定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第五十二回〉
二〇二四年六月一九日
朝早起きして映画館に。今日は「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を観にいく。先週もみたけどまた観たいと思っていた上、入場特典のクリアカードが可愛くてそれが欲しかったから、簡単に劇場2回目の鑑賞を決意。
絶対間に合うように出発しているのに、駅から映画館まで走らない日はない。少し遅刻して入場。すると座席がこれだった。↓
2回目の鑑賞でまたなにか書きたくなってしまった。ということは良い作品だったということだ。
可楽市場という市場で買い物。市場という場所では、だいたい現金のみの支払いだ。それなのにその日の私は10000ウォンしか持っていなかった。狙うは卵30個、キャベツ。ある店にキャベツがあったので店主に声をかける。卵30個は7000ウォン。キャベツは3000ウォン。いけた。耐えた。「ぴったりだ〜^^ ホッ!」と私がいうと、店主のおばちゃんは鼻で笑った。
次はNo Brandにポップコーンを買いに。肉売り場を通ると、砂肝と鶏肉が大容量で安かったので買ってしまう。大誤算の買い物量になってしまい、エコバッグと肩掛けカバンが破裂寸前に。帰宅して、買ったものをしまう。この時間が好きだ。生活して、今日生きる場所を整え、明日生きるために収納している感じがするから。
午後3時から美容室へ。カットに行きます。オレンジジュースを飲ませていただき、髪の毛も良い感じにしてもらえた。「十二人の怒れる男」を鑑賞して力尽きた。
二〇二四年六月二〇日
《三次角設計図》のテキストデータ作成作業に取り掛かる。終わりが見えてきた。映画のみすぎで全然計画通りに進んでいないが、今日明日で終わらせる。亀の歩みでも進んではいる。
午後3時頃、豆もやしとジンラーメン、ジュースを買いにマートへ。そのあと映画館へいく。ちょっと歩くだけでも汗が噴き出てくる。今日は絶対に風呂に入りたくないので、汗をかかないよう工夫して歩く。
今日観るのはルカ・グァダニーノ監督「チャレンジャーズ」。ファーストショットからもう信頼を寄せた。面白くて上映中、何度にやけたことか。映画館を出てもなお、(なんて面白い映画なんだ)とニヤケが止まらない。簡単に帰りたくなくて、重い荷物を抱えて近くのマムズタッチへ。
帰ると21時頃だ。そこから友達と2時くらいまで電話した。友達との電話に私の生活は支えられている。
二〇二四年六月二一日
今日は一歩も外に出ない。作業を進める日にしよう。
《三次角設計図》のテキストデータ作成作業を終えた。
本文再現よりも、雑誌がテキストの段落間を仕切る波線を再現するのがなんだが難しい。1頁にある3本の波線だが、どれも形が違う!!!勘弁してくれ。でも終わらせた。
テキストの掠れや、途切れを細かくチェックする段階が次に待っているのだが、なんか今の下宿先でその作業をしている自分が想像できないし、やる気を出すこともできなさそうなので帰国して、京都の自室で行うことにした。
他にもやることはいっぱいあるからそれでOK。
研究書を二冊購入した。
映画も2本みた。
7月に公開される映画があまりにも豊作なので、そのスケジュール調整と予算管理を行った。韓国で小森はるか特別企画展5編上映。こんなの、全部コンプリートするしかないだろう。他にもある。日本の独立映画館でも長期上映されなかった作品がいくつも。絞って絞って、7月に劇場でみる映画はだいたい10本くらいだろうか。6月分の給与はほとんど映画に消えそうだ。映画館だけが日本に帰りたい私の後ろ髪を掴んで離さない。
二〇二四年六月二三日
今日は読書をした。あまり進まなかった。映画は2本観られたのに?
英語と韓国語の単語帳を更新した。韓国にいるうちに買わないといけない研究書リストを整理。ついでにその他ブックリストを整理。ブックリストに本が何冊メモされているかわからないが25000字を超えていることだけはわかった。人生は短いというのに。
李箱の研究書や全集はなぜか絶版になっていることが多いので、電子書籍で購入することにしたものが3冊。これはiPad購入を本格的に検討しなくてはいけないようだ。稼ぎがないのに、書籍や環境に金がかかる。先が思いやられる。今日もマムズタッチを食べた。今週中に「マイ・フライドポテト・エッセイ」を書きたいな〜と思っている。今週もまた、ゲゲゲの鬼太郎を映画館に観に行くのだろうか…。小森はるかのトークショー付き上映会チケットを買わなくては。
二〇二四年六月二四日
今日はバイト。先週、ペアで掃除しているおばちゃんとの大抗争をへて、今週は助け合いながら穏便に働けた。仕事中もよく雑談した。私は韓国にいる割に熱心に語学学習をしている方ではないし、日本語のラジオも結構聴いているが、なんだか先週と今週はよく韓国語が聞き取れて話せる週らしい。聞きとり成功率が高め。なんだろう。
家に帰って、風呂、ご飯。映画を1本。そして今日は資料整理をしようと思っていたが、気に入った言葉を書き留めるノートに写経する作業が思いの外楽しくて気がつけば2時目前。こりゃダメだ。
しかし今この文章も、その写経作業も珍しく机の上で起こっていることだ。昨日まで机の前に行くのも嫌だったのだが、今日は長時間気分よく座れている。なぜか。多分静かだからだろう。今日は少し涼しいので扇風機を消している。それがなんだかとても心地よくて、文章を書くのも捗った。今まで私は扇風機をうるさいと思っていたのだろうか。気が付かなかった。
作業環境を整えるとき。何かを変形させたり、追加する前に、引き算をしてみると良いのかもしれない。明日もバイト。頑張って終わらせて、水曜日また「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を観に行こうっと。頑張れ。
二〇二四年、六月、二五日、更新
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