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「君しか勝たん」というタイトルになった理由について考えてみた。

友達が握りこぶしを突き出してきたのでグータッチで返しました。
お釣りを渡してきただけでした!

こんちゃ!
影山優佳です!

昨日は2回目のひな誕祭でしたね。僕自身久々にライブを見たのですが、やっぱりライブは良いものですね、勇気を貰えました。
そしてそして、何と言っても1番のトピックは5thシングルの発売決定でしょう。
ソンナコトナイヨ以来およそ1年ぶりの待望のシングル。
タイトルは・・・・

「君しか勝たん」

は?

度肝を抜かれた人も多いはずです。先に言っておきます。
僕は嫌いです。この文字列を見た瞬間絶望しました。
だがしかし、これはただの感情論に過ぎません。
「君しか勝たん」というタイトルについて、感情論抜きで考えてみました。ぜひ読んでみてください。

まずは日向坂46の立ち位置を整理しておきましょう。現状3つある坂道グループの中で最も勢いに乗っていると言えるでしょう。テレビを付ければ毎日誰かしらのメンバーを見かけます。
さて、この時期にグループとしてすべきことは何でしょうか。
答えはシンプル。「新規のファンを増やすこと」です。
女性アイドルグループとしての究極目標は「全盛期AKBに肩を並べるほどの国民的アイドルになる」ことだと僕は勝手に考えています。あの頃のAKBは老若男女知らない人はほとんどいませんでした。
では、そのAKBのような存在になるにはどうするべきか。
それがさっき述べたように「新規ファンを増やすこと」です。
もちろん、勢いに乗っている時期は何もしなくても勝手にファンは増えていきますし、名前も広まっていきます。
冠番組の影響もあり、日向坂46の名前はじわじわと広がっています。
「名前は知っている」「冠番組は面白いから見ている」そういった層を新規ファンとして取り込むことが出来れば、より国民的アイドルに近付きます。

まとめると

何もしなくても勝手にファンは増える時期を迎えている

というのが日向坂の現状です。

そういった状況の中、5thシングルのタイトルを「君しか勝たん」にしてきたのは勝負に出たなという感じです。
ここ1年でよく耳にするようになった「○○しか勝たん」という言葉がそのままタイトルになっています。

日向坂のシングルのタイトルは基本的にインパクト重視です。
1stシングルのタイトルになった「キュン」という単語は若者の間で大ブームを見せました。
「ポケットからきゅんです」という言葉、皆さんも1度は聞いたことがありますよね。
4thシングルのタイトルの「ソンナコトナイヨ」という単語はアイドル現場で使用されていたコールらしいです。
そして1stアルバムの「アザトカワイイ」、これも某アナウンサーの影響で流行った「あざとい」というニュアンスが含まれています。「あざとくて何が悪いの?」というテレビ番組が有名ですね。
そして今回の「君しか勝たん」。これまでのシングルのタイトルの中でも単語としての知名度は桁違いです。
嫌でも「○○しか勝たん」という言葉が目に入ってきますから。いわゆるネットミームですね。

タイトルの狙い

では、ネットミームをそのままタイトルにした狙いは何か。
僕はこう考えます。
そもそもネットミームとは何なのでしょうか。
Wikipediaさんの力を借りましょう。”インターネット・ミーム(Internet meme)とはインターネットを通じて人から人へと、通常は模倣として拡がっていく行動・コンセプト・メディアのことである”(Wikipedia)
だそうです。

近年のネットミームは主にTikTokやTwitterから生まれています。こういった類いのSNSの利用者は基本的に若者が多く占めています。「○○しか勝たん」という言葉を使うのは基本的に若者です。つまり、若者に馴染みが深い言葉といえます。

少し日向坂の話に戻りましょう。日向坂は中高年のファンも多いという他のグループにはない特色があります。笑いにストイックだからとか、野球の企画をよくやるとか、理由は様々です。以前テレビでも「日向坂は中高年がハマる」という企画が放送されてました。
つまり、日向坂は中高年をファンに取り込むことに成功しているといえます。

そんな中での「君しか勝たん」というタイトル。タイトルがネットミームであること、ネットミームが生まれる場所であるSNSの利用者は若年層が占めているということを踏まえると、ターゲットは「新規ファンかつ若年層」だと言えます。
熟年層をファンとして取り込むことに成功したならば次の狙いはもちろん若年層です。

この知名度の大きいネットミームをタイトルにするメリットは2つあると僕は考えます。

メリット

まず挙げられるのは、曲名がたくさんの人の目に入るということでしょう。
Twitterで「しか勝たん」でワード検索すると、膨大な量のツイートが表示されます。何が言いたいかというと、それだけ「○○しか勝たん」という表現を使う人が多く、それだけ目に入る機会も多くなります。
それに加え、日向坂46自体の知名度も大きく、「日向坂46」の「君しか勝たん」という曲が○○だ。といったツイートが「日向坂46」の存在を知らない人にまで届く可能性が大きくなります。そもそも日向坂46のファン「おひさま」もTwitterにわんさかいるのでマーケティング効果抜群です。
これは「そもそも日向坂46という存在を知らない人」を取り込めるというメリットです。

次に挙げられるのは「タイトルで興味を引ける」ということでしょう。
日向坂のシングルのタイトルはインパクト重視。ほとんどの人がそう思うでしょう。
今までのシングルもパッと目を引くものばかりでした。
今回のタイトルは過去最高のインパクトを持っています。
そして過去作のタイトルと比べても最も知名度のあるネットミームを持ってきました。
これは「日向坂の存在自体は知っている」という人に対する最高のマーケティングです。
「冠番組やテレビ番組で日向坂はよく見る」という人が「日向坂46新曲発売決定!」というニュースを見かけます。タイトルは「君しか勝たん」です。自分がもしその立場だったらどう思いますか?平凡なタイトルより興味をそそられますよね。

というのが僕が考える2つのメリットです。
もちろんメリットだけではありません。

デメリットも僕の中では2つあります。

デメリット

まず、「メンバーの意向に沿う曲を出せていない」ということが挙げられます。
映画「3年目のデビュー」で「青春の馬」の振り入れのシーンでメンバーが号泣していたシーンがありました。詳しくは覚えていませんが「この曲だ」「日向坂の方向性が分かった」「誰かの背中を押す曲を待っていた」といったメンバーのコメントがありました。
断定は出来ませんがメンバーが「誰かの背中を押してあげる応援ソング」を求めているのは確かです。日向坂46になってからは甘酸っぱい恋の曲が多く、だからこそ「青春の馬」はメンバーの心に刺さったのでしょう。
恐らく5thシングルも今までと同じようなテイストの曲でしょう。タイトルからして応援ソングである可能性は皆無です。
タイトルは曲の捉え方を左右します。
例え歌詞が青春の馬と同じでも、タイトルが「君しか勝たん」であれば、歌詞に込められたメッセージが重さを持つことはなかったでしょう。
今回のタイトルを聞いて「応援ソングだ!」と感じた人はいないはずです。
上層部がメンバーの意見を取り入れず、操り人形のように扱っているのでは、という疑問も浮かんできます。これに関してはただのオタクの妄想ですが。

次に挙げられるのは「既存のファンを手放す恐れがある」ということです。
アイドルというコンテンツは宗教に近いものだと僕は勝手に考えています。そのアイドルを批評されたらファンが集まって反論しに行ったり、推しの笑顔だけで生きていけるなんて人々がわんさかいたり、もはや信仰の一種ではないかとさえ思います。
こういったファン、というより信者がいるのは運営、もとい教祖としては理想的な環境です。何があっても支持してくれる層がいると、方針転換や新しい挑戦にも踏み出しやすくなります。
しかし、それをいいことに既存の信者を蔑ろにするような事ばかりしていると、信者から一転ファンに戻ってしまったり、あるいはファンを辞める人も必ず出てきます。
実際5thのタイトルには否定的な声も多くあります。
新規ファンを取り込むことはもちろん重要ですが、既存のファンを大事にできないコンテンツの未来は明るいとは言えないでしょう。


以上が僕が5thシングルのタイトルについての考察です。あくまでオタクの気持ち悪い考察です。
しかし、運営はこんなちっぽけな考察とは比べものにならない程の狙いを持っていてほしいものです。
もし「最近○○しか勝たん!ってよう聞くなあ。よっしゃ次のシングルのタイトルに入れたろ!」という思考回路で「君しか勝たん」になったのなら、僕はカボチャを投げて本気でキレます。

ばいころまる~


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