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壁に耳あり

小学6年の時の話です。

学校から友達と帰宅するとき、ある家の柵の向こうに犬がいるのを発見しました。

友達が「犬かわいいなぁ」って言いながら、手を柵の間に入れて犬を触ろうとしました。

その瞬間、ガブっ!!

友達はイヌイヌパニックに噛みつかれてしまいました。

友達はびっくりしてすぐに手を引っ込めましたが、指には血が滲んでいました。

幸いもう家が近かったのですぐに消毒できましたが、友達はとてもビックリしたと思います。

別の日、またその友達と下校して、その家の前で立ち話をしました。

「そういえばここで犬に噛まれたなー」

「なんかムカつくなー」

「なんでこんな危険な犬、飼ってんだろ」

なんて言いたい放題言ってました。

しかし僕は見たのです。

その柵の中には大きな植木が並んでて、中がほとんど見えないようになってるのですが、その植木のすぐ向こう側に人がいるのを。

距離的には約1メートル。

よく見るとそこの家のおじさんでした。

おじさんは息をこらしてじっとしてました。

僕は気付いてしまったので悪口言ってる友達に、ジェスチャーで「そこにいるよ!!」って伝えました。

おじさんからは丸見え丸聞こえだったと思います。

壁に耳ありとはよく言いますが、木々の向こうにおじさん、という言葉を教訓に生きていくことも大切だと感じました。

FIN

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