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おばあちゃん


おばあちゃんちが好き。


今までは、あまり魅力を感じていなかった。

古いし、コンビニなんて歩いて行けるところにはないし、車もバスもない。

めちゃめちゃ不便。

でも、今の私にはそういう場所が必要みたい。

なんだか、普段の私の生活っていろんなものに蝕まれているなと感じた。



おばあちゃんちの心地よさの正体はなんだろう。


・周りを気にしなくていい
どんな服で歩いてたって、お化粧してなくなって、誰も気にしない


・涼しい
アパートに囲まれていない空間が、こんなに風通しがいいなんて知らなかった


・自然に溢れている
見渡す限りの緑。庭には色とりどりのお花。こんなの、元気がでない訳がない。


・おばあちゃんがいる
いや、もう、これに尽きる。



おばあちゃんちでの1日はこんな感じ。

10:00 到着
まずは仏壇のおじいちゃんに挨拶。
初盆は、会いに来れなくてごめんね。私はお仕事頑張ってるよ、心配しないでね。

お線香の香りはやっぱり落ち着く。


10:30 おやつ
おばあちゃんの誕生日のお祝いにケーキを食べた。
3つのケーキをおばあちゃんと私と父親の3人でわけっこ。これ美味しいねって言いながら。ソーシャルディスタンスを保ちながら。
あさごはん抜いてきてよかった〜〜


12:30 おひるごはん
来るときに買ってきた、スシロー。
海の街で暮らしているから魚にはうるさいおばあちゃんだけど、スシローは絶賛してた。さすがです。


14:30 昼寝
よだれが垂れた気がして、慌てて目を覚ますと、後ろでおばあちゃんが笑っていた。マスクしててよかった。
本を読みながら、いつの間にか寝ちゃってたみたい。昼寝なんて、いつぶりだろうか。    


15:00 おやつ
おばあちゃんの家には、やたらとおかしがある。家に置いているとすぐ食べちゃう私には絶対にできない技。

「ムーンライトはこっちでも買えるから大丈夫。」「おばあちゃんはこっちにしよう」「あれ、おばあちゃん、さっきのケーキの残りは食べた?」「あら、あれまだ残っちょったかいね。覚えんよ。」「さっき、後で食べようって冷蔵庫に閉まってたじゃん」「そうかいね、あぁ、あったあった。これを頂こう。」


17:00 カレー作り
2年前の秋におじいちゃんが亡くなってから、一人暮らしになった。
「一人だとカレーはせんね。カレーとおでんは一人じゃ作らんから久しぶりに食べる」

「カレーのいい匂いがしてきたよ」
「匂いがするかね。おばあちゃん鼻が悪いから分からんよ。いっつも焦げても分からんからいけん」

この話はそれぞれ3回くらい聞いた。
おばあちゃんは、同じ話を3回はする。5回くらいする話もある。


18:00 ばんごはん
人が作ったご飯は美味しいね、ってモリモリ食べてた。よかった。
オリンピックを見ながら。デザートは梨。1玉をはんぶんこ。

19:00 散歩
夜ご飯を食べてお腹いっぱいになると、散歩したくなった。懐中電灯を持たせてもらって、いざ出発。
道に出ると、庭からおばあちゃんが覗いて手を振ってくれてる。
一人暮らし歴7年目には、こういうの効くのよ、、、🥲

気づいたら30分以上経ってて、いつの間にか周囲は真っ暗。電灯なんてないから、心配したおばあちゃんが電話をかけてきた。携帯電話もうまく使いこなせないのに、5分おきに2回もかけてきて心配性だなあ。

「大丈夫だよ、もう帰り道だから」って言って歩いていると、向こうから懐中電灯の光。

おばあちゃんが迎えに来てくれてた。
「私、もう25歳だよ。おばあちゃんの方が危ないよ」って口では言いながら、すごく嬉しかった。


20:00 お風呂
昔ながらの、タイル張りのお風呂。浴槽の中で洗い流す。
結構段差あるけど、おばあちゃん大丈夫かな。


21:00 マッサージ
おばあちゃんの肩、めっちゃ凝ってた。
筋肉と骨の勉強してたから、それなりに体の構造は分かるんだけど、
「肩凝ってるね〜」なんて言いながら、マッサージしてると、なんて上手なのかとびっくりしてた。
「今頃は整体に行っても機械がやったりするからね。やっぱり人の手がいいよ」
「繭ちゃんがこんなに上手だったとは知らだった。」
「あぁ、今のところはよく効いた。やられた〜」
「おじいちゃんは痛いのが苦手いね。効くところを押されると、あそこはもう行かんとか言って行かんのいね。」

全て、きっちり3回ずつ。もしや、計算してる?


22:00 就寝
早めにおやすみなさい。また明日。

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