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第2弾! 2025(令和7)年1月改正ニュース(養育期間標準報酬月額特例申出書・添付書類の変更)
2025(令和7)年1月1日から「養育期間標準報酬月額特例申出書」の添付書類について改正がありました。
「養育期間標準報酬月額特例申出書」とは、子どもが3歳に達するまでの養育期間中に標準報酬月額が低下した場合、養育期間中の報酬の低下が将来の年金額に影響しないようその子どもを養育する前の標準報酬月額に基づく年金額を受け取ることができる仕組みです。
今回はこの制度について解説するとともに、2025年1月1日以降の手続きにおいては、添付書類が省略される改正がありましたので、あわせて解説していきます。
制度の詳しい内容については、下記の記事をご参照ください。
1 「養育期間標準報酬月額特例」とは?
養育期間標準報酬月額特例とは、子どもが3歳に達するまでの養育期間中に、標準報酬月額が低下した場合、養育期間中の報酬の低下が将来の年金額に影響しないようその子どもを養育する前の標準報酬月額に基づく年金額を受け取ることができる仕組みです。
対象となる期間は、3歳未満の子の養育開始月から養育する子の3歳の誕生日のある月の前月までとなります。
例えば、育児休業から復帰して子が3歳になるまで短時間勤務をする場合、賃金が低下して、標準報酬月額が育児休業する前よりも低下することがあります。
しかし、この「養育期間標準報酬月額特例申出書」を提出すると、年金受給額の計算においては、育児休業前の標準報酬月額と実際の標準報酬月額を比べて、高い方の標準報酬月額で年金受給額が決定されます。図にすると下記のようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1736946613-BhtRapZDx9foyr5VMSGWUsQd.png?width=1200)
これは、被保険者からの申し出に基づき、より高い従前の標準報酬月額をその期間の標準報酬月額とみなして年金額を計算するものなので、自動的に手続きされるわけではありません。希望する場合は、「養育期間標準報酬月額特例申出書」に必要事項を記載し、原則として事業主を経由して日本年金機構へ提出することが必要です。(被保険者であった者については、退職後に事業主を経由せずに本人が直接日本年金機構へ提出可)
なお、申出日よりも前の期間については、申出日の前月までの2年間について、養育期間の標準報酬月額のみなし措置が認められます。ただし、養育を開始した月の前1年以内に厚生年金保険の被保険者期間がない場合は、みなし措置は受けられません。
2 2025(令和7)年1月からの変更点
(1)「事業主続柄確認」欄の設置
事業主が戸籍抄本等で申出者と養育する子の身分関係を確認した場合に、「確認済み」のチェックを入力することで、申出者と養育する子の身分関係を確認するための添付書類(戸籍謄本等)を省略できるようになりました。
(2)申出者の届出意思確認にかかる運用の変更
電子申請については、申出者本人からの届出意思確認を目的とした『委任状の添付』や『事業主が備考欄に「届出意思確認済み」を入力する』などの運用が廃止され、届出意思確認に関する新たな記載や添付書類は不要となります。
3 「養育期間標準報酬月額特例申出書」の手続きについて
(1)「養育期間標準報酬月額特例申出書」の記入例
(クリックすると拡大されます)
![](https://assets.st-note.com/img/1736947741-QyBsCUial2bdKkvpGuV3rJD7.jpg?width=1200)
(2)添付書類
①戸籍謄(抄)本または戸籍記載事項証明書(申出者と子の身分関係を証明できるもの)
※コピー不可
※申出者が世帯主の場合は、申出者と養育する子の身分関係が確認できる住民票の写しで代用可
※次のいずれかに該当する場合は、①の添付書類は不要。
・事業主が戸籍謄(抄)本等で申出者と養育する子の身分関係を確認し、「⑱事業主続柄確認」の「□確認済み」にチェックを入れた場合
・日本の戸籍があり、申出者と養育する子の個人番号がどちらも申出書に記載されている場合(審査完了まで1カ月程度期間を要する場合がある)
②住民票の写し(養育する子の生年月日および養育特例の要件に該当した日に申出者と子が同居していることを確認できるもの)
※コピー不可
※養育特例措置の要件に該当した日に同居していることを確認できること(例えば、育児休業終了の場合は、育児休業終了年月日の翌日の属する月の初日以後に発行された住民票であること)。
※提出日から遡って90日以内に発行されたものであること
※申出者と養育する子の個人番号がどちらも申出書に記載されている場合は、②の添付書類は不要。
③被保険者であった者が、退職後に事業主を経由せずに提出する場合で、かつ個人番号(マイナンバー)を記載し提出する場合は、次のアまたはイを添付することが必要。
ア.マイナンバーカード
イ.以下の2種類の書類(aおよびb、1種類ずつ)
a.マイナンバーが確認できる書類:
個人番号の表示がある住民票の写し、通知カード
(氏名、住所等が住民票の記載と一致する場合に限る)
b.身元(実存)確認書類:運転免許証、パスポート、在留カードなど
※郵送で届出する場合は、マイナンバーカード表裏両面またはaおよびbのコピーを添付。
※上記以外のb.身元(実存)確認書類については、管轄年金事務所へ確認すること。
(3)提出先
日本年金機構の管轄事務センターまたは管轄の年金事務所
(4)提出方法
電子申請 または 郵送 または 窓口持参
4 社労士の活用
今回の「養育期間標準報酬月額特例申出書」は、被保険者本人が申出をしなければ養育期間の標準報酬月額のみなし措置の特例が受けられません。制度を知らないと手続きを行うことができないのです。人事担当者は従業員に制度を説明しなければならず、改正が頻繁に行われる労働・社会保険分野において、その負担は大きいものです。
このようなときに社労士を活用していただければ、制度の説明や迅速な電子申請手続を行うことができますので、ぜひご検討ください。
育児休業関連については、4月と10月に大きな改正がありますので、追ってお知らせしますので、フォローしてお待ちいただけると幸いです。