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少しだけ、知的な女の子になれた気がした

こんにちは。
最近ハマっているデートがあります。それは、旦那とお互いに原作を読んでから映画を観るデート。

今までに実践したのは、「そしてバトンが渡された」「花束みたいな恋をした」「こちらあみ子」「余命10年」。


まだ旦那が恋人でもなかった頃、メッセージのやりとりの中で読書の話になった。その時に彼から紹介してもらったのが「そしてバトンが渡された」。何回か電話をした後に、また連絡するねと連絡がきたきり、1週間音沙汰なし。もうほとんど好きになっていた私は、なんとかして彼に連絡をしたくて、彼におすすめされた本を一気読みした。
私は本を読むのは好きだけど、感想を言うのは苦手。だからあんまり大した感想は言えなかった。付き合う前の人に感想を言うと言うには少し恥ずかしいし、そこでなんだか合わないなって思われるのも心配。

勇気を出してメッセージを送ったおかげで、そこからやりとりが続いた。



私がお薦めした「花束みたいな恋をした」を彼も読んでくれていた。そうしたら今度は、その中に出てきた今村夏子の「ピクニック」の話になって。

その人はきっと今村夏子さんのピクニックを読んでも何も感じない人なんだと思うよ

花束みたいな恋をした

本の中に出てきていたワンフレーズを覚えていて、それを読もうと思う彼の感性に惹かれた。彼が『何を感じたか』すごく気になったから、私もすぐにピクニックを購入して読破。こういう時の自分の行動力は我ながらすごいなと思う。彼は少し驚いていたけど。

お互い、『何か感じた?』っていう話をして、『あぁなるほど、そういう考えか!賢いなぁ』なんて話をして、、、

こんな風に本の感想を誰かと話す経験なんてなかったからすごく新鮮で楽しかった。私よりも良い大学を出ている彼とそんな話をしていると、少しだけ、知的な女の子になれた気がした。彼とはまだ会ったこともなく、顔も知らなかったけど、声を聞いただけど、そんなの理由にならないくらい、もう十分惹かれていた。


付き合い出してすぐに「花束みたいな恋をした」がyoutubeでレンタルを開始していて、一緒に見た。見終わると本を読み返しながら、「ここは原作と少し違ったね」「私、もしかしたら絹ちゃんみたいに怒ったりしちゃうかもしれない」「うわ、覚悟しとくね。でも、あんな風にお別れはしたくないよ」なんて話した。それまで私は本は1回読めればそれでいいと思っていたし、読み返すなんてしたことなかった。だから、こうやって読み返しながらああだこうだと話すのはとても楽しくて、新鮮だった。


ドライブ中にガスタンクを見つけたら思わず写真を撮ってみたり、天竺鼠の不倫報道に驚いたり、そういった日常の中に共通の「本」の存在が続いていることに、センスを感じた。

絹ちゃんと麦くんのように、私と彼の本棚もどんどん似ていく過程は私をどきどきさせた。



「ピクニック」は短編で、一緒に入っていたのが「こちらあみ子」。私の仕事とも少し重なるところがあって思うところが沢山あり、気がつくとその思いを、躊躇なく伝えていた。

付き合い始めの頃にそれが映画化されることを知って、一緒に見ようねって約束をした。街のこぢんまりした映画館にレイトショーを見に行ったのがこの間のお話。晴れの国の突然の大雨の中、びしょ濡れになりながら歩いて映画館に行った。サンダルを脱ぎ捨てて、濡れた足をぶらぶらさせながら、ほぼほぼ貸し切りの中で観る映画は、原作と同じように少し捉えどころのない、それでいて考えさせられる作品だった。雨が上がった後の少しもわっとした空気は、梅雨の気怠さと相まって余計にデートに特別感をもたらしていた。



そんなこんなで、少しだけ知的な気分になれるデートに、すっかりハマっています。よろしければ皆さんもぜひ。とってもお薦めです。
アメリカでもこんなデートができたらいいな。

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