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ファミマは「クラスの人気者」でバーガーキングは「教室の隅にいるユニークな子」。企業をAIでクラスメイト化してみた

企業の特徴をわかりやすくするために擬人化することで、独自の強みを打ち出しやすくなります。

例えば、ファミリーマートはコンビニ業界を学校のクラスに置き換えて、自社のイメージを「クラスの人気者」と定めています。

昔からファミリーマートには、主力のフライドチキンを擬人化した「ファミチキ先輩」のように、ちょっとおちゃめで面白いことをするコンビニというイメージがあります。ですが、これらも特徴だと明確に定められていませんでした。そこで、「クラスの人気者」と位置付け、それがファミリーマートの特徴であり、キャラクターだと再定義しました。

日経クロストレンド

同様に、バーガーキングは自社を「教室の隅にいるユニークな子」としています。

野村社長は自分たちを「教室の隅にいるユニークな子」と位置づける。全国に約3千店を展開するマクドナルドが「生徒会長」だとすれば、バーガーキングは「常に目立つわけではないが、話を振れば気の利いた返しをするやつ」。

日本経済新聞

そうすることで、業界における立ち位置をはっきりとさせ、独自の強みを活かしたマーケティング活動を考えやすくなるというわけです。

この記事では、実験的にコンビニとハンバーガーチェーン各社をAIによってキャラクター化し、それぞれの特色を浮き彫りにしていきます。

この方法で自社のポジショニングをイメージとして見える化し、考えるきっかけをつくることができます。


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もしもコンビニ業界が一つのクラスだったら

まずは、コンビニ業界から見ていきましょう。ファミリーマート、セブンイレブン、ローソン、ミニストップの4社についてです。

ファミリーマートはマーケティング戦略上の独自のキャラ設定を公式に行っていますが、他社はそうではありません。そのため、学校という世界観において各社がどのようなキャラになるのかをAIを使って導き出します。

使用したAIモデルはGPT-4oです。プロンプト(指示文)はこのようにしました。

ファミリーマートはコンビニ業界を学校のクラスに置き換えて、自社を「クラスの人気者」と位置づけています。ちょっとおちゃめで面白いことをするコンビニというイメージがあるためです。その世界観において、セブンイレブンはどのようなキャラクターになるでしょう?

以下がAIの回答です。いずれもしっかり特徴を押さえています。

セブンイレブンのキャラクター設定

セブンイレブンは業界一位のコンビニチェーンであり、信頼性や安定感、そして豊富な商品ラインナップで知られています。この特徴を踏まえると、セブンイレブンは「クラスの優等生」や「生徒会長」といったキャラクターが適しているでしょう。
#### 理由
1. **クラスの優等生**:
- セブンイレブンは常に高い品質とサービスを提供し、業界のリーダーとしての地位を確立しています。
- そのため、学業やクラブ活動などで常にトップを走る「優等生」としてのキャラクターがぴったりです。
2. **生徒会長**:
- 業界一位のセブンイレブンは、他のコンビニチェーンをリードする存在です。
- そのため、クラスや学校全体をまとめる「生徒会長」としてのキャラクターも適しています。
### キャラクターの具体的なイメージ
- **クラスの優等生**:
- 常に成績がトップで、みんなから信頼される存在。
- 誰に対しても親切で、困っている人を助けることが多い。
- しっかりとした計画性があり、何事にも真剣に取り組む。
- **生徒会長**:
- クラスや学校全体のリーダーとして、みんなをまとめる力がある。
- 公平で公正な判断を下し、みんなからの信頼が厚い。
- イベントや行事の企画・運営にも積極的に参加し、成功に導く。
このように、セブンイレブンは「クラスの優等生」や「生徒会長」として位置づけると、ファミリーマートの「クラスの人気者」との対比がうまく取れ、バランスの良い設定になるでしょう。

業界一位のセブンイレブンは安定の生徒会長キャラでした。同様に、他のコンビニについてもAIでキャラクター化していきましょう。「理由」と「キャラクターの具体的なイメージ」は省略します。

ローソンのキャラクター設定

ローソンは独自の商品ラインナップやサービスで多くのファンを持ち、特にスイーツやデリカテッセン商品に強みがあります。この特徴を踏まえると、ローソンは「クラスのクリエイティブなアーティスト」や「クラスの頼れる友達」といったキャラクターが適しているかもしれません。

ミニストップのキャラクター設定

ミニストップは、特にソフトクリームやデザート類で有名であり、店内でのイートインスペースも特徴的です。この特徴を踏まえると、ミニストップは「クラスのスイーツ好きなグルメ」や「クラスの癒し系キャラクター」といったキャラクターが適しているかもしれません。

文字だけだとイメージしづらいので、さらに画像化も試してみましょう。

コンビニ男子を画像生成

画像化に使ったAIモデルはChatGPTに搭載されているDALL-E3です。次のようなプロンプトで画像を生成しました。

イラストのイメージ:クラスの人気者の男子。ちょっとおちゃめで面白いことをするキャラクター。ファミリーマートのブランドカラーであるブルーとグリーンを取り入れた制服を着ている。
スタイル:日本の大ヒットアニメ
背景:高校の教室。背景はぼかして、人物に焦点を当てる。

キャラクター設計には、各社の特色を表すブランドカラーを取り入れてみました。また、画像のタッチはできるだけ近いテイストになるように日本のアニメ調に。シーンは教室になるようにしつつ、背景の不自然さが目立たないようにぼかすように指示を入れています。違いがわかりやすくなるよう、全員男子にしました。

思うような出力が得られなかった場合は、微調整を加えたうえでそれっぽくできた1枚を選びました。

では、結果を見ていきましょう。

クラスの人気者のファミリーマート

クラスの人気者のファミリーマート

爽やかな好青年ですね!ちょっとおちゃめな感じも出ている気がしますがいかがでしょう?

生徒会長のセブンイレブン

生徒会長のセブンイレブン

優秀そうですが主張も強そう!教室全体を自分色に染めていそうです。DALL-E3は時々謎の文字を入れてきます。

アーティストチックなローソン

アーティストチックなローソン

アーティストというかがっつり絵を描いています。AIはまだ指の描写が苦手です。

癒し系のミニストップ

癒し系のミニストップ

AI画像生成では外見的な特徴があまり描画できませんでした。「癒し系」「スイーツ好き」を表すのが難しかったのかもしれません。人間のイラストレーターならソフトクリームを持たせたり、もっと柔らかな顔立ちにするかもしれません。

ハンバーガー男子も作ってみた

続いて、ハンバーガーチェーンの各社イメージキャラクターもAIで生成してみました。バーガーキング、マクドナルド、モスバーガー、ロッテリアの4社です。

生成の流れはコンビニの場合と同様ですので、結果をまとめて見ていきましょう。

教室の隅にいるユニークなバーガーキング

教室の隅にいるユニークなバーガーキング

なんかたくらんでいそうな感じですね!バーガーキングは社長の野村氏自身が「ハンバーガー業界が教室だった場合、あまり勉強はできないかもしれないけど面白い子。それがバーガーキング」だと語っています。雰囲気は出ているのではないでしょうか。

クラスの中心的存在のマクドナルド

マクドナルドはおそらく「クラスの人気者」や「リーダー的存在」として描かれるでしょう。具体的には以下のようなキャラクターが考えられます:

クラスの中心的存在のマクドナルド

どことなく帰国子女っぽい!マクドナルドはアニメCMも放映していますが、CMに出てきても違和感のないキャラですね。

自然派で健康志向なモスバーガー

モスバーガーは「自然派で健康志向、丁寧で心配りができ、クリエイティブな子」として描かれることが多いでしょう。

なぜかフォトフレームに入った形で生成されました。髪色含めて、自然派っぽいニュアンスが感じられます。

実験好きでどんな状況にも適応できるロッテリア

実験好きでどんな状況にも適応できるロッテリア

放課後に実験していそうな雰囲気が出ていますね!ロッテリアはユニークなメニューや期間限定の商品を頻繁に出すことで実験好き、地域ごとに異なるメニューを提供していることから柔軟で適応力がキャラという設定ができあがったようです。

Sprocketの代表・深田が、SNS時代の「企業のキャラ付け」について解説した記事が日経クロストレンドで公開されています。そちらもぜひ御覧ください。

AI活用でブレインストーミング

リソースさえあれば自社や競合、顧客インサイトについて調査を重ね、ポジショニング戦略を練ればよいでしょう。

AIを活用することで、簡易的ではありますが、数時間で自社と競合の市場内での立ち位置を視覚的に把握できるようになります。

現状を打開する突破口となるような柔軟なアイデアを生み出すためにも、ブレインストーミングにAIは有効に活用できるでしょう。

執筆:市川明徳(Sprocket)


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