キタニタツヤ武道館の亡霊
まさか1ヶ月も余韻に浸って抜け出せないことがあるなんて思いもしなかった。
いつもなら翌日には余韻なんかライブ当日の夜に微睡の中に置いていくことが多いんだけど、キタニタツヤの武道館公演は1日や2日じゃ留まらず、1ヶ月も余韻を残し続けて、その間ほぼキタニとこん谷、ひつわら楽曲しか聴けなくなってた。
緑黄色大夜祭を目前にしてなんてことしてくれてんだ(歓喜)
ようやく余韻も抜けてスッキリしてきたので、改めて感想を書いていこうかと思う。
感想を書くにあたって、有志の方がYouTubeに投稿してくれている武道館公演を見直しつつ。もし、まだ見ていない方は是非見てください。(この時点で見てない人はあまりいないかもしれないけど)
本編
I DO NOT LOVE YOU.
号泣しました。
他に特段言うことはありません。
嘘です。
号泣したのは確かなんだけど、演出として、キタニが立っているステージの1部分が上昇していったのとても良かった。「これが彼天......!」と思いながら見ていたのだが、ぶっちゃけ泣きすぎてそれどころではなかった。音源と違って力強い歌い方をしていたのも涙ドバドバさせる要因の一つだったような。
聖者の行進
この曲はガナリタツヤだったと思う。
最近はああいう歌い方なんだろか、緑黄色大夜祭でもがなり寄りの歌い方してた気がする。ライブ特有の歌い方、かなり好きだし喉をやらない程度にこれからも供給をお願いしたい。
パノプティコン
パノプティコンがパノプティコンしとる〜!!!!!
この曲は演出含めいまだ鮮明に光景を思い出せる曲ですね。
元々パノプティコンという曲がDEMAGOGの中でも1、2を争うくらい好き(この曲か人間みたいねのどちらか)だし、まさか武道館で聴けるとは思わないじゃん; ;
ギョロつく頭上の眼球もそうだし、スクリーン上のモニターにも映されているキタニや俺たち、完全に監視されている......
ちなみにパノプティコンってのは刑務所施設の構想のことらしい。囚人を効率良く監視する為の施設構想みたいですね。
Stoned Child
パノプティコンからStoned Childの流れ、最高すぎでは......。
気怠げに歌うの本当に好きすぎるし、「どうしようもないなぁ」の仄かな諦めとか「へべれけじゃなきゃ生きれ"ねぇ"よ」の自暴自棄感とか、最高すぎて鳥肌もんですよ。「ありがとね〜」も低めの声で怠そうに言うのもたまらん。
Cinnamon
久々に聴いた気がする、というかもしかしたらライブでは初めてだったかもしれない。洒落ててとてつもなく好きな曲のひとつ。今回は白いカーテンを浸さず透かしてくれた。
化け猫
この曲は曲が良いというより(曲は良いのは前提)、スクリーンの映像をずっと見ていた。MVはイラスト1枚をベースにしたリリックビデオに近かったと思うんだけど、この時は新規映像でめちゃくちゃヌルヌル動いていた。しかも、MV以上に化け猫の不気味さが際立つ映像でかなり好きだった。
Moonthief
いつだって最高のラーメンタイマー曲。
この曲もコルレス楽しいよね。「いけな〜い子ッ」の煽りが好きすぎる。もっとやって欲しいし、なんなら「意味がなぁいのッ」もお願いします。そもそもこんだけ短い時間の曲でコルレスそこそこあるのもおかしな(?)話なわけだが、それでもやっぱり楽しいしもっとやりたい。俺やれます、もっとやらせてください。
ラブソング
CDJ振り。
「歌を歌って」の「たぁ〜」が大好き芸人です。
ここでしか得られない栄養があるし、これを糧に俺は明日も何とか生きていくことが出来るのです......。
ハイドアンドシーク
「正しさはもう⤵︎どこにもないんだぁ」が好きすぎる。あと、ひらがなの反転文字で歌詞出してくの洒落ててとてつもなく好きだし、フォント的に古代文字みたいに見えるのも最高である。特にDEMAGOGのリード曲だしそもそもこの曲自体にそういうカルト的な雰囲気を纏っている(歌詞の内容やキタニそのものがどうであれ)ので、シンプルだけどMV以上にしっくりきた感ある。
落下ウサギと寡黙な傍観者の手記
演奏前のMCでCUR投票第1位だったことを知った。
外部の人間的には鯨と水星が1位なんかなぁと思っていたので驚きではあった。と言いつつ武道館前の予習でこん谷の「彼は天井から見ている」を聴いていた限りではかなりキャッチーな曲だし納得はした。ちなみに、こん谷曲を聴き込んで俺もこの曲のことを好きになったのだけど、キタニが歌ってくれたことでその好き度にバフがかかった。
悪魔の踊り方
悪魔の踊り方はね〜、リンちゃんが歌い始めて鳥肌ブワッてなりました。はるまきごはんがライブでやっていたことを真似たらしいんだけど、ボカロ共に在るって感じでとても良かった。曲を出していないとはいえ、キタニからはボカロを置いてきぼりにしている雰囲気は全然感じていないのだけど、それでもリンちゃんとデュエットをしたという事実に全部持ってかれた。尊いのよそのデュエットは。
あと、安◯から岸◯に変わってたとこただただ笑っちゃった。
或るキリスト者は告解室を去る、ただ信仰のみを抱えて
ここでも泣いた。
公式からはこん谷曲として紹介されてたけど、キタニが「昔バンドでやってた曲を演ります」って言ったのでLutherですこれは。ひつわら曲の中で1番好きな曲だし、何かの間違いでひつわら曲やらねえかな〜と思っていたので嬉し泣きした。Luther好きなんだよな。
よころびのうた
この曲もまさか武道館でやるとは全く思っていなかった。BIPOLARツアーで聴いた振りだったのと、演出がとても厳かで良かった。Leaks曲の頃から好きな曲で、アルバム収録された時心から喜んだんだけど、追加されたパートもあまりに好きすぎて。
振り子の上で
よろこびのうたと対を成すBIPOLAR収録曲。よろこびのうたもこの曲も1曲あたりの時間は短い+対であることを考えると連続して演って当然っちゃ同然なのかもしれないけれど、そもそも武道館でやる......?(嬉)となるような選曲だと思って聴いていた。消えてしまいたいと願う朝を生きていて良かったと咽ぶ夜で塗り潰す、その日のその時間がまさにそうだったのかもしれんね。少なくとも俺はそうだった。
次回予告
全力で「いけ!たたかえ!まけないで!せいぎはかつ!まけたらわるもの?」をやってきました。この曲は武道館で聴くまであまり希望がないなぁと思っていたしそういうところが好きだったんだけど、演奏前のMCの内容的にはそういうわけではないのかも。「予想を 期待を 裏切ってしまえ」は自分自身に言い聞かせる言葉だったんだなとMCを聞いた後では思うようになった。結構アンチニヒリズムっぽいよねこの曲。俺が最も好きなアーティストのamazarashiもアンチニヒリズムを昔から掲げているけれど、改めてちゃんと聴くとこの曲も同じなのかな。
スカー
この曲はキタニにとってターニングポイントなり得る曲だと思っていて、爆発力こそ違えどターニングポイントといえば青のすみか以上なんじゃないかと思っている。それも武道館で聴いたことで確信めいたものが生まれた。
2023年末頃からスカーをライブで披露していた時、ラスサビ前の歌詞を「誰にも渡すな お前だけの痛みを」に変えて歌っていた。(毎回そうなのかは不明だが、少なくともレディクレとCDJはそうだった)
でも、武道館当日は元歌詞の「誰にも渡せない 僕だけの痛みだ」で歌っていた。
武道館直前まではリスナーである俺たちに向けて歌っていたように思っていたが、10周年の武道館という日は自身のために歌っていたように思える。激アツじゃないですか?俺は泣きました。ちなみにここまで書いてきた内容は全部俺の感想だし、1ヶ月後の緑黄色大夜祭でも元歌詞で歌ってました。
ずうっといっしょ!
10周年を記念に当日0時にリリースされた曲。
流石にこの曲は演らない訳がないと思っていたけれど、次回予告、スカーの後にやるとは思わなかった......。音源はこん谷時代を彷彿とさせるギター、ベース、ドラムのシンプルな構成なんだけど、ライブでは平畑さんがキーボードを弾いてくれていて、また聞こえ方が違っていて良い。そもそもこれをちゃんと確認したのはYouTubeでミリオンロックのずうっといっしょ!を見て気づいたって感じなんだけど。ちなみに、緑黄色大夜祭でもキーボードが際立ってて音源とは違うかっこよさがあった。
この曲そのものに対する感想は「3週間くらいほぼこの曲しか再生できなかった」なんだが、これで十分だろうか。
芥の部屋は錆色に沈む
照明がかっこいいしこの曲も眼球がぎゅるんぎゅるんするんだよな.....。あと目を細めたりもするんだけど、こっちの目は監視というよりどこを見れば良いかわかっていないような印象を受ける。キタニの初期衝動曲ってイメージが強いからそう思うんだろうか。
芥をライブで聴いたのいつ振りだろう、結構演ってる印象あるけどそんなことないのかな。また聴きたいけれど、次聴けるのはいつになるんだろう......。
私が明日死ぬなら
ようやく生で聴けた〜!!!!!
アンフェデツアー参加してないからね、ROUNDABOUT新規曲で聴けてたのがCDJ23/24で演ったMoonthief、化け猫、青のすみかだけだったから嬉しい。
キタニが小指立てたところで涙腺ゆるゆるマンになったよね。
青のすみか
歌い慣れてきてるからかキタニの声の伸びがとてつもなく良くて、今までで1番良かった青のすみかだった。この曲で本編が終わったわけだけど、キタニの緩さ故か緩いカタルシスを経て本編が終わったような感覚があった。すごくキタニらしくて良いなぁと思ってたけど、おそらくアンコールも用意されていたからなのかも。
Enc.
旅にでも出よっか
キタニ史上最高にドストレートな優しさを持った曲。
秋からのROUNDABOUTツアーで聴けるだろうと思っていたけれど、武道館でもやるとはおもわなかった。演奏前MCの「ポケットに小さな非日常を入れておけるようにして欲しいからライブの撮影はOKにしてる」(ニュアンス)からの旅にでも出よっか、最高すぎる。音楽を聴くということ、参加したライブの動画がスマホで見られるというのは最小単位の非日常なのかもしれないし、そうやってすぐに逃避出来ることでなんとか日々を生き抜けるのかも。そういったことを考えると旅にでも出よっか→CURの流れはすごく自然で良いなぁ。
クラブ・アンリアリティ
アンコールやるならやっぱこの曲だよな〜!!!
最高ですこの曲。俺は席が上の方だったので、銀テが飛ぶ瞬間を見ていたのだけど、照明含め圧巻でした。いつぞやのLINE CUBE SHIBUYAでも同じ終わり方をした(ライブタイトルがCURなのでそりゃそう)から、それを思い出したし大!団!円!感があって良かった。青のすみかは緩いカタルシスみたいなのがあって終わっていったけど、CURはハッピーエンドっぽい終わり方をしてくれるところも好き。この曲は最後に聴くに限るぜ。
最後に
演出の話をしたり曲の感想だけだったり感想の内容にまとまりがないけど許してくれ、結局全部俺の感想なんだ。しかもYouTube見返さずに書いてるのもあるからもしかしたら記憶違いのものもあるかも。
それと、秋から始まるROUNDABOUTツアーが楽しみで仕方がない。そもそもアルバムが出てから9ヶ月くらい経ってから始まる引っ提げツアーだし、それまでにもう一曲くらいリリースされそうな気がしており益々楽しみである。それと私事ではあるけれど、キタニのライブを見る日が丁度誕生日でして......。それも含めて楽しみにしている。ナイトルーティン聴きたいな〜とか演る可能性めちゃくちゃ低いけど夜警やってくんないかな〜とか色々考えながらその日が来るのを待とうと思う。(ファタールソロでもいいからやってくんない?)