所持しているクレジットカードを発行元ごとに整理
前回の記事では所持しているクレジットカードを国際ブランドとランクによって整理して全体を俯瞰してみた。
今回は同じクレジットカードたちを国際ブランドごとに発行元の形態によって分けてみた。
前回同様、発行元がどこに属するかについて曖昧なところもあるので補足しておくと、楽天カード、PayPayカードは、それぞれ楽天銀行、PayPay銀行という系列の銀行が発行元になっていると思うが、位置づけとしては流通グループのサービスだと考えられるので流通系に入れてある。イオンカードもイオンという流通系なので流通系に入るが、イオンカードセレクトはイオン銀行のキャッシュカードと一体として発行される銀行のサービスなので銀行系に入る。
VISA と Mastercard はプロパー発行に位置づけられるようなクレジットカードは無いものとして扱う。例えば三井住友トラストクラブが発行する Mastercard World Elite であれば Mastercard のプロパー発行ともとらえることはできるが、親会社が三井住友信託銀行ということで銀行系に入れることとする。
AMEX の銀行系は三菱UFJ銀行系の三菱UFJニコスカード、みずほ銀行系のセゾンカードから出ている。AMEX の流通系は主にセゾンカードのプロパー発行もしくは提携発行になる。
Diners Club で流通系の提携発行はたぶん 2024年現在は発行されていない。(銀座ダイナースクラブカードは流通系とも考えられるが、どこかとの提携カードではないのでプロパー発行として扱う)
ホテル系 (マリオットボンヴォイ、ヒルトン・オナーズ、APAステイヤーズなど) は交通系かその他のどちらで扱うか迷うところだが、大枠では交通系、航空系、ホテル系と考えてよさそうなので交通系として扱う。
自動車関係はトヨタファイナンスの各ディーラーとの提携カードや各社との提携で発行されているブリヂストンカード、東京海上日動ファイナンスの TOKIO MARINE NICHIDO CARD などがあるが、こちらも交通系として扱う。
あと会社数が多いものとしてはオリエンタルコーポレーション(オリコカード)、ジャックス、ニコスなどの信販系がある。
こうやって整理してみると、交通系、信販系は一枚もないことがわかる。
ヒキコモリなので基本的に旅行はほとんど行かないし、出かけたとしても日帰りが多いので航空機、ホテルで特典をうける機会がほぼない。
流通系はベネフィットがわかりやすいので (発行元の企業やグループ会社で使うと還元率アップなど) 作りやすく、その店舗で使うだけなら国際ブランドも関係ない (オンアス取引のため) ので国際ブランドを選べるところはあまりない。VISA を 2枚持っているが、いずれも国際ブランドが選べずに VISA 一択だったため。楽天カードであれば JCB と AMEX も選べるし、PayPayカードも JCB を選択することができる。
流通系といえば百貨店のカードもこのジャンルで高島屋 (発行元はクレディセゾン) や三越伊勢丹 (エムアイカード) は AMEX も選べるが、JCB を選べるところはあまり無く、メジャーなところだとイオンカードくらいだろうか。百貨店の顧客だと高所得者層が多く、経営者も多いと思うので (決済額が多いと得になりやすい) JCB を選べるようにすると選択される可能性が高くなると思うが JCB 的には (オンアス取引がメインになると) あまり旨味は無いのだろうか。
銀行系はベネフィットは少ないものの過激な入会キャンペーンなどがない代わりに、その銀行と取引していれば審査に通りやすいと考えられる(本人確認が済んでいる、与信がとりやすい)ため口座を持っている銀行で「クレジットカードを作りたい」というだけで発行してもらえると思う。
銀行系のフランチャイズであれば JCB系は JCB、三菱UFJニコス(MUFGカード、旧MCカード)系であれば VISA、Mastercard、AMEX から、三菱UFJニコス(DCカード)系であれば VISA、Mastercard から、UCカード系であれば VISA、Mastercard から、VJA系であれば VISA (たまに Mastercard も) を選ぶことができる。
もちろん銀行系といえば審査などは他の業種より厳しい傾向があると思うものの、逆に「まっとうな」お金の使い方をしている顧客からの申込みの場合は銀行側もノルマがあるので無碍に断ったりすることはないだろう。顧客が腹をたてて運用を切り上げたり預金を引き上げられてしまっては大損になってしまうため。あまりお付き合いが無い銀行の場合は、ノーロードのものでいいので投資信託を 3~400万円分くらい買っておけばすぐに審査は通ると思う。
クレジットカードに詳しい人であればこのマトリックスの中で銀行系のダイナースクラブカードは 1種類しかないことに気づくだろう。そのうち詳しく紹介したい。
銀行系クレジットカードの申し込み
記事を書く傍らで銀行系のクレジットカードを追加で 1枚申し込んでみた。
発行会社は三井住友カードだが、お知らせの送付元をみてもらえばわかる通り旧セディナの取り扱いになる。
若い方はセディナという社名に聞き覚えがないと思うのでカンタンに紹介しておくと、源流を遡っていくと一番はじめは月賦百貨店の丸興から始まる。月賦百貨店というのは聞き慣れないかもしれないが、富裕層をターゲットとした松坂屋や三越といった呉服屋系とは違い、庶民をターゲットとした百貨店で月賦販売というのは要は分割払い、ローンのことである。
クレディセゾンの元も緑屋という月賦百貨店で本職が割賦販売なので販売より金融が儲かるということで、ほとんどの会社は百貨店事業を手放して信販会社に転業した。
全国に丸◯百貨店という名前で多数存在した。例えば丸栄百貨店 (まるえい、名古屋。現在のマルエイガレリア) や東京丸物百貨店 (まるぶつ、池袋。現在のパルコ) などもこの月賦百貨店が形態を変えて生き残っている。
いまでも名前も変えずに経営を続けている代表格がマルイ (OIOI) こと株式会社丸井だが、こちらも本業は完全に金融事業 (エポスカード) である。2024年3月期の決算をみると小売の営業収益773億円、営業利益70億円に対して金融事業は収益1,671億円、利益424億円と圧倒的だ。
話をセディナに戻すと丸興時代は大口顧客としてダイエー (現、イオン) との取引が強みで、その後、親会社が変わるなど経緯を経てオーエムシーカード(OMCカード) となる。ダイエーでのクレジットカードの発行ノウハウを活かしてライバルであるイトーヨーカドーのアイワイカードのプロセシング業務なども受託する。資本関係としてもダイエーが親会社になっていた。
その後、親会社のダイエーが経営破綻、イオンに買収される際、イオングループ内には業界最大手のイオンクレジットサービスがあり業務内容が重複するオーエムシーカードは外部へ売却されることとなり、その引受先が三井住友銀行系の三井住友フィナンシャルグループだった。2008年に三井住友フィナンシャルグループ傘下に入る。
当時の三井住友フィナンシャルグループは直系の三井住友カード、資本関係の深いクオーク以外にセントラルファイナンス(CF) も存在した。セントラルファイナンスもまた複雑な沿革を持つ会社で、始まりは日本信販の名古屋支店 (独立後は中部日本信販) で当初は東海銀行系としてミリオンカード (現在の三菱UFJニコス、MUFGカード事業) を取り扱っていた。東証1部、名証1部に上場するなどそれなりの事業規模だったが 2007年に三井住友フィナンシャルグループに買収される。
三井住友フィナンシャルグループでは外部から買収したこれらのオーエムシーカードやセントラルファイナンス (どちらも上場企業) を合併させてセディナとした。
エンボス加工があったころのクレジットカード券面だと旧オーエムシーカード系は OM、旧セントラルファイナンス系は CF、クオークは QC の刻印があった。
しばらくは兄弟会社の三井住友カードと並行していたが、2019年に資本関係に変化があり三井住友カードの子会社に変更、その後 2020年に親子会社が合併、2024年に三井住友カードに合併というかたちで社格が消滅となる。
2024年10月現在、ブランドとして表に出ることはほぼ無くなっていると思うがまだ一部のクレジットカードの発行を続けており、これは記念に作っておかねば、と思い、急ぎ申し込みを入れた。申込後の経緯については続報としてご報告したい。
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