トイレ行きたい
中学3年の時の話です。
数学のテストの時間でした。
僕は途中で小便に行きたくなり、もうコップからあふれるくらいにまでなっていました。
でも、あと1問解けない問題があるのでここで終わりにしたくありませんでした。
トイレに行ったら戻れないと思っていたからです。
僕の膀胱はもうパンパンになっていて思考回路はゼロでした。
落ち着いて考えればなんとかなった問題だったのです。
もうどうしようもなくなってました。あまりにも放尿したくて涙が出そうでした。
でもこういう話を聞いたことがあります。
便器を書きそこに放尿してる人を書けば、自分の代わりにトイレに行ってきてくれ気分が和らぐと…
今考えてもなぜそんな話を信じていたのか、へそが茶を沸かしちまいます。藁をも掴む気持ちだったのです。
でもそんな絵を描いても、膀胱の尿量が物理的に減るわけがありません。
僕はもう「トイレ行きたいトイレ行きたい」と何度も何度も問題用紙の裏に書き付けてました。もう念仏のようです。
その時点で難問は諦めてました。
トイレ行きたいトイレ行きたいトイレ行きたいトイレ行きたい………
問題用紙の裏は僕の文字でびっしり埋まってました。
テストが終わり僕はトイレに駆け込みました。放尿と共に目頭もじんわり熱くなりました。
その後、友達にそのことを話して、問題用紙の裏を見せたら、僕のびっしり書かれた「トイレ行きたい」の文字に度肝を抜き「こえぇ」と一言漏らしました。
FIN
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