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bondurants なんて発音するんだろうなあ。多分ボーァンドゥラァンツだろう。

日本に居たならば会社員としてベテランな私も、アメリカではビギナーであり、今は奇しくも企業研修を受けている。そんな企業は埃とゴキブリが蔓延する場所であり、NYのアッパーサイドにある。私は週1で通っているのだが、2週間前、迂闊にもマスクを忘れたせいで2週間の喘息に苦しむことになった。

幸いリモートワークがOKむしろウェルカムなオフィスな為、また発作が出たらこりゃ堪らんと早々に切り上げる。
とそこまではいい。

彼の仕事が終わりジムにて合流するまで微妙に時間が出来る。
家に帰るには足りなく、街をぶらつくには多すぎる時間。

数日まではNYはマイナス温度。
無論寒かったので、べらんめえ、誰が外を歩くかと凍る鼻息を息巻いていた私だが、滅法春の息吹には弱い。コロリとやられてしまう。今日は暖かいのである。

今朝方夏時間になったばかりのアメリカ。(日本との時差が冬期は14時間、夏期は13時間がNYである)

思い込みの力は不思議なもので、脳が暖かいと認識しただけで小腹も空くし、美味しいビアバーを探したくなる。

さて、NY。ここは東京の激戦区と同じもしくはそれ以上に店の入れ替わりが激しい。

哀しきかなアメリカ人に

世界中でガイドブックをガン見してんのなんて日本人ぐらいだよねあはははは。あんなの見ても意味無いのに!
と笑われるぐらい、NYの店はすぐに変わる。

店の名前が変わらずとも
オーナーチェンジでビールが悪くなった店は沢山ある。

そして本当に哀しきかな。
ガイドブックの店には日本人がゴロゴロといる。
そして、ガイドブックを持っているんだ。これがまた。
なんかの迷宮の様である。

そんな中でファンシーでニートなバーを探し続けるのは至難の技。

出会う。そんな中で、いいバーに。
名前はBondurants と言う。
ぶらりと入ったクラフトビールの素敵な店は、まだ月曜日の5時ということもあり、私の前に飲んだくれている女性が二人しか居なかった。それぞれコマ客である。

バーテンダーのオネエちゃんは、インスタグラムにも乗っている、けしてニコリとしない気の強そうな気の利かない美人である。若き日のジェニファー.ジェイソン.リーを彷彿とさせる容姿に塩対応の彼女にゾクリと来たのは言うまでもない。

暫くつまみのコロッケを指で食べた後、ベタベタになったのでフォークくれる?とお願いしてやっとフォークが出てくる位である。

だが、イイ!
そんな私の先入観を彼女は、軽く覆す。

これでも2年、NYのクラフトビールはマスターレベルで飲み続けてきた自負もある。その為、一杯目はハドソンヴァリーのHiding Place.。絶対に外さないNYのビールメーカーである。

さて2杯目はとまずは私の利き目でテイストをする。
うえ。不味い。マスター宣言を直ぐ様撤回したのは言うまでもない。

自信ない時は、素直にテイストさせてと言うのがいい。

うぇー。と彼女に言うと、
そうなんよねえ、そういう酒なんよねえと
酒やけの声でいい、他のをサンプルで勧めてくれた。

イイ! 
これ好きと言うと、ニヤッと口の端だけを15度に曲げサーブしてくれた。
それだけでいい。

ここの店は満点だ。
いや実際に酒も美味い。ツマミもいい。
問題は街自体が全く面白くないアッパーイーストサイドにあるという所。

イイじゃぁないか。彼女に会うためエンヤコラ。そんな気分のバーである。

https://bondurantsnyc.com/
Qトレイン86st 徒歩2分
安全な場所

なんで写真が全部横なんだろうなあ。

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