合わせは下記からもご確認いただけます。(出典:日本年金機構)

対象従業員のQ&A(短時間労働者)
https://www.nenkin.go.jp/faq/kounen/tekiyoukakudai/tanjikan/index.html

短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集(令和6年10月施行分)

また、下記の記事も参照してください。

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