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はじめての海外ひとり旅①〜箱入り娘、世に憚る〜

29歳の秋、色々あってぽっかりと休みができた。そんな時、夫から「海外でも行ってこれば?」と提案を受けた。
確かにこんな機会またとないよな〜と思い、思いきってはじめての海外一人旅に出ることにした。

突然あいた休みだったので、勿論前々から計画していたはずもなく、出発の4日前に航空券を取り、限られた時間の中で旅の計画と準備を並行しないといけないような弾丸スケジュール。

そんな無鉄砲な娘の旅計画を突如LINEで聞かされた父母は、あまりのゲリラ的行動に慌てふためき、電話は鳴るわ、家に押し掛けてくるわの大騒ぎ。
母「そもそもあんた英語もまともに話せない上に、突然ひとりで海外に行くなんて、、無謀すぎる。何考えとんねん!?!?」と言われに言われまくった。

家族がそこまでして拒否反応を見せたのは、行き先がトルコだったからかもしれない。私は夏にフランスへ旅行していたこともあり、ヨーロッパとアジアの文化が入り混じる国がどんな所なのか興味が湧いていた。
しかしトルコに行ったことのある人なら兎も角、行ったことのない日本人にとっては治安面にしろイメージしずらい国だと思う。実際、隣国シリアでは紛争によるミサイルの投下もあるなど隣国では正に一触即発、油断を許さない状況が続いていた。
旅慣れている義理姉から「変な男が多い〜」との意見もあるなど(義理姉は止めるつもりで言った訳ではない)、もちろんトルコへ行ったことがない両親は不安で仕方がなかったようだ。

その結果、確かに私は英語もまともに話せない上に、ひとりで海外行くのも初めてだし、しかもトルコってそんな男に絡まれるの。。。と航空券を購入した時とは打って変わって超ビビりまくり&不安が爆発してしまい、こともあろうか航空券をキャンセルしようとしていた。

そんな時、兄(こちらも海外旅行経験豊富)が「キャンセルするなんて勿体なさすぎる!だったらトルコ経由で違う国に行けば良い!」と若干半ギレで提案してくれた。おまけに「そもそも現地のこと調べずに感覚だけでやいやいいって過干渉すぎる」とまで。

するとその話を聞いた仕事の早い夫が早速イスタンブールからウィーン行きの安い航空券を見つけてくれたのである。
ウィーンと言えば、音楽の都、そして私の好きな画家グスタフ・クリムトやエゴン・シーレの聖地ですやん。。。
「ウィーンありちゃう?」と夫が言う。
超絶ビビりまくっていた私は、ウィーンに行ってみたい気持ちと一人旅が不安の気持ちとぐっちゃぐちゃになったが、この一年は自分にとって挑戦と行動の年にすると決めたんだ、ここで行かなかったら温室育ちの生ぬるい女のままだ。
そう思い、えいやっ!と勇気を出して、ウィーン行きの航空券を買った。

これで私のウィーン行きが決まった。
出発の2日前のことだった。

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