
ODN IPフォンを Grandstream GRP2613 で使う
これまでの記事で ODN IPフォンを YAMAHA NVR510 を使ってアナログ電話機で使う方法、スマホの SIPアプリ、Grandstream GS Wave で使う方法、前回の記事で SIP電話機、Grandstream GXP1625 で使う方法などを紹介した。
今回もまた ODN IPフォンの設定情報を紹介する。
ODN IPフォンはSoftBank系IP電話、基本料金無料、SIP情報あり、ISPフリーとまさに神サービスなので、あらゆる接続情報を全力でシェアしたい。
今回は米国ボストンGrandstream社の SIP電話機、GRP2613から使う方法を紹介する。
Grandstream GRP2613 とは

Grandstrema GRP2613 は、前回の記事で登場した GXP1625 よりもう少し高性能な SIP電話機で、3回線の SIP回線を収容できる。
コールセンター用の SIP電話機と思われるが、実売価格は GXP1625 とほとんど同じで性能は明らかにこちらが上なので、これから入手される場合はこちらの機種をおすすめする。
ODN IPフォンとは
再掲になるが、
ODN IPフォンは、ISP の ODN が同社のユーザ向けに提供している 050番号を使った IP電話サービスで、申込みが必要なものの基本料金はかからず利用できる。ODN の ISPアカウントは、NTT東西のフレッツ光ネクスト向けであれば
1,320円/月(税込み)(2年間は 1,100円/月(税込み))とライバル社と比べても比較的安価なので、ODN IPフォンを使うために現在使っている ISP からの乗り換えを検討してもよいと思う。ちなみに私は、ODN IPフォンを使いたいために ISP を 2,200円/月(税込み)の IIJ から ODN に乗り換えた。
ODN は元々、日本テレコムという JR系の電話会社の提供する ISPサービスだったが日本テレコムが SoftBank に買収されたため、現在は SoftBank の ISPサービスの一部になっている。
SoftBank は光コラボの SoftBank光、NTT東西フレッツ光ネクスト向けの ISPサービスである Yahoo!BB光、そして個人・法人向けのフレッツ光ネクスト向けの ISPサービスである ODN、法人向けのフレッツ光向けの ISPサービスである SpinNet と歴史的な理由もあって 4つの ISPブランドが併売されているが、Yahoo!BB光と ODN は似たようなサービス内容でどちらも 1,320円/月(税込み)なので、IPoE IPv6 が使いたい、BBフォンを使いたい(光BBユニットという独自の CPE をレンタル(レンタル料金が必要)する必要がある)場合は、Yahoo!BB光、ODN IPフォンを使いたい場合は ODN を選べば良い。
同じ SoftBankグループの SoftBank光や Yahoo!BB光では 050番号を使った IP電話サービスとして BBフォンを提供しているが、BBフォンを利用するには 513円/月(税込み)の光BBユニットのレンタルが必要で、基本料金は無料であるものの、実質、有料オプションと言ってもよい仕様になっている。
BBフォンと違って ODN IPフォンの場合は汎用の SIP規格を使うので、自前で用意した SIP電話機やスマホの SIPアプリを使うことができ、かつ契約には ODN の ISP契約が必要であるものの、ODN IPフォンの利用自体は他の回線からも可能なので、SoftBank系に通話料無料で ISPフリーで使える、というある意味隠れた名サービスと言える。
なお、通話料が相互に無料になる相手は、ODN IPフォン(電話番号050-20xx-xxxx が多い)、BBフォン(050-1xxx-xxxx)、Dialpad(050-1xxx-xxxx)だけだが、逆に掛けてもらう時は KDDI-IP電話や KDDI系の CATV系事業者(ケーブルプラス電話)からも通話料無料になる。
というサービスで設定情報は郵送で送られてくる。
ODN IPフォンの設定情報
こちらも再掲になるが、ODN から送られてくる ODN IPフォンの設定情報がこちら。

必要なのは SIPサーバ名、IP電話番号、IP電話パスワードの 3点のみ。ほかは不要。
GRP2613 の設定
Grandstream GRP2613本体の画面で、状態、ネットワーク状態と見ていくとと IPアドレスが表示されるのでブラウザからアクセスする。

ブラウザからアクセスすると SSL の URL へ飛ばされるが、当然、SSL証明書が合っていないので警告が出る。Google Chrome の場合は詳細設定をクリックする。

(GRP2613 の IPアドレス)にアクセスする(安全ではありません)をクリックする。

デフォルトのユーザ名は admin、パスワードは本体の裏に書いてある。

ログインすると新しいパスワードを設定する画面が出るので、パスワードを設定する。

メンテナンス、セキュリティ設定、セキュリティと進む。
Webアクセスモードを HTTP にして保存して適用をクリック。
ブラウザで、http へアクセスし直す。

設定、一般設定へ進む。
STUNサーバに stun.l.google.com:19302 と入力する。
保存して適用をクリック。

設定を有効とするため、再起動を求められるので、Reboot now をクリック。

30秒ほどで再起動するので、ふたたび管理画面にログインする。
アカウント、アカウント1、ネットワーク設定に進む。
NATトラバースを STUN に変更する。
保存して適用をクリック。

アカウント、アカウント1、一般設定へ進む。
アカウント有効を YES に。
アカウント名は液晶画面で表示されるものなのでわかりやすければなんでもよい。
SIPサーバとアウトバウンドプロキシに ODN から送られてきた SIP設定情報にあった SIPサーバ名、blu.odn.ne.jp を入力。
SIPユーザID と認証ID は、IP電話番号を入力。
認証パスワードは IP電話パスワードを入力。
保存して適用をクリック。

アカウント、アカウント1、音声設定に進む。
選択項1~8 をすべて PCMU にする。
ジッター・バッファ長を 100ms にする。
保存して適用をクリック。

以上の設定で、ODN IPフォンを使える状態になるはずだ。どうしても SIP登録が YES にならないときは、再起動してみる。
通話してみる

GRP2613 からスマホに発信。

スマホの通話中の画面。
ODN IPフォンの番号(050-2008-11xx)と通話していることがわかる。

SoftBank BBフォンを収容した Grandstream WP820 から ODN IPフォンの番号に向けて発信。

GRP2613 で着信して通話中。BBフォンの番号(050-1389-xxxx)と通話していることがわかる。
まとめ
YAMAHA NVR510、Grandstream GXP1625、Grandstream GRP2613 と設定してきたが ODN IPフォンは生の SIP で挙動が素直なので設定しやすい。
SIP REGISTER も非常に高速で、発信、着信とも、待たされることなくすぐつながる。このあたりはさすが本職の電話会社といったところだ。
近日中に Wi-Fi SIP電話機の Grandstream WP820 での設定方法を紹介する予定だ。
さいごに
技術的な小難しい話題でしたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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