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『乃木坂どこへ』の本放送がきっとそろそろ再開するからその前に一回振り返ろう

日本テレビ系列で放送されている『乃木坂どこへ』がとても面白いのでその話がしたい。

出演者はご存知の通り乃木坂46・4期生、MCを務めるのはさらば青春の光の森田哲矢さん、東ブクロさん(東ブクロさんですよね?)。昨10月に放送開始、今3月に一旦放送を終了し、現在は新章開始に向けて傑作選の放送が続いている。

そろそろ新章の放送が始まるんじゃないかなー、早く観たいなー、という気持ちの元、その前にこの番組のことを振り返っておこうじゃないか、というのが今回の趣旨である。

この番組はオープニングなどで「この番組は、ロケもバラエティもほとんど知らない乃木坂46・4期生による、台本なし、行き当たりばったりのオールロケ!」と、じんぼぼんじ氏(≒ジョージP)によるナレーションにて紹介されている。

この紹介が端的かつ的確で良い。「行き当たりばったりのオールロケ」というのがまさしくで、目的地といっても「大塚駅周辺」「新橋周辺」くらいに大体のエリアだけを設定し、その辺を4期生・11人とMCを務めるさらば青春の光がぶらぶらとうろつく。

そうして通りかかったお店で遊んだりご飯を食べたりする。その雰囲気は、まるで休日に友達と集まったはいいけど特にすることが無く「どうする?」と言いながらぶらついている時のそれだ。

観ていて「さらばを引率にした社会科見学のようだなあ」と感じたことがあったけど、カチッと具合は最早それすら下回る。非常にゆったりキャッキャとした雰囲気だ。

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個人的に「この番組の色を決定づけたのはGoProである」と言いたい。GoProとは、ヘルメットに付けたり手で持ったりして演者の様子を間近で撮影できる高性能小型カメラのことだ(CCDカメラって全く聞かなくなりましたね)。

主にGoProが備えられているのは、まずバスの座席正面。目的地までの移動に際しメンバーが乗り込むロケバスの、それぞれの背もたれのところにGoProが取り付けてあり、それによって車に揺られるメンバーの様子がありありと映し出される。

加えて、雨が降っていた#5~#8のロケでは傘にもGoProが備え付けられ(後に、シンプルな手持ちになって以後も導入される)、車移動だけでなく徒歩移動においてもメンバーの様子が映像に収められることになった。

そこで捉えられたメンバーと言えば、通りがかった東京タワーを見て「カワイイ」と言ったり(「綺麗」の間違い)、遅れて合流する矢久保ちゃんを見つけて「やーくぼぉー!」と声を上げていたり(本人には聞こえない)、好きなおにぎりの具材は「たらこ」か「明太子」か言い合っていたり、何をきっかけにかショップ店員の物まねをしていたりである。

時には話しかけたりウインクしたりとカメラサービスもするが(可愛い)、印象的なのはこれらのオンエアに使われるとは到底思っていなさそうなオフ状態のやり取りである。

楽屋隠し撮り、なんて形でやっと目の当たりにできそうな限りなく素に近い様子が逐一撮影され、そして放送される。それが非常に良い。

それこそ徒歩時にもGoProが導入されたために、『乃木坂どこへ』の放送内容の多くをこの移動中の映像が占めることとなったわけである。

そして、それが何よりもこの番組のキモだ。

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この移動の様子こそキモという性質は、皆大好き『水曜どうでしょう』に近いのではないか、と思い至った。

あちらも本人が「移動番組」と称するほどロケ中の車移動の映像が大半を占めており(海外は特に)、結果そこで起きる飾らない人間模様が浮き彫りになり、現在に至るまで好評を博すオバケ番組となった。

そこで映されている人物が丸ごと乃木坂46のメンバーになったことで完成したのが『乃木坂どこへ』なのではないだろうか。移動メインなことだけでなく、それによってもたらされる視聴体験が近いように思うわけである。

(そういえば、車内の映像がやたら多いのも共通点だ)

あちらは出演者が4人のおじさんであるために、起きることと言えば大概ケンカかそうでなければ一方的なののしり、その他しょうもないやり取りと爆笑であったが、こちらは10代前後の可愛い女の子である。

もちろん、『乃木坂どこへ』で起きることは更にメリハリのない(それが良い)、なんてことないやり取りばかりだ。

しかし、それが良い(念押し)。

「アイドルの素の姿」なんて域すら超えた、本当に些細な会話。

窓の外に何か見かけては思い付いたことを口にしていたり、前髪が決まってるとか決まってないとかいう話だったり、路面電車にはしゃいだり。地方出身メンバーが山手線内をブラブラして「私達は今東京都にいるんだね」と何気なく呟いていたり。

こういった姿、それで構成されたこの番組は、なんともずっと観ていたくなる。

「まるで自分も会話に参加しているよう」とまでは行かないが、テレビカメラでは取りこぼされてしまうであろう世界に、ついつい引き込まれてしまう。

その心地良さたるや、言っても企画らしい企画を多くしていたりはするのだが、もう少し移動多めで良いとさえ思う。

さらばの2人も、番組開始当初はまだ踏み込みあぐねていたり、現在も時に強めのツッコミを入れることもあるが、今やメンバーの様子を見て「あら~。可愛い」と普通に洩らす時もある。

普段の芸風からは考えられない緩さにも思えるが、番組の雰囲気づくりはメンバーに委ねている、とも言える。取りまとめや進行はキッチリ請け負った上で、どこまで自分達の色を出すかの線引きをした結果が、実際に見られたあのデレ気味おじさんの状態ではないか、と思うわけである。

しかし、上に書いた通り、実際は移動だけでない。それぞれの企画や移動先でのイベントも楽しくて面白い見応えのあるものばかりだ。

ここからはそれをメンバーごとの個人的名場面と称して、かいつまんで挙げていきたい。

矢久保美緒 #1 ザ・森東事務所

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まずは初回。今後番組内で幾度となく涙を見せる矢久保ちゃんの初泣きである。

さらばは「俺らの力不足やから!」と必死になだめ、これが後の「今日は誰一人泣かさない」といった決意にも繋がっていくが、残念ながらそれが達成されることはないとここで明かしてしまおう。

しかし、その後「楽しい?今日」と問われ、鼻を赤くしながらも「ハイ」と答える矢久保ちゃんは実に頼もしい。

あと、レイちゃんがエアコンのスイッチを入れる場面をわざわざオンエアで使っているところも象徴的。最高。

遠藤さくら #6 おにぎり専門店「ぼんご」

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いきなり#6に飛ぶが、#5からつづく大塚編での一幕である。古着屋でのコーデ対決を終えた彼女達を待ち受けるはお昼ご飯。

掛橋ちゃんが森田さんとやり取りする最中、隣のさくらちゃんが見切れている!この見切れているさくらちゃんがとても良い!顔と同じくらいのおにぎりを頬張り、大きく口を動かし、よく噛んでいる。ただ美味しそうに一生懸命食べている。

そんな、すごく自然だけどちょっとレアな姿に思わず釘付けといったところである。

田村真佑 #6 大塚バッティングセンター

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こちらも同じ#6。既に素振りを各所で披露していた彼女の実際のバッティングはさすがの一言であった。バットを振る身体の捻りと連動してスカートがサァッと円を描く一連の動きはもはや芸術の域。

分けた前髪から覗く視線の凜々しさも相まって、非常に見応えのあるものだった。

普段はわりあいひょうきんな彼女だが、そんな"キマッてる"姿は見逃してはならない。その様は、ひいてはセーラーヴィーナスの戦士としての姿に通ずるものでもあり云々。

筒井あやめ #8 ドクターフット

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大塚駅周辺から浜松町方面へと移動し、撮れ高を期待して立ち寄ったのは足つぼマッサージ店『ドクターフット』。強烈な足つぼマッサージにメンバーは阿鼻叫喚。

そして、あやめちゃんも足つぼの餌食……ではなくその前の場面に注目したい。

入店時から不安気なメンバーに気合を入れるため「アクセル全開で行きましょう!バイクだけに」「ブンブン!」を一発かますも(#4にて予習済み)、あやめちゃんはこのネタをよく知らず、なんとも味がある、良い”困惑”を見せた。

その後、バイク川崎バイク氏本人が登場する!その時改めて行われたブンブンのくだりは、あやめちゃん含め完璧。そして盛り上げてすぐ帰るBKBの姿はあまりにも勇ましかった。

掛橋沙耶香 #9 揚げかま店まる天

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熱海ロケでは、訪れた店の商品をゲットするため大喜利対決・モノボケ対決が行われた。

中々いい回答が思い付かない掛橋ちゃんは森田さんに相談、提案してもらうも納得がいかなかったようで、もう少し良い回答を、とひっそり話し込んでいた。

この番組ではメンバーのほとんどには「苗字+さん」で呼び掛ける森田さんだが、いつからか彼女にだけ「掛橋」と呼び捨てで声をかけるようになる。

そのことが信頼関係の現れであるように個人的に感じていたのだが、まさにその関係が現れた一場面と言えそうである。

金川紗耶 #12 ロケ地決定権争奪バトル

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回は飛んで、新年会での一幕。番組で行きたい場所を書初めで発表、ゲーム対決で勝ち抜いた1名の希望の場所を次回のロケ地とする勝負が行われた。

その第二回戦であるツイスターゲーム(セクシーなイメージがあるが、この回では一つの競技ばりに白熱した)にて勝者3名が決まったのち、敗者復活戦が行われる。

ジャンケン、愛してるよゲームを勝ち抜き、見事復活となった金川ちゃんはこのタイミングで勝利の涙を流す。

この番組初の「嬉し泣き」であり、またもうひと勝負残っているのにここで泣いちゃう辺り、可愛さと面白さが同居した名場面である。

賀喜遥香 #14 ヤマダ電機 LABI新橋

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新橋ロケで家電量販店を訪れた一同。カメラのフロアで初心者におススメのカメラを触らせてもらう。

あやめちゃんがレイちゃんを撮影して連写機能、手ブレ補正の具合を試す。続いて遠藤・賀喜カップルに順番が回り、さくらちゃんが髪を耳に掛ける動作を賀喜ちゃんが撮影する。

その仕上がりを確認した賀喜ちゃんが思わず「あァァ可愛いっい」と声を漏らす。この声を是非聞いてもらいたい。賀喜ちゃんはたまに、メンバーの可愛さに悶える声を漏らす。

また前半ではチームに分かれて昼食を摂った。『カレーは飲み物。』に向かった賀喜ちゃんは、さくらちゃん、柚菜ちゃんと行動を共にする両手に花状態。結局どっちが好きのか本当ハッキリして欲しい。

早川聖来 #16 東京タワー

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早川ちゃん念願の東京タワー。ゲームをクリアしながら時間内(当時中学生であるあやめちゃんが働ける20時まで)に頂上まで登りきることが出来るか※ただし階段で、というチャレンジが行われた。

早川ちゃんは個別の場面というよりこの全般をやはり取り上げたい。ただただ、東京タワーに行けて良かったね、という話だ。

本回はシンプルながら非常に盛り上がった。ゲームがクリアできなかったり、機材トラブルで足止めされたり、徐々に時間が迫ってくる展開は思いのほかハラハラしたものである。

余談だが、早川ちゃんは出題された森田さんが代表選手を務めるスポーツがわからず「捨て問題捨て問題」と言い放ったり、バレンタイン回で東ブクロさんの名前を忘れたり、さらばに対して地味に容赦がない。

北川悠理 #17 鎌倉名物を求めてぶら歩き

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学業の都合で#1~#4以来久々の参加となった北川さん。こちらとしても念願のロケ復帰だが、彼女自身も一つの念願が叶ったようだ。

鎌倉グルメ、その他各種グッズを賭けたクイズが行われた今回。まずは鎌倉の街をプラプラ歩き、賞品が決まって対決会場へ移動する際のこと。

レイちゃんの「ワープしたい」という発言で、せーのっジャンプ!ビュンッ……タン!着いた~、というあれをやることになった。

その際、森田さんが北川さんに「やりたい?」と声をかけると「夢です」と返ってくる。

それを受けて、せーの役を北川さんに任せると「いいんですか?いいんですか?幸せだ」と感無量の様子。

その姿を見て、ロケにまた参加出来て良かったね、という気持ちになって仕方がないのだ。

柴田柚菜 #17 乃木坂女学院vs森田第四高校クイズ対決

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彼女については絶対に触れたい場面があるのでそのことを書く。それは上と同じく鎌倉編前半、クイズ対決に際したさらりと放たれた一言である。

早押しクイズにて、女学院チームは早い段階で最終回答者である金川ちゃんの順番まで進むが、そこから急ブレーキがかかり、どんどん追い上げられていく。

そんな状況に、味方である女学院チームのメンバーは「もう無理かもしれない…」と既に落胆ムード、当の回答者・金川ちゃん自身も焦りを募らせている。

そこに柴田ちゃんはさらっと「紗耶、大丈夫だよ」と声をかける。

やさしさ……!

感涙ものである。

この場面の彼女のこの発言をどうしても言いたかった。

清宮レイ #20 50点ピッタリで勝利!モルック対決

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ラストは森田さんが日本代表選手を務めるスポーツ、モルックで対決した最終回から。

全員思いのほか真剣に取り組み、意外なほど白熱した勝負となった。各チームの点数の追い上げも先が読めない展開になり、最終回にふさわしい盛り上がりを見せたように思う。

そんな中、特に前のめりに参加していたのがレイちゃん。もちろんどのメンバーも前向きに参加していたが、彼女はある種のスポーツマンシップ溢れる姿勢を見せていた。

それは中盤、一投一投の得点が重要になってきた盤面に際し、ずっと言っていた「世界大会だよー!」の掛け声も言わず、彼女は目を閉じ意識を集中させる。

そして投げる直前に一言、「お願いします」。『乃木坂工事中』にてトランポリンを披露する際にも口にしていた、競技者らしい高潔な精神が現れた言葉だ。

果たして彼女はチームを勝利に導くことが出来るのか。是非本編を見ていただきたい。

まとめ

という感じで以上。詳しく挙げられなかったが、#5のコーデ対決、#7のイジリーさんドッキリ、#10の熱海のビーチやお城、#11~#12でのバトルの模様、#15バレンタイン回など見所目白押しである。泣く泣く削ったけど、本当にどの回もオススメ。

おそらく新4期生を迎えて始まるであろう新章は、企画と移動、どちらに比重が置かれるだろうか。今回書いたこのテキストは意味のあるものになるだろうか。

どちらにせよ絶対に面白くなると信頼しているので、放送開始を待ちましょう。

また、プロデューサー・毛利忍氏のYoutubeチャンネルにて、スタッフによる裏話が行われているのでそれも必見である。

現在発売中の『EX大衆』2020年6月号での『乃木坂どこへ』特集も必見。メンバーによる番組評、さらばによるメンバー評は読みごたえバツグンである。

ちなみに、本当はもっとさらばの2人についても色々書いていたのだが、流石に長くなりすぎたので今回は割愛した。

一つだけ書いておくなら、4期生の皆がどうかさらばのラジオ『Taダ、Baカ、Saワギ』(TBSクラウドアプリにて、土曜17時台時代から現在の深夜放送まで全回アーカイブ配信中)を聴きませんように。

じゃ、また。


(4期生について書いたnoteは以下↓)




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