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Apple Computerの功罪 後編

Apple Computerの功罪 後編になります。
2001年にiTunesを発表します。音楽CDをMacに取り込んで、Macで
音楽を楽しめるようになりました。これが音楽業界に激震をもたらしました。Mac上で音楽のオリジナルセットアップができるようになりました。
その上、CD-ROMにMP3形式でコピーができるようになりました。
オリジナルの音楽アルバムができたり、新譜のCDのコピーができたり。
私も上司に山口百恵のベスト盤とか刑事ドラマのサントラ集を作ってもらいました。しかし、それがまずいことになります。

レンタルCDなどで新譜のCDのコピーして、海賊版を売る人が出てきました。秋葉原なんかでは、海賊版が格安で売られるようになりました。
3,000円する音楽アルバムがとんでもなく安い価格になってました。
これに脅威を覚えた音楽業界は、CDのコピーガードなどをして対抗しました。Macに取り込めないようにしたのです。コピーガードは消費者の反発を招くこともありました。
iTunesの発表と同じ頃、iPodが発売されます。大容量ハードディスクドライブ型携帯音楽プレイヤーであるiPodは1,000曲を収納でき、持ち運べるようになりました。これは当時ソニーのMDウォークマンの牙城を崩すことになります。MD1枚あたり1枚分のアルバムしか録音できなかったことを考えると画期的なことでした。Macを持っている人(特にデザイナー)なんかは競うようにiPodを購入しました。シルバーのプロダクトも高級感があり、Windows版も発売されたことによりウォークマンの売り上げを奪うことになりました。

追い討ちをかけるように、Appleは(このあたりからApple社に名前変更)
2003年にiTunes Storeで音楽楽曲の販売を始めます。
最初は、アメリカからでした。1曲単位で音楽を購入できるようになりました。これは、流石に広まらんだろうと思っていました。音楽は、アルバムジャケットのデザイン、歌詞が乗っているブックレットとそして構成を考えられたアルバムなどコレクション性が高い商品です。これらがセットとなった音楽CD、レコードを購入することでした。そのことが音楽を楽しむ人のステータスだろうだから、この商売はうまくいかないだろうと思っていました。水は低きに流れるというか、人は便利な方向に行くものです。2005年には日本でもiTunes Storeで楽曲の販売が始まります。1曲あたり当時200円ぐらいでしたから、あっという間にiTunes Storeで音楽を買うことが一般化してしまいました。好きな曲だけ買うシステムが、当たり前になりました。
音楽業界には大ダメージを与えることになってしまいました。CDが売れなくなってしまったんです。CDより安くて、パソコンさえ持っていれば音楽を楽しめる。そりゃCDは売れません。90年代にはミリオンセラーを連発していたCDが、目に見えて売れないんです。CDに限定盤、DVDなどを付属させて付加価値をつけても売上は元には戻りません。ついにアメリカのタワーレコード本社は潰れてしまいました。音楽会社、レーベルも売り上げを落とすことになりました。
今まであった音楽のジャケット文化が消えていくのは悲しいことでした。
音楽産業に産業革命が起こったぐらいの出来事でした。
そして、今に続くSpotify、Apple Music などの音楽配信サービスにつながります。定額で音楽が聴き放題。音楽業界はライブで稼ぐことがより強くなりました。そこへ、コロナ禍というライブすら許されない状況もあり、より配信産業へシフトすることになります。

2007年ついに世の中を変革してしまう、ジョブスの最高傑作となる
iPhoneが登場します。高機能携帯電話+iPod+インターネット端末というか超高性能小型Macは、あらゆる業界に変化をもたらすことになります。
デザイン業界はWEBデザインが主流になり、広告費もWEBがトップというインターネット史上主義を生み出すことになります。iPhoneに影響を受けた産業はないと言えるのではないでしょうか。あらゆる生活シーンにスマートフォンは浸透して行きました。iPhoneについて語ることはやめときます。
iPhoneだけで、とんでもない量の文章になりますから。

スティーブ・ジョブズは亡くなりますが、Apple社は売上高で世界最大のテクノロジー企業となりました。アメリカの4大企業の一角です。
あの小さなデザインに特化したコンピューターが、潰れる寸前の会社が、世界を変革することになるなんて、Power Macintoshで喜んでいた頃が懐かしいです。iPhoneはMacintoshを遥かに凌駕したコンピューター。
この先、また新しいテクノロジーかサービスが生まれるのでしょうか。
SFの世界のテクノロジーを現実にする企業かもしれません。
スマートフォンのない生活が考えられなくなりました。
鉄腕アトムだって、有線電話使ってましたから。手塚治虫も藤子不二雄も
考えられなかった未来が今あります。便利にはなりましたが、本屋さんを始めとする従来の商売が消えつつあります。Apple Computerの功罪はあまりにも大きなものになりました。


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