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運命

『!注意!』


・この記事では、割とデリケートな内容も触れていきます。苦手な方はお気をつけ下さい。
・途中考察も入れながら話を展開しますが、自分自身の考察だけでなく、調べた内容も含まれます。ご了承下さい。
・考察の内容は、もしかしたら正しくないかもしれないですが、「こういった解釈もあるんだ」程度に捉えて頂けると幸いです。
・一応ミリオン10thライブの「Sing a Wing Song」感想記事です。


上記の内容をご理解頂けた方のみ読み進めて下さい。




「運命とは、最もふさわしい場所へと、貴方の魂を運ぶのだ。」

人生で起こる出来事や状況、それら全てがたまたまや偶然ではなく、ある意味で必然的ではないか、というものだ。
勿論、運命と言っても良い事ばかりでは無い。嫌な事、辛い事もあるだろう。
だが、そんな運命の悪戯もいつかは、貴方をふさわしい場所へと運んでくれる。
そんな思いがある言葉ではないだろうか。

こちらは、シェイクスピアの名言。      
…とされている。
どうやら出展元がはっきりしていないらしい。

「運命」
自分がミリオンライブに、
田中琴葉に出会ったのも運命的だった為、この言葉への思いは強くある。



さて、Act4の「Sing a Wing Song」を語る上で必要な事がある。

それは……

今までの田中琴葉ソロ曲の考察だ。
よって、ここから田中琴葉のソロ曲考察に入る。
非常に長くなる為、「Sing a Wing Song」の感想だけ見たい方は、飛べるように用意しておく。



田中琴葉ソロ曲考察

「ホントウノワタシ」

この曲は、田中琴葉の心の深い部分を表した曲だ。
田中琴葉が重たいと言われる所以の曲でもあるだろう。
重たいイントロから、「大丈夫、君は強い人だから」と田中琴葉が過去に散々言われてそうなフレーズから始まる。
これを言った友人も悪気があって言った訳では無い。
「無邪気に手を振る姿に「じゃあね」って笑った」とあるように、何気ない会話の一部だったのだろう。
だが、長所真面目、短所真面目の田中琴葉には深く突き刺さる言葉。
本当は私はそんなことないのに、
誰よりも臆病なのに、
誰にもホントウノワタシは分からない。
ただこれを人の所為にせず、「自分が変わらなきゃ」と考えるのが、あまりにも田中琴葉らしい。
ただ、自分自身に何度も問いかけても「変われない」
「本当は少しずつでも信じてゆける私なのに」

2番冒頭の「知らない私」とは、「田中琴葉が優等生の私を演じている姿」だろう。
周りの目が気になりすぎて、「他人が思い描いて居る自分」を演じてしまう、皆が「本当の自分」をさらけ出す事など出来ないだろう。
自分も学生時代にミリオンライブが好きだということを胸にしまっていた為、この田中琴葉の気持ちは良く分かる。
自分は、人に嫌われるぐらいだったら演じ続けていたいと思ってしまうが、田中琴葉は違う。
そんな自分を変えたいと強く思っている。
もどかしい気持ちを抱えながらも、「今日より明日は強くなる」と一途に信じながら歩んでゆく。
そんな田中琴葉を自分は尊敬している。


「シルエット」

自分は、この曲は2つの視点から考察が出来ると思っている。
というのも、この曲は「私」「あなた」「彼女」等、とにかく人称代名詞が多い。
歌詞をそのまま聴いただけでは、全く内容が理解出来ない。
それらの人称代名詞に誰を当てはめるかによって、解釈が大きく変わっていく。

視点1:曲の1番が田中琴葉視点、2番が種田さん視点
こちらの考察は、この曲のリリース、ライブで披露された時期と大きく関わってくる。
「シルエット」は、M@STER SP@KLE 01の最後のアルバムの最終トラックに収録されている。
(正確には最終トラックはBNTではあるのだが、)
発売日は、2018年4月4日である。
そう、この時期は種田さんが休止、復帰した時期と重なる。
ということは、この「シルエット」という曲は種田さんの田中琴葉復帰曲なのだ。
どこまで意図して作られているかは分からないが、全くの関係がないとは言いきれないだろう。

曲の考察に入ろう。
1番の「誰かの影」が田中琴葉から見た種田さんのことで、種田さんから「言葉を借り」ているのではないかと考察する。
「伝えること 歌うこと 怖くなった」というフレーズが、声が出せないことを田中琴葉が自分自身で責めてしまっているのではないかと、そう思わせる。

2番の「彼女」が種田さんから見た田中琴葉で、声が出せない状況になっても、田中琴葉は誰のせいにもせず、「自分」というものに向き合ってきた。
「逃げてる時」と言うと、聞こえは悪くなってしまうが、種田さんが田中琴葉から離れてしまっていた時のことを表現しているのではないだろうか。
田中琴葉が1人でもがき奮闘している姿が、種田さんにはどんな「私」よりも美しく見えたのだろう。


視点2:曲の1番が「本当の」田中琴葉視点、2番が「演じている」田中琴葉視点
こちらの考察は、種田さんとの関係を考えないものとした内容となっている。
基本的には、視点1の「種田さん視点」を「演じている田中琴葉視点」に切り替えた内容となる。
「この身体も この心も」というフレーズが、「演じている」田中琴葉視点と「本当の」田中琴葉視点を対比しているのではないかと考えている。

ラストのサビの「あなた」は、色んな人を当てはめられると思っている。
視点1の考察から種田さんを当てはめてもいいし、2人称視点である為、プロデューサーを当てはめてもいいと思っている。
ここまでの歌詞では、後ろ向きな内容がほとんどであったが、ここでやっと前向きな歌詞が出てくる。
自分が田中琴葉を支えないといけないと思っているのも、この歌詞からきている。
自分に出来ることなど少ないが、今後も彼女を見守り、支えていきたいと思う。

最後に日本語訳を載せておく。(ネットで直訳しただけの為、間違っている恐れ有り)

「歌詞」
wear light shed light
The light that you gave to
wear light shed light
The light that you gave to me that day

「日本語訳」
光をまとう
あなたが与えた光は
光を身にまとう
あの日、あなたが私にくれた光


「朝焼けのクレッシェンド」

この曲は、前の2曲とは異なり、希望溢れる曲となっている。
爽やかなイントロから始まるこの曲は、田中琴葉が一日一日を大切にしながら、夢に向かってひたむきに追いかける姿が目に浮かぶ。
「きっと信じてゆける 私なのに」と自分を信じきれない「ホントウノワタシ」、
「この身体も この心も もっと信じられるの?」と自問自答してしまう「シルエット」を経た田中琴葉は、
「朝焼けのクレッシェンド」で「自分を信じているよ」や「信じたい明日」等、自分を信じられるようになってきている。
「わたしが わたしでいれるように」「不器用でも 前を向いていこう」というフレーズにもあるように「朝焼けのクレッシェンド」は田中琴葉にとって一歩ずつ成長していく曲となっている。

個人的には、「迷いながら 手放せなかった 夢なら本物」という歌詞が好きだ。


「Sing a Wing Song」

さて、本題の曲である。
優しいイントロから始まりバラード曲かと思いきや、疾走感のあるメロディーになっていく。
どこか「朝焼けのクレッシェンド」を彷彿とさせるような爽やかさを感じる様な曲となっている。
コーラスも種田さんが歌唱しており、なかなかに聴きごたえがある。

この曲は、「ホントウノワタシ」「シルエット」「朝焼けのクレッシェンド」とは明確に異なる所がある。

それは、「誰かに届けたい歌」という所だ。

今までのソロ曲は、田中琴葉自身のための曲であったのだが、この曲は明確に「届けたい相手」がいる曲である。
田中琴葉というアイドルは、真面目すぎるが故に他人を、仲間を優先してしまう癖がある。
もはや癖の域だろう。
そんな彼女だからこそ、ソロ曲は、
ソロ曲では、自らのことをメインに歌ってきたのではないかと自分は考えている。
今までのソロ曲で、「田中琴葉」というアイドルの内面を表してきた訳だが、
ここで、4曲目にして、「誰かに届けたい歌」を歌ったのである。
これは、自分は、田中琴葉の「成長」
ではなく、田中琴葉の「完成」
だと思っている。

「誰かに届けたい歌」と言ったが、それは不特定多数の誰かなのだろうか。
それもあるとは思うが、自分は「成長途中の田中琴葉」に向けてだと考えている。
というのも、「足取り重いその背中」や「少しずつ自分を知って進もう」等、
他の歌詞、というか曲全体的に、今までのソロ3曲の時の田中琴葉に向けてのように聞こえる。
今まで否定してきた自分を肯定するかのように。
歌っているのは、先ほど述べた「完成した田中琴葉」だろう。
ただしかし、種田さんが田中琴葉に向けて歌った曲とも捉えられるのではないかと思っている。
過去に「ずっと琴葉のことを笑顔にしたいと思っていた」とおっしゃっていたのを聞いたことがある。
ついにここで果たすことが出来たのではないだろうか。


「ソロ曲考察まとめ」

ここまで各ソロの考察を述べてきた訳であるが、田中琴葉のソロ曲考察はこれだけでは終わらない。
これら4曲は、様々な関係性を持っている。
ここからは、それについて述べていく。


  • 「ホントウノワタシ」「シルエット」「朝焼けのクレッシェンド」の3曲がループしている

ソロ曲考察の順番で違和感を覚えた人もいるだろう。
そう、リリース順であれば、
「朝焼けのクレッシェンド」
「ホントウノワタシ」
「シルエット」
「Sing a Wing Song」
の順だ。
この考察を展開する為に敢えてこの順にした。

「ホントウノワタシ」
田中琴葉の「ホントウノワタシ」を見失ってしまった「苦悩」の曲
「シルエット」
田中琴葉の「ホントウノワタシとは」を自身に問いかけた「葛藤」の曲
「朝焼けのクレッシェンド」
田中琴葉のひたむきに夢に向かっていくという「成長」の曲
この「苦悩」、「葛藤」、「成長」がループしているというものだ。
しかし、このループが決して悪いものではなく、田中琴葉という人格を成長させるには必要なループなのだ。

では、「Sing a Wing Song」の位置づけはというと、
「ループから抜け出し、完成された田中琴葉」だと、自分は思っている。
ループしている様子を上から眺めている、そんなイメージだ。
だからこそ、自分の中での「Sing a Wing Song」は、とても思い入れの強い曲となっている。


  • 時系列

「ホントウノワタシ」は序盤の友人とのやり取りから夕方の出来事だろう。
実際に歌詞に「黄昏」と入っている所からもそう推察できる。
「シルエット」は、「影」というと日中でも存在するが、曲調とあなたがくれたヒカリに照らされて輝いている、というところから「月」を連想させる。
「朝焼けのクレッシェンド」は言わずもがなだろう。
時系列の面からも田中琴葉のソロがループしていることの証明の手助けとなっている。
「Sing a Wing Song」はどうかというと、初めの歌詞が「まぶしい朝」とある。
田中琴葉にとって「朝」とは、「希望の象徴」なのであろう。


  • 田中琴葉にとっての「光」

田中琴葉のソロ曲には、「光」というワードが度々登場する。
自分はこの「光」を「アイドルとしての輝き」だと考えている。

「ホントウノワタシ」では、「待ちわびてる 窓に訪れる『光』を」とある。
これは、「アイドルとしての輝き」を待ちわびていると考える。
とすると「ホントウノワタシ」は、田中琴葉がアイドルになる前の曲ではないだろうか。
序盤の友人とのやり取りも、学校では演劇部で「優等生の私を演じている」という所も、「アイドルになる前」と捉えると、どこか話が繋がってくるような気がしている。
そんなアイドルへの憧れを持っている田中琴葉が、「シルエット」では「私は私の『光』を纏え『ば』」となる。
ここではあくまで「仮定形」で、アイドルとして活動しているが、「アイドルとしての輝き」はまだ纏いきれていないのだろう。
「あなたがくれた『ヒカリ』」もプロデューサーがアイドルへの道をくれたということではないだろうか。
「朝焼けのクレッシェンド」では、「降り注ぐ『光』を纏って」とある。
ということは、「シルエット」で纏いきれなかった「輝き」を獲得し、アイドルとして成長出来たのだろう。
では、「Sing a Wing Song」ではどうかというと、この曲には『光』という歌詞はない。
しかし、コーラスに「shine for you」とある。
日本語訳すると「あなたの為に輝く」である。

はい、そういうことである。


ここまで田中琴葉のソロ曲の考察を述べてきた訳だが、
ついにAct4の「Sing a Wing Song」の感想を……





の前にもう一つだけ話させてほしい。
それは、ミリオン9thライブについてである。


ミリオン9thライブでの思い

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 9thLIVE ChoruSp@rkle!!
が2023年1月14、15日に日本武道館にて開催された。
M@STER SPARKLE 2(以後MS2と呼称)のソロ曲歌唱がメインのライブで、ミリオン単独としては2回目の武道館開催となった。

MS2曲の歌唱ということは、ここで「Sing a Wing Song」が歌われるはずであった。
しかし種田さんの出演が叶わなかった為、歌われることは無かった。
担当としては、出演出来なかったことを悲しむべきかもしれないが、当時の自分はこの曲をライブで聴くことに、少し怖い気持ちがあった。
その当時は、ここまでの考察は出来ていなかったが、曲の雰囲気から何となく察していた。
「ここが本当に『ふさわしい場所』なのか」
言葉では言い表せないが、漠然とした「不安感」を感じていた。

本当に
ここで
『田中琴葉の完成』を
見届けても良いのか



Act4「Sing a Wing Song」感想

ついに本題に入る。
まずは、現地で感じたことだが、









田中琴葉がいた。



確かにそこには田中琴葉がいたのだ。



衣装や髪型も相まって
種田さんが田中琴葉にしか見えず
ずっと泣いていた。


以上だ。
どんどん進行していくライブ中に深く考える余裕はなく、
ただただ

姿を

歌詞を

噛み締めていた。


ここからは、アーカイブを見て感じたことだ。

まずは、9thライブの時に漠然と感じてた恐怖だが、
そんな感情を吹き飛ばすかのような、とても清々しいステージだった。
自分は「田中琴葉の完成」と言ったが、彼女はどこまでも成長していく。
そんな彼女に置いて行かれない様、自分も精進しなければならない。


ここからは、少しデリケートな話となる。
苦手な方は読み飛ばして頂いても構わない。






これは、「サウンド・オブ・ビギニング」や「オレンジノキオク」でも感じた事なのだが、
種田さんは「無理して」裏声を使わずに歌っていると感じた。

ディレクションが変わったのか、喉の調子のせいなのかは分からないが、「グリー版 ミリオンライブ(以後グリマスと呼称)」から「シアターデイズ(以後ミリシタと呼称)」に切り替わる際に、田中琴葉の声が変化した。
グリマス時代は、全体的に声色が高く、声に輪郭があった。
少し幼さが残っているような、勢いを感じさせる声色だった。
ミリシタに切り替わってからは、声色が低くなり、落ち着いた雰囲気を感じる様になった。
もちろん、どちらが良い、悪いという話ではない。
ただ、グリマス時代よりかは、高い声を出せないのではないかと感じていた。


(こちらにグリマス時代のボイスがまとめられている。
 親愛度達成ボイスの『かわいいって…』というボイスが分かりやすい)


そんな中今回のライブでは、昔を感じさせるような力の入った歌声が印象的だった。
種田さんもこのAct4はとても気合が入っていたのだろう。
それもそのはずである。
今回のライブは一部の全体曲を除き、そのほとんどが初歌唱曲である。

・Rat A Tat!!!
・サウンド・オブ・ビギニング
・オレンジノキオク
・Sing a Wing Song
・夢にかけるRainbow

体調もまだまだ安定しない中、これだけの曲を一から覚えるのは、かなり大変だろう。
今回のセトリはキャストが一部決めていたらしいのだが、ここまで初歌唱曲があるのに、「Sing a Wing Song」を歌うことを決めてくれた種田さんには本当に感謝しかない。


ここまで10年、田中琴葉を見てきて、
嬉しいこと
悔しいこと
苦しいこと
たくさんあったが、10周年の千秋楽で「Sing a Wing Song」を現地で聴けて本当に良かったと思っている。

自分の「最もふさわしい場所」はここだったのだ。
10年前、田中琴葉と出会えて良かった。

ありがとう、琴葉、種田さん
ありがとう、ミリオンライブ




おまけ

Act4終了後に種田さんのインスタストーリーが更新された。

それがこちら、








流石に無断転載となってしまうので、写真は載せられないが、
内容としては、

個別衣装を身に纏って下からのアングルの
とても
とても
とても美しい種田さんの写真で、こう言葉が綴られていた。

「私も一緒に39人のステージに連れてきてくれてありがとう、
    琴葉、そしてプロデューサー」

そう「琴葉」なのである。
まず琴葉に感謝しているのである。

キャストとアイドルの関係は、キャストによってさまざまである。
未来と山崎さん、海美と上田さんは憑依型、可憐と近藤さん、エミリーと郁原さんは、共に成長していく型。
(自分の感覚ではそう感じている)
星梨花と麻倉さんは、どこかのミリラジで星梨花を見守っているような関係と言っていた。
田中琴葉と種田さんの関係は、星梨花と麻倉さんのように、田中琴葉を種田さんが見守っているとずっと思っていた。
琴葉のことを笑顔にしたいと思っていたと仰っていたし

だが、違ったのだ。
この言葉を見てハッとした。
4th武道館でミリオンスターズ全員出演の夢を繋いでくれたのは、田中琴葉だ。
種田さん休止中も劇場での仕事を続け、
ミリシタに移り変わっても先生の手伝いをしながら、種田さんの帰る場所を守り続けたのは、間違いなく田中琴葉なのだ。
今まで支えてくれたことに対して、種田さんは感謝したのではないだろうか。
2人はお互いが支え合う関係だということを10年経って気づいた、
そういう話である。



ここからは、完全に余談なのだが、今回Act4で披露された「Sing a Wing Song」はショートVer.だった。
やはりフルVer.が聴きたかったと思ってしまう。
だが、今後も披露される機会はあるだろうし(というか、あってくれ)
これから思い出を重ねていく曲だと思うので、
次はいつ披露されるのか
次はどんな物語があるのか
それを楽しみにしようと思う。



武道館で歌ってくれないかな………………


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