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エヴァンゲリオン好き社員がシリーズや好きなキャラクターについて語ってみた【前編】
巨匠・庵野秀明さんが監督した「エヴァンゲリオン」シリーズ。
1995年に放送されたテレビアニメシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」から30年近く経った今でも、映画シリーズを中心に根強い人気を誇っています。
今回の座談会では、エヴァンゲリオンについて語りたい社員が4人集結。
世代を超えて愛されるエヴァンゲリオンの魅力について、好きな作品やキャラクター、そして考察の楽しさなど、ファン視点で語ってもらいました。
※エヴァンゲリオンシリーズのネタバレを含みます。ご注意ください。
エヴァ好き社員
Nさん
配信アプリ業務を担当。
「『シン・エヴァンゲリオン』が上映される前にアニメシリーズから一気に観てみようというイベント感覚で初めてエヴァに触れました。それまではよく分からないヤバいアニメくらいの認識でしたが…ビアニメ・旧劇場版から新劇場版まで、世代を超えたファンの推し作品アニメと新劇場版のQまで観たら面白くて、映画館でシン・エヴァを観たらしばらくエヴァのことしか考えられらくなりました(笑)」
KSさん
コールセンター管理業務を担当。
「多感な青春時代に自分を支えてくれたコンテンツの一つです。年齢の近い主人公に自分が置かれた環境に共感できたのは建前で、普通にアスカが好きだったからです」
KTさん
配信系業務を担当。
「はまったきっかけは2008年に放送されたアメトークのエヴァンゲリオン芸人です」
Yさん
研修やキャリア採用などの人事業務を担当。
「小学生の時に友人から勧められてビデオ(VHS)を押し付けられ、観始めたら止まらなくなり、抜け出せなくなって今に至ります」
テレビアニメ・旧劇場版から新劇場版まで、世代を超えたファンの推し作品
――「エヴァンゲリオン」にはテレビアニメ(1995年放送)や新劇場版の映画4部作(2007-2021年)などたくさん作品がありますが、皆さん全部ご覧になっていますか。
Yさん「観たね」
Nさん「細かい作品含めるといろいろありますよね」
KTさん「そうっすね、でもテレビアニメ・旧劇場版か、新劇場版、あと漫画版かな」
KSさん「大きくはその3つですね」
テレビアニメ・旧劇場版
テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」(1995年~1996年)
映画「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」(1997年)
映画「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」(1997年)
テレビ東京系で全26話で放送されたアニメと、アニメ最終2話のリメイクとして公開された旧劇場版。
新劇場版
映画「ヱヴァンゲリオン 新劇場版:序」(2007年)
映画「ヱヴァンゲリオン 新劇場版:破」(2009年)
映画「ヱヴァンゲリオン 新劇場版:Q」(2012年)
映画「シン・エヴァンゲリオン 新劇場版」(2021年)
旧劇場版の完成から10年後、庵野秀明監督によって再び企画された。
「序」までテレビアニメ・旧劇場版のリメイクだが、「破」以降で展開が分岐する。
漫画版
漫画「新世紀エヴァンゲリオン」(1995年~2013年)
貞本義行先生がテレビアニメ版のコミカライズとして描いた作品。
キャラクターの性格や終盤の展開がテレビアニメ版と異なる。
――特に好きな作品やシリーズはありますか?
Nさん「僕は作品を見始めたタイミングということもあって、新劇場版が好きです。
『エヴァンゲリオン新劇場版:破』(以下、破)のタイミングでテレビアニメ版や漫画版からストーリーが分岐するんですよ。後に続く『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』(以下、Q)の展開が意味分からなかったんですけど、その意味分からない分岐からよく終わらせたなって(笑)。新劇場版は4作品だけで上手く完結させたところと、碇シンジくんが立ち直るところで、これが総決算だなと感動した記憶がありますね」
――テレビアニメ版はNさんが生まれる前の作品かと思いますが、こちらもご覧になったんですね。
Nさん「2021年に完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(以下、シン・エヴァ)を観るためにこれまでの作品を観たんです。テレビアニメ版は分からない部分が多かったんですけど、漫画が分からない部分を補足してくれていて、漫画を読んでからどっぷりハマりましたね」
――テレビアニメ版は有名な拍手のシーンがある作品ですよね。
Nさん「そうです、問題のシーンです(笑)。テレビアニメ版の25話、26話が意味分からなくって…」
Yさん「ストーリーぶった切ってるよね」
――あの25話、26話はシンジの精神世界の話と解釈して良いのでしょうか。
KSさん「答えを求めるような質問はちょっと控えていただきたい」
一同「(笑)」
KSさん「エヴァンゲリオンあるあるというか。あったシーンだけは伝えられるけど、あれが何を言ってるのかみたいな質問には公式には答えられない」
Nさん「一応25話 26話の内容をちゃんと描こうとしたのが『新世紀エヴァンゲリオン劇場版Air/まごころを、君に』ですよね」
KTさん「ただ実際、何も描かれてないですよ」
KSさん「テレビアニメ版をもう一回劇場版で作った感じね」
Nさん「そうなんですよね、結局よく分からないっていう」
――素人質問で失礼しました…!KTさんはいかがですか。
KTさん「俺も新劇場版の方が好きですかね。完結させてくれたっていうのと、全体的に分かりやすいっていう。Nさんが言っていた通り、Qの最初はマジで訳分からないんですけど、全体として分かりやすいから新劇場版の方が好きです」
――やっぱり破からQの部分で分からなくなるんですね。時系列としても14年空きますもんね。
Nさん「そうですね。話が急に飛ぶんですよ。その間シンジくんはずっとLCLっていう液体状態になってて。そこから急に始まるんで置いていかれる感じでしたね」
KSさん「新劇場版のBlu-rayを買うと、空白の14年間のシーンを少しだけ補完してくれる特典映像があって、それを観ると少し分かります」
Nさん「あ、観ました!」
KSさん「ちょっと分かるというか、いや先言ってよっていう内容が描いてあるんですよね」
――破の予告映像で流れていた部分がもっと詳しく描かれている?
KTさん「予告は予告で別で、ちゃんと見るとちょっとわかる。予告じゃないしね(笑)」
Nさん「そうですね。破の続きみたいな内容が予告では流れてて、Blu-rayの特典映像だとQの前が描かれている感じ」
Yさん「だって破ってピアノの連弾で終わったじゃん。なんだこれ?ピアノ?みたいな感じで意味不明だったよね」
KSさん「本来は続いているストーリーを、序・破・Q・シン・エヴァで一応時系列を区切って映像化してくれるので、流れは分かりやすかった。ただ、間も言って欲しかったっていう(笑)」
Yさん「本当に、特典映像もっと早く出してって(笑)」
KSさん「終わってから分かった感じでしたね」
――KSさんとYさんはテレビアニメ版からリアルタイムで視聴された世代かと思いますが、特に好きな作品はありますか。
KSさん「好きな作品っていうと難しいんですけど…時代的にはやっぱり旧劇場版。テレビアニメ版からの旧劇場版が一番の青春時代の体験ですね」
Yさん「分かる、テレビアニメ版からのね」
KSさん「そうですね、何で好きかっていうと…一番純粋に見れたからかもしれませんね。ちょうど小学生、中学生ぐらいで、受験終わって初めて見たのが再放送のテレビシリーズでした」
――主人公のシンジたちも14歳で中学生ですもんね。同世代で共感する部分もあったのでしょうか。
KSさん「共感はなかったんですけど、年齢的に女の子のキャラクターには影響を受けてるんじゃないかなと思いますね。作品でいうと、分からなさがちょうど良かった。難しいな、何が好きかって言われると難しい。同じものだからすごく難しい」
Yさん「たしかに。全部のシリーズ良かったしね」
KTさん「分からないところが良いみたいな…」
KSさん「それは全部に言えますね。うん、やっぱり全部好きなんですよ。全部分からないですけど。どれがいいかって言われると…」
KTさん「差を説明するのが難しいよね。当時のアニメとしては考察というか、裏の設定がすごくて。ヒロインと主人公の葛藤だったり、話の中で勝手に世界滅亡まで行っちゃう、いわゆるセカイ系アニメのはしりっていうか。そういうところで旧劇場版の方がいいみたいなニュアンスがあるのかもしれないですよね」
Yさん「本当に時代だよね。それまでは戦隊モノから派生したようなアニメや日常系のアニメで。そんな中でエヴァンゲリオンって人間のドロドロした感じの政治とかもあったりして、何これ!?みたいな感じでハマったんだよね」
KSさん「そうですね、アニメの流れや感じ方が変わったのかもしれないですね。見た目はロボットがバンバン戦ってるんだけど、大きな変革があったのがエヴァンゲリオン。可愛い女の子や男の子たちでストーリーを作ってるんだけど、世界の滅亡という要素が入っていたり、裏設定がいっぱい詰め込まれているから皆で考えながら映像を楽しむ要素を入れてくれた作品なのかなって。……これ一般論だよね?」
Yさん「一般論、一般論」
KSさん「エヴァを語る一般論。僕はそれが好きだったし、その衝撃があったという意味で旧劇場版が好きですね」
Yさん「私もKSさんと一緒で、やっぱりセンセーショナルにびっくりしたのは本当にテレビアニメ版から旧劇場版。流れが分からないけど、あれもあれで完成されてたんじゃないかなって思いますね。でも、あれで終わりにするんだっていう唐突感と、あれはデートで観に行っちゃいけないなっていうのはすごく思いました」
Nさん「旧劇場版の映画ですか?」
Yさん「そうそう。中学生時代だったけど、田舎の映画館に行ってスッゲェ気まずい思い出があるんだよね(笑)」
Nさん「グロテスクなシーンありますもんね」
Yさん「けっこうグロいですね。皆黙りこくって、なんじゃこの完結はみたいな。普通映画って見終わったらジーンとくるものなのに、皆置いてきぼりな感じの不思議な空気が映画館に漂って…その後飯食べても何も味がしないみたいな(笑)。まあその意味では新劇場版のQもポカーンだったね」
KTさん「Qは本当にはじまりからポカーンでしたよ」
Yさん「で、終わりもギャーってね(笑)。新劇場版の序・破は王道だし本当によくできた作品だよね。ただ旧劇場版の混沌とした感じも、あれはあれで好きだなと思いますね」
心をつかむ多彩なキャラクターたち
――続いて、好きなキャラクターについて教えてください。
Nさん「好きなキャラクター考えたらめっちゃ難しくて…新劇場版の式波・アスカ・ラングレーが好きですね。あとカヲルくん。この2人が好きです(照笑)」
――惣流ではなく、式波のアスカが好きなんですね。
Nさん「アスカは旧劇場版と設定が若干違うんです。旧劇場版の惣流・アスカ・ラングレーより、新劇場版の式波・アスカ・ラングレーの方が、僕には明るく見えたんですよ。式波は新劇場版の破が初登場なんですけどめっちゃかわいいんですよ。しかも惣流のアスカは加持さんが好きなんですけど、新劇場版はシンジが好きなんです。年頃の可愛さと言いますか、そこもちょっと出てて、綾波レイとバチバチしたりするけどみたいなところが可愛いですね(照笑)」
――お弁当作っていたアスカが健気でしたね。
Nさん「そう、新劇場版ではお弁当作るシーンがある。はい、そこも可愛いですね」
――カヲルくんは?
Nさん「カヲルくんはビジュアルがかっこよくて好きです。あの時のシンジくんを支えてくれていましたし、何よりカヲルくんがいたからQがよく分からなくても観れたっていうのもあります(笑)」
一同「(笑)」
KSさん「僕も綾波派じゃなくて…惣流のアスカが好きですね。どのキャラクターも良いけど、ちょっと突出してるのは惣流・アスカ・ラングレー。ああいう天真爛漫な女の子の方が好きだっていう個人的な好みもあるし…って今これただの女の子の趣味みたいな(笑)」
一同「(笑)」
KSさん「作品に関しての好き嫌いって感じじゃないんですけど(笑)」
Nさん「恥ずかしいですね(笑)」
KSさん「なんか何言ってんのかなって(笑)。作品として好きなのは加持さんかな。加持さんは重要なところに必ず出てくるんですけど、大事なことを少しだけ言って多くを語ってくれないからまじで何も分からないですよ。だから大体加持さんの言った言葉をキーワードに検索する感じがありますね。謎多き男性だし、おそらく描かれてないところでは非常に多くの重要なことをやってるんですけど、そこが一番知りたいのに出てきてくれないんですね。そういうのには憧れてましたね」
――加持さんかっこいいですよね。私も好きです。
KSさん「諜報活動に当時は憧れたっていうか。こっちも結構エッジ立ってる思春期なんで、裏で暗躍するキャラクターにすごく憧れを持ってて、やりたいのはあれだねっていう。大事な一手は俺が持ってます、この会社を揺るがす重要なものはここにありますみたいな。株式を引き出せる銀行のキーはこれですみたいな(笑)」
KTさん「俺は女の子的にいうと、マリが好きなんですよ。ミサトやリツコみたいなお姉さん系の人と、アスカやレイみたいな年齢が近い幼い系のキャラしかいなかった中に、新劇場版でちょっと年齢上なお姉さんキャラが出てきて、良いなと思ってました」
――たしかに、今でにいなかったジャンル!
KTさん「ネタ的にはゲンドウが結構好きですね。シン・エヴァの時に目が使徒みたいになるじゃないですか。あそこめちゃくちゃ面白くて」
一同「(笑)」
KTさん「アレからけっこうゲンドウ好きですね。あと、加持さんは破とQの間のストーリーや考察を見てくと、めちゃくちゃかっこいいなって思いますね」
Nさん「描かれてないところがね」
KSさん「シン・エヴァの中で加持さんが意味分からないけど意味深な一言を言うシーンがあるから、遡って考察するととちょっと面白かったりしますね」
Yさん「私はミサト派なんですね。幼い反面、大人のところもあり、ちゃんとオン・オフ使い分けて優秀みたいな。泥臭いのにすごい人だなっていうのは幼い頃から感じてて、こういう大人素敵だなあって。彼氏の加持くんもやっぱりかっこいいし、アスカをあしらうのも上手だし。重要なことはスイカに水あげながらシンジに言ってて、なんてかっこいいんだろう、こういうカップルすごいなーって」
――オン・オフある感じ素敵ですよね。
Yさん「新劇場版のQからはキャラ変しちゃって、うわーって。でもシン・エヴァの最後では元々のミサトで。なのでキャラとして好きなのはやっぱりミサトかな。加持もその点でセットといったら何ですけど、物語としてすごく支えている2人なんじゃないかなと思ってますね」
――分かります。最後の最後に大好きなミサトさんに戻った気がしてすごく嬉しかったです。
Yさん「男性のキャラクターだと、冬月になってみたいなと感じますね。いろいろ知って支えているセカンドポジションで、ちょっと手のひらでゲンドウ転がしてる感じがちょっと好きかもな」
KSさん「あまり好きなキャラクターって観点で観ていなかったんですけど、それぞれツボを押さえた人が多いですね。それぞれのキャラクターが憧れる挙動をそれぞれ出してるというか。冬月さんの話だと、たしかに最高のナンバー2ってああいう感じでいたいなって思うシーンとか。自分は先頭を走るタイプじゃないなあって感じる時に、ナンバー2で頑張っていこうみたいな時に浮かぶのは冬月さんのあの感じとか」
Yさん「あとは任せたって言われてみたいよね(笑)」
KSさん「冬月さんはナンバー2とはこういうものだってことを学べるような、くすぐるような描写が多いですよね。そしてお姉さんのキャラとはこういうものだって思うのがミサトさんなんですよね。若い子には、お姉さんでキャリアウーマンみたいな部分を見せつつ、だけど『彼氏います』みたいな。いわゆるお姉さんのステレオタイプとして心をくすぐってくれるし、もっとより妖艶な方はリツコさんがいるし。大概ボスキャラはゲンドウさんみたいなことやってますからね、やっぱり。世のキャラクター見ても、最後の重鎮ってああいう感じですよね。僕らも多分最後のボスやってくれって言われたらあんな感じになるんですよ。寡黙で、最終指令は一言だけ『行け』みたいな感じのこと言いそうだな」
KTさん「でも心では子供みたいで、自分がしたいことをしてる」
KSさん「そうですね。だからゲンドウさん見て、社会の立ち振る舞いとか理解する(笑)。こういう建前というのは大人にもあるんだなっていうのをまあ感じる作品ですね」
――自分の上司や先輩はこのタイプにいてほしいタイプのキャラクターはいますか?
KSさん「今の上司と対比になっちゃうから問題だね(笑)。そもそも普通の人って加持さんぐらいしかいませんからね…」
KTさん「加持さんもよく教えてはくれないですからね」
KSさん「そうですね。年齢的に上司っぽい人って碇ゲンドウか冬月さんか加持さんくらいでしょ。あっ、ミサトさんとか?」
Yさん「新入社員で上司この人たち…めっちゃ振り回されそうですね」
Nさん「マリは先輩社員でいてくれたら和むなって感じがしますね」
KSさん「たしかにね。となると、マリしかいないですね。そもそもマリが、そうやって生まれてるはずなんですよね。他のキャラクターがちょっとおかしすぎるから、いろんなことを良い風に捉えているのがマリさんなんですね。通称庵野さんの嫁ポジションなので」
一同「(笑)」
KTさん「ケンスケとかはどうです?」
一同「ああ!」
Nさん「たしかに、新劇場版のケンスケはだいぶ大人ですもんね」
Yさん「常識人でいうとヒカリもまあまあ良いのかな」
Nさん「一般人ですね(笑)」
KTさん「(メインの)キャラクターだと難しい…」
KSさん「でも皆くすぐるところがあるから、どこかしらなりたいって思えるのかもしれないですね!」
後編(7/20公開)では、名シーンや好きな言葉、そして愛され続けるエヴァの魅力について語っています。後編もぜひお楽しみください!
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