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ODN IPフォンを Grandstream WP820 で使う
前回までの記事で ODN IPフォンを YAMAHA NVR510 を使ってアナログ電話機で使う方法、SIPアプリ、Grandstream GS Wave で使う方法、SIP電話機、Grandstream GXP1625 で使う方法、SIP電話機、Grandstream GRP2613 で使う方法を紹介した。
今回もまた ODN IPフォンの設定情報を紹介する。
ODN IPフォンはSoftBank系IP電話、基本料金無料、SIP情報あり、ISPフリーとまさに神サービスなので、あらゆる接続情報を全力でシェアしたい。
今回は米国ボストンGrandstream社の Wi-Fi SIP電話機、WP820 から使う方法を紹介する。
Grandstream WP820 とは
![](https://assets.st-note.com/img/1656060802697-jPzReO50lt.jpg?width=1200)
Grandstrema WP820 は、Wi-Fi を使ってコードレスで使える SIP電話機で、2回線の SIP回線を収容できる。
スマホに SIPアプリを入れてしまえば似たようなことができるので、あまり需要はないかもしれないが、クレードルに置くだけで充電されるなど SIP電話機でもコードレス電話機の需要はあると思う。
ODN IPフォンとは
再掲になるが、
ODN IPフォンは、ISP の ODN が同社のユーザ向けに提供している 050番号を使った IP電話サービスで、申込みが必要なものの基本料金はかからず利用できる。ODN の ISPアカウントは、NTT東西のフレッツ光ネクスト向けであれば
1,320円/月(税込み)(2年間は 1,100円/月(税込み))とライバル社と比べても比較的安価なので、ODN IPフォンを使うために現在使っている ISP からの乗り換えを検討してもよいと思う。ちなみに私は、ODN IPフォンを使いたいために ISP を 2,200円/月(税込み)の IIJ から ODN に乗り換えた。
ODN は元々、日本テレコムという JR系の電話会社の提供する ISPサービスだったが日本テレコムが SoftBank に買収されたため、現在は SoftBank の ISPサービスの一部になっている。
SoftBank は光コラボの SoftBank光、NTT東西フレッツ光ネクスト向けの ISPサービスである Yahoo!BB光、そして個人・法人向けのフレッツ光ネクスト向けの ISPサービスである ODN、法人向けのフレッツ光向けの ISPサービスである SpinNet と歴史的な理由もあって 4つの ISPブランドが併売されているが、Yahoo!BB光と ODN は似たようなサービス内容でどちらも 1,320円/月(税込み)なので、IPoE IPv6 が使いたい、BBフォンを使いたい(光BBユニットという独自の CPE をレンタル(レンタル料金が必要)する必要がある)場合は、Yahoo!BB光、ODN IPフォンを使いたい場合は ODN を選べば良い。
同じ SoftBankグループの SoftBank光や Yahoo!BB光では 050番号を使った IP電話サービスとして BBフォンを提供しているが、BBフォンを利用するには 513円/月(税込み)の光BBユニットのレンタルが必要で、基本料金は無料であるものの、実質、有料オプションと言ってもよい仕様になっている。
BBフォンと違って ODN IPフォンの場合は汎用の SIP規格を使うので、自前で用意した SIP電話機やスマホの SIPアプリを使うことができ、かつ契約には ODN の ISP契約が必要であるものの、ODN IPフォンの利用自体は他の回線からも可能なので、SoftBank系に通話料無料で ISPフリーで使える、というある意味隠れた名サービスと言える。
なお、通話料が相互に無料になる相手は、ODN IPフォン(電話番号050-20xx-xxxx が多い)、BBフォン(050-1xxx-xxxx)、Dialpad(050-1xxx-xxxx)だけだが、逆に掛けてもらう時は KDDI-IP電話や KDDI系の CATV系事業者(ケーブルプラス電話)からも通話料無料になる。
というサービスで設定情報は郵送で送られてくる。
ODN IPフォンの設定情報
こちらも再掲になるが、ODN から送られてくる ODN IPフォンの設定情報がこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1656060415358-Dg7mrzPc2h.jpg?width=1200)
必要なのは SIPサーバ名、IP電話番号、IP電話パスワードの 3点のみ。ほかは不要。
Grandstrema WP820 の設定
Grandstream WP820 は Wi-Fi を使ってネットワークに接続するので Wi-Fi の設定も必要だが、今回は割愛する。
これまで紹介してきた GXP1625 や GRP2613 よりさらに設計が新しいので設定画面もわかりやすくなっている。ただし、日本語は無いので English のまま使う。
![](https://assets.st-note.com/img/1656058752812-ZRCUnD5O01.jpg?width=1200)
Phone Settings、General Settings に進む。
STUN Server に stun.l.google.com:19302 と入力。
Save をクリック。
![](https://assets.st-note.com/img/1656907356370-oPLcSsCDFI.jpg?width=1200)
Account、Account 1、General Settings に進む。
Account Active にチェック。
Account Name は液晶画面で表示されるものなのでなんでもよい。
SIP Server は blu.odn.ne.jp を入力。
SIP User ID と SIP Authentication ID は IP電話番号を入力。
SIP Authentication Password は IP電話パスワードを入力。
Outbound Proxy は blu.odn.ne.jp を入力。
NAT Traversal は STUN を選択。
Save をクリック。
![](https://assets.st-note.com/img/1656058863920-TMyVbptGc5.jpg?width=1200)
Codec Settings に進む。
Preferred Vocoder で PCMU のみを、Selected 側に移す。
Save をクリック。
![](https://assets.st-note.com/img/1656058898720-Hm4gmnXaO9.jpg?width=1200)
画面上部に、Apply というボタンが現れるのでクリックする。
これで ODN IPフォンに SIP REGISTER できているはずだ。
通話してみる
![](https://assets.st-note.com/img/1656060253536-gPYVleKUnZ.jpg?width=1200)
左の WP820 から携帯電話に発信して通話しているときの様子。
少し見づらいが、携帯電話の液晶画面に表示されている通話相手の電話番号が、ODN IPフォンの番号(050-2008-11xx) になっていることが確認できる。
![](https://assets.st-note.com/img/1656059152073-O1OtqKs0pB.jpg?width=1200)
逆に携帯電話から WP820 の ODN IPフォンにかけて通話しているときの様子。
さいごに
技術的な小難しい話題でしたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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