遠藤さくら・賀喜遥香・筒井あやめのキャラデザに見る乃木坂46の記号
『夜明けまで強がらなくてもいい』のフロントメンバーである4期生メンバー・遠藤さくら、賀喜遥香、筒井あやめ、彼女たちの外見から非常に西野七瀬を感じる。この3人から、西野の持つ特徴(外見なり、内面なり)を感じてしまった。
ただそれは、新メンバーを過去在籍したメンバーの「後継者」だとか「穴埋め」だとか言いたいわけではない。どっかに君の姿をいつでも探しているわけではない。そんなに大事(おおごと)ではない。
敢えて言うなら、それはタイトルにもあるように「乃木坂46の記号」としたい。在籍したメンバーの特徴を「乃木坂46」の一つの定義として示すもの、あるいはリスペクトの結果としての"引用"としたい。
ある種、新しいポケモンのデザインを見て「いかにもポケモンらしい」とか「なんかデジモンっぽい」とかそう話されるようなソレのことである。
逆に、毎年新しい仮面ライダーのデザインが発表されては「こんなの仮面ライダーじゃない」なんて意見もありつつ、結局1年観てみると仮面ライダーとして愛してしまう、そういう話でもある。
色々と御託を並べたが、ホント、ただ単に思いついたから誰かに言いたい話をしようとしているだけである。だからお酒でも飲みながら読んでください。
遠藤さくらの持つ記号
では、遠藤さくらのキャラデザから感じる西野七瀬はどこか。
それは尋常じゃない小顔がまずある。彼女の小顔っぷり、それによる尋常じゃないスタイルの良さだ。ご存じの通り、西野はその小顔とスタイルの良さに定評がある。遠藤は西野のそれと重なるのだ。
特に、遠藤はファッション誌に載る際は『nonno』であることがよくあり、そう言った点からも彼女が西野のライン上にいることがわかる。
※追記 期待通り、専属モデルに選ばれましたね。
単に全体のスタイルだけではなく、腕や足の細さ、長さのバランスも、彼女らが共通して持つ身体の特徴であるようにも思う。人物像のあまり派手ではない感じ、絶妙な掴みどころのなさ(その雰囲気が写真からも現れている!)といった印象もまた重なる部分である。
さらに、遠藤から感じる西野は、身体だけではない。
近くにいるメンバーにすぐ抱きついたり、引っ付いたり、アゴを肩に乗せたりと、くっつき虫なところもまた彼女らの共通点である。
出演する番組でメンバーがそばにいる場合、2人とも隙あらば抱きついたり、引っ付いたり、アゴを肩に乗せたりと、もう大変可愛い。
むしろ、この「くっつく」ところから交流が始まることさえあると言う。遠藤は先輩メンバーにも自然とくっつきにいけるところを他の4期生から羨ましがられているとかいないとか。まだあまり打ち解けていないつもりでいた遠藤、西野が不意に後ろからくっついてきたら……想像するだけで涎垂ものである。
2人ともどちらかと言うと控えめな人物といったキャラクターだが、むしろ仲良いメンバーとの関係性は濃密な印象を受ける。それはおそらく、このくっつきっぷりからくる印象である。色々な段階をさて置いて不意にくっついてくるものだから、そうされたメンバーはメロメロというわけだ。
また、そういった西野を挙げて語られる「守ってあげたくなる」という印象にも繋がるように思う。少なくともこの行動からは「頼りがい」は感じないだろう(この行動からは、ね)。どちらかと言うと小さい子どもに対して感じる「保護欲」みたいなものが呼び起こされるのではないか。
それもまた人物像として受ける印象の一つである。近しい行動から近いキャラクターを感じることができる、というわけだ。
賀喜遥香の持つ記号
続いて、賀喜遥香のキャラデザから感じる西野七瀬はどこか。
歯だ。
もちろん、これは大変プラスな印象を生む要素であることはご理解の通り(まず見ればわかることだ)。それは懐かしい『NOGIBINGO!4』でも、専門家による分析が為されている。
顔相学のエキスパート・池袋絵意地氏によると、人が人の笑顔を見る際、目と歯が重要なのだと言う。上の歯の見える面積が大きければ大きいほど好印象を受けるものだそうだ。
その点、賀喜は上の条件に大いに当てはまる。日頃からにこやかな表情でいることも多く見られるし、なおのこと好印象を受ける特徴を持っていると言えるだろう。
賀喜と西野は顔のパーツ的な特徴が共通しているだけでなく、そのパーツがもたらす他人への印象もまた同じものを持っているわけである。
また、彼女らの外見以外の特徴で言えば、漫画やアニメが好きである点があり、その影響からくる各々が描くイラストの上手さも見逃せない。
これについて、それこそ西野が乃木坂46から卒業したこと、更にはそれよりも以前に深川、伊藤万、若月の卒業もあって、グループから「絵うま」メンバーが極端に減っていた状況である。
そうした危機的状況の中に現れた賀喜、それは上で一度否定した「穴埋め」のようでもあるが、それは穴埋めと言うより全体の底上げとして着目すべき点である。
『乃木坂工事中』の「1期生にイッキに追いつけ!強制下克上対決」にて行われた絵心対決で生み出された地獄のイラスト達を鑑みると(モフモフしたカエルとか、エルマーとりゅうのような馬のことである)、グループを上げてのイラスト力向上が求めるべきである。そして、それは賀喜の双肩にかかっている。そうご理解いただきたい。
奇しくも、上で挙げた「絵うま」メンバーが描くイラストはそれぞれタッチがやや異なるが、中でも西野のイラストに見られる漫画的なデフォルメとリアルさのバランスの具合が、賀喜のイラストからも近いものを感じられるように思う。
(別ベクトルの、どいやさんを始めとしたキモカワなテイストは田村のイラストに共通するものがある気がする)
筒井あやめの持つ記号
最後に筒井のキャラデザから見つけられる西野七瀬は一体何か。まずは以下の画像を見ていただこう。
そう、2人が共通して持つものは頭の形としたい。とりわけポニーテールにした際に映えるそれである(なぜなら髪の毛を一つにまとめるからである)。
西野が髪型をポニテにしている姿はグループ在籍中に多く見られた。例えば彼女が初センターを務めた『気づいたら片想い』のミュージックビデオのダンスパートでも彼女はポニテにしている。
ただ、単に2人ともポニテが似合うよねという話ではない(しかし似合う)。それは上でも挙げた『NOGIBINGO!4』での顔相学分析から理解できる。
今回言いたいのは骨格である(だから上でも「頭の形」とした)。『NOGIBINGO!4』では輪郭、つまり"顔"の部分の骨格が特徴として良い部分であると話されていたが、顔を含めた全体のバランスがまた良い。
先に貼り付けた画像でまいやんが西野の頭のラインを褒めている(撫でている)が、まさにそれである。それを含めた頭蓋骨の骨格が2人とも非常に綺麗であり、その結果、ポニテにしている時の筒井からは特に西野を感じる。
遠藤の項において共通点としてその尋常じゃない小顔を挙げたが、首から上に注目した場合、遠藤以上に筒井からより西野七瀬を感じるように思うのだ。
また、ある種「バラエティ力」とも表現できる、その「カンの良さ」も筒井と西野が共通して持つ能力である。
まだあまり注目されていないが、筒井は非常にカンが良い。『乃木坂どこへ』のMCであるさらば青春の光・森田氏は「最年少とは思えないくらいの落ち着き」と評していたが、それとも紐付いたものだ。
例えば『乃木坂どこへ』の印象的な場面を挙げてみよう。#12でのロケで行きたい場所・喫茶店に賛同するメンバーがまるでいないところを、森田さんに「筒井さんの顔見ろ」と示された時のふてくされ顔の作りっぷり(表情のキープ)、#13での新橋ロケ開始時に東ブクロさんに「新橋で行ってみたいところ無いですか?」と聞かれた際の「新橋……喫茶店。」というフリの効いた返答(やっぱりそうですね、的な頷きもまた良し)、#20にて罰ゲーム直前、年齢的にロケを上がらねばならなくなった時の「罰ゲームやりたかった?」「もちろん」というナイスな白々しい返答など。
こういった、「お決まり」な返答やリアクションが求められる場面で、彼女はことごとくド真ん中の正解を出している。派手でこそないが、「なんたるか」を理解しているからこそできる返しを、彼女は既に身に付けていることがわかるのだ。むしろ、これ見よがしでなくサラッとこなせる立ち回りの上手さ、とすら言えるかもしれない。
そして西野もまた、こうした"正解"を理解している猛者であることは言うまでもない。関西人ならでは、と言ってしまうといささか短絡的な発想であるが、松村や秋元と言った表立った活躍を見せるメンバーに隠れて、それぞれの打席で確実なヒットを出す能力を有していることは間違いないだろう。
これがこの2人の持つ共通点である。
まとめ
以上、遠藤さくら、賀喜遥香、筒井あやめは西野七瀬をベンチマークとした「乃木坂46の記号」を持つ、という話でした。
新メンバーであるこの3人に、かつての「乃木坂46」を感じる記号が分散されている。それは回顧の念を呼ぶものというより、サブリミナル的にイメージの一致を感じさせるものである、と言えるように思う。
ただし、今回はあくまで共通する(ように感じる)部分を挙げたに過ぎず、この3人がこそ初めて持っている、そしてとても魅力的な「乃木坂46のメンバーとしての武器」が山ほどあることはご存じの通りだ。そしてそれは今回名前を挙げなかった4期生8人や、新4期生5人にも当てはまることである(アチョー!とかね)。
逆に、例えば矢久保ちゃんの「乃木坂オタの乃木坂メンバー」なキャラクターはまた上でも書いた「リスペクトとしての引用」に近いものである。もっとざっくり表現するなら「それがアリになっている」からこその存在と言うか。
グループの新メンバーにおいて、その子ならではの点だけでなく(もちろんそれがまず第一に重要)、既に広まっているイメージと重なる部分があることでグループ全体の歴史にも視野を広げさせる、そんな機能を持つものである……と思うのでした。
さてしかし、その「リスペクトとしての引用」で言うと、今回は西野の特徴を遠藤、賀喜、筒井の3人から見出したわけだが、1人の持つ複数の記号を分散させる、という方法には既視感を感じる。
導入分で伏線を張ったのでお気づきかと思います。
そう、『仮面ライダー龍騎』ですね。
『仮面ライダー龍騎』のメインキャラクターである、龍騎、ナイト、ゾルダの3体のデザインには、仮面ライダー1号の記号が取り入れられていることは知っての通り。
龍騎には垂れ目気味の複眼、ナイトには"クラッシャー"と呼ばれる特徴的な口の形、ゾルダにはV字のアンテナ。この3体に分散させる形で1号のデザインを踏襲している。
(※真ん中3体)
これはまさに「リスペクトとしての引用」。
とりわけ『仮面ライダー龍騎』は、ライダー同士のバトルロワイヤルという作風の異質さから、その当時にして(今もなお)「仮面ライダーではない」とすら論じられることもあるシリーズ中でも異色の作品である。
だからこそ、他の作品以上に意識的に"仮面ライダー"を取り入れることに意味があり、そうすることで一層そのギャップが浮き彫りになる。
龍騎においての「リスペクトとしての引用」はそうした意味を持つものである(と個人的に解釈している)が、ことさら乃木坂46においては近いが違う。
作品ではなく実在する人間であるからこそ、その"違い"は明瞭でありながらも、しかし見落とされがちである。それを踏まえた上で、より明確に"個性"を示さねばならない。
つまるところ、その「引用」から受ける重なる部分がこそ、ある意味で「乃木坂46らしさ」がある故の「個性の確立(または明示)」に繋がるものであるかもしれないと思うのだ。有り体に言えば、スイカに塩とかわさびソフトとか、そんな感じである。
龍騎の話を絡めようとしたところ、完全に尻すぼみになってしまったので以上。