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IVS2024 KYOTOインターン生レポート④R.Y:(高学歴)大手就活ミーハー大学生がIVSに行ってしまった話

IVS2024 KYOTOレポート第4弾、今回はR.Yさんのレポートです!
R.Yさんは、就活をすでに終えた上での参加でしたが、だからこそ、多くの気づきが生まれたそうです!
早速ご一読ください!

はじめに

大学3年の2月、就活を終えると同時にスパークルにインターン生として参画した。理由は自分を鍛えるためである。内定先は東京にあるコンサルティングファームで、なかなか厳しいとの噂が絶えない。入社までにできるだけ力をつけようと考え、長期インターンを探していたところ、求人サイトで見つけたスパークルに応募した。

スパークルに参画してからはいくつかの案件に携わる傍ら、IVSなるイベントに参加できる機会をいただいた。とりあえず興味本位で行ってみたが、衝撃を受けた。自分でいうのも変かもしれないが、いわゆる「やりたいこともなくとりあえずミーハーに大手を受けまくる就活」をしてきた人間である。石を投げれば当たる凡庸な大学生である。そんな人間にとっては針を刺されるより刺激的なイベントだった。


1日目

いざ開幕。しかし、オープニングセッションの聴講とブース接待でほとんど終わってしまった。12月のディズニーランドのような会場を歩き回り、スパークルの代表福留さんと名刺を沢山配った。福留さんとすれ違う人の半分くらいが彼の知り合いで驚いた。社長の仕事は人と話すこととはこういうことなのかと思った。

夕方から夜にかけてスパークル主催のサイドイベント「東北県人会」に参加した。東北から遠く離れた京都の暑さに負けないくらいの熱気を帯びていた。

私は、東北出身で京都の大学に進学した学生や、県議会議員の方と話をした。京都の学生の彼は印象的な言葉を放った。
「中学生が受験をして高校に行くように、大学生が当たり前に就活をして会社に行く。これが当たり前になっているけど、これをいますぐやめたほうがいい。」
僕には深く刺さる言葉だった。
別に大企業に入ることが悪とか、意識高く長期インターンをするのが正義とか、そんな意味じゃないのはわかっていた。いわば仕事とは人生だ。40年もビジネスをするのだから、その覚悟を持って、視野を広げて沢山経験して、自分にとって最適なファーストキャリアを選択するべきだということを彼は言いたかったのだろう。
彼の発言は芯を食っていた。自分のやってきた就活を否定されたというより、真意をくみ取られたからこそ記憶に残った。

この日、もう1つ大きな収穫をした。友人ができたことだ。現地で初対面だった彼は同じ大学の先輩であり、某大手総合商社に内定、私の内定先のお世話になっているOBのご友人であり、さらに私がメンターとして所属している就活支援団体に彼もまたメンターとして最近参画していた。こういうとき、縁というものが存在するとつくづく思う。
サイドイベント終了後、彼とは夜の鴨川沿いで語り合った。彼は投資家と話す中で、私と同じようにプライドを挫かれる発言を受けたらしい。IVSでの経験は青二才の2人にとって、辛酸をなめるようだった。慰め合い、また仙台で会おうと約束した。

2日目

朝から仙台市のブースで仕事だった。この日はボランティアスタッフとして来ていた大学1年生と一緒に仕事をした。
大学1年の7月からこんなイベントに参加できるなんて、最高だ。
聞けば、高校生の頃から起業に興味があり、仙台で行われるイベントにはよく参加してきたとのこと。大学も同じだった。東北に、ましてや同じ大学にこんな人がいるんだと驚いた。私の住んでいる世界が狭いだけだったと気が付いた。

仕事が終わった後はサイドイベントにいくつか参加した。まずは「資金調達のイロハ」という、現役スタートアップCFO2人によるトークセッションである。
京都でのたった1日半の経験を通じ、私はいかにしてこれからのキャリアでスタートアップという世界に身を寄せていけるかを考えていた。それほど魅力的だった。特別資金調達に興味があったわけではないが、少しでもその問いに対する足がかりを得るために当日飛び込みで参加してきた。

セッションの内容は私にとっては難解だった。参加者も大人ばかりで、ボーダーのTシャツに金色のスニーカー、金髪の私は誰の目にも浮いていただろう。ただそのおかげか、スピーカーの方の目に留まったようで、名刺交換の時間にたくさんお話をいただいた。

「最初はめっちゃしんどいと思う、だけどやれることはすべてやりなさい。そうすればいつか学ぶことがなくなるときがくるから。それまでやりつづけて。」
励まされるような、嬉しい答えだった。どんな選択をしたとしても、その選択でよかったと思える行動をすることが重要なんだと思った。そういう意味では選択に意味はないのかもしれない。

夜は八坂神社で行われたアーティストによるショーを見に行った。余談だが私はアートが好きである。内容はデジタルアートや盆栽アート作品の展示、「琴」とDJの融合演奏パフォーマンスなど。「日本文化」×「テクノロジー」やはり日本の文化は素晴らしい。どんなアートにも昇華し、どんな技術とも融合する。会場に学生は見当たらず、投資家、経営者、テック系スタートアップ関係者ばかりだった。

 

3日目

この日も仙台市のブースでスタッフとして参加した。内定先の社員の方やとある国の領事館の方、海外の投資家、14歳の起業家など、3日目でもたくさんの方との出会いがあった。拙い英語で必死にコミュニケーションをとったり、自分の将来について熱く厳しく壁打ちをしてもらった。
沢山の人に関わって3日目、ふと気づくことがあった。

それは参加者のキャラクターである。
IVSの参加者はとても優しい。話しやすい。前向きだ。肯定的だ。
投資家や起業家の方々も、その肩書から想像する外見も想像とは違った。誤解を恐れずに言えば「普通」だった。しかし、どんな人にも共通して、柔らかいコミュニケーションや表層の内側に揺るがないパッションを感じた。就活をしているときに出会った大手のリーマンたちの刺すような圧力や視線とはまったく対照的だった。この差はどこからくるのか。

たくさんの学び

貴重な経験がたくさんの学びを生んだ。まずやはり、私自身がどうやって今後、スタートアップという世界に身を寄せていけるか。はっきりとした答えは得られなかったが、2日目のサイドイベントで言われたように、いつその時が来てもいいように万全の準備をしておこうと誓った。あとはその時その時の出会いと直感で決めようと思う。

日本の伝統的な企業とスタートアップの壁が薄れつつあることにも感じた。会場には誰もが知るような大企業の関係者も多くいて、多くの大企業がスタートアップと協業する意思をもち、ともに大いなる光に向かっているように見えた。少なくともあの会場においては、壁というものは1mmも感じなかった。これは私が就活をしていた時には全く気付くことのなかったことだ。個人的にうれしい発見である。

そして最後に、学生のうちにビジネスというものに触れることの重要性についてだ。持論だがIVSに参加して改めて強く感じた、「人生=仕事」だと。そして東京を中心に、多くの若者がそのことに気づき始めているのではないかと思う。昨今のコンサルや長期インターンの人気がそれを示している。私たちは自分の将来を真剣に考えないと生きていけない世代だからこそ、学生という肩書にとらわれず、ビジネスの世界に骨を埋める覚悟を持たねばならないと思う。

今後の目標

私自身長くひとつの会社に居続けたいとは思わない性格であるし、またコンサルという業界の特性上、常に一歩二歩先を見据えてキャリアをつくることが求められる。IVSを通じて、やっと先の明かりが見えたように思う。熱くて面白いチームの一員として日本を、スタートアップの世界を盛り上げると決めた。



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