男性育休率 公表拡大へ
"Expansion of Disclosure on Male Parental Leave Rate"
Summary
Introduction
背景と現状
2023年4月に従業員1,000人超の企業に年1回、男性育休取得率の公表を義務付けたばかりです。しかしながら政府は、300人超に公表の義務化を広げる案を軸に検討を開始しました。労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)で議論し、2024年にも育児・介護休業法の改正案を国会に提出する予定で進めています。
Discussion
厚生労働省の取組み
取得率の公表で厚生労働省(以下、厚労省)は、これまでの女性が育児を行うものだという「社会の意識改革」を促し、男女とも仕事と育児を両立しやすい環境につなげる考えです。
従業員300人超の企業に公表の義務化を広げた場合、対象企業は約4,000社から約18,000社に増える見込みです。「少子化対策」「働き方改革」は「まったなし」の課題で、厚労省は早めの1手を打ったといえるのではないでしょうか。対象を拡大する場合、企業の負担を考え、1,000人以下の企業は2年に1回の公表でもいいのではないか、という案も浮上しています。
政策と社会への提言
政府は2025年までに男性の育休取得率を50%、2030年までに85%にする野心的な目標を掲げています。
厚労省によると、日本の男性育休取得率は2021年度に14%であるからです。世界に目を移すと、ノルウェー70%を超え、フランスは2021年7月に男性の育休取得を義務化。欧州と比較して日本は大きく遅れをとっています。
男性の育児休業導入のメリットと社会的影響
男性の育児参加が「女性のキャリア形成」や「少子化対策」に効果があるとの声は多いことを踏まえて、厚労省は公表義務の拡大で、企業の男性育児休業取得案の改革を後押しする考えです。
Conclusion
厚労省は取得日数や育児・家事時間の目標値を新たに定めて、男性の行動変容を促す議論も始まりました。労働人口が減少していく中、この取組みを通して、女性がキャリアを継続し自己実現を今以上に果たすことができる社会になることを願ってやみません。
「両立支援助成金」が年々、内容が充実していることを社会保険労務士の業務を通じて感じています。このことをポジティブに捉え、助成金を賢く利用しながら、クライアントに提案し男女参画社会の実現に少なからず貢献できればとより一層、考えるようになりました。
参考までに「両立支援助成金」の厚労省のホームページのリンクを下記の「参考」に記載しましたので、ご興味のある方は申請してみるのもよいかもしれませんね。わたしも過去に5件ほど申請したことがあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
(参考)両立支援助成金のご案内のリーフレット(厚労省HP)https://www.mhlw.go.jp/content/001082093.pdf