親知らずを抜きました!!〜下歯槽神経麻痺を添えて〜

先日親不知を抜きました!
この文章は、親不知(特に下に埋没して生えている厄介な歯をお持ちの方)の抜歯を考えている方、またその副作用や後遺症を心配されている方、そして何より抜歯後に下歯槽神経麻痺(おとがい神経麻痺)を起こしてしまい不安でgoogle鬼検索している方(ソース:当時の私自身)に向けて書きました。




親知らずを抜くことにした理由


元々学生時代に歯科矯正を検討していたタイミングで上2本と下1本は抜いていました。今回抜歯に踏み切った理由は、

・若い頃に抜いておいた方が骨が柔らかくて良いということ
・女性は妊娠出産などのタイミングで抜歯や治療が必要になると大変である(抗生剤などの薬が飲めないこと、女性ホルモンの変化で口腔内トラブルも増えがちになること、出産後もしばらく子育てで自分の歯科受診なども大変と思われること)こと です。

また、以前下の親知らずを抜いた際に1週間は顔がパンパンに腫れてしまったので、1週間以上大きなイベントがないタイミングを見計らい、下顎の奥深くに眠りし4本目の親不知くんをついに葬ることにしました。

抜歯当日

控えめに言って地獄でした笑
私の親知らずは水平埋没型と言って、他の歯に対してほぼ垂直に(真横に倒れて)歯茎の中に埋もれて生えている形でした。
しかも下歯槽管という大きな神経や血管が入っている部分に重なるように歯のおしり部分がにょきっと出ていて、リスクは高いかもしれないと事前に言われていました。
事前にリスクとして説明いただいたのが
・顔や首にかけての数日以上の腫れ、痛み
・傷からの出血、顔の表面にできる内出血のあざ
・開口障害(口が1週間以上開きにくくなる)
・傷からの感染

です。そして何より神経麻痺が一定の確率で起こる可能性が否定できないとのことでした。
ただ口腔外科の先生に画像を見ていただくと、神経に直接触れてはいないので大丈夫だろうとのご判断をいただき、抜歯に踏み切りました。

とはいってもたかが局所麻酔の手術。
前回下の親知らずを抜歯した際も術後の腫れや痛みは強かったものの手術自体は割とすぐに(歯茎を切開し歯を3分割して取り出してから縫合するというまあまあの処置ではありましたが笑)終わった印象だったため、今回もそこまで心配していませんでした。
その経験則が仇となろうとは・・笑

まず時間ですが、しめて1時間以上。
その間口を頑張って開けすぎて口角が切れました笑
これから抜歯の方は、ワセリンなどを事前に多量に塗っておくことをお勧めします。
詳しい術式は口腔外科医の先生ではないので割愛しますが、最初に歯茎を切開し、歯を下顎の骨から揺らして脱臼させるために邪魔な歯の頭部の部分を2ヶ所程度切り落とし、ペンチで掴んで歯を思い切り左右に振って脱臼を試みるもうまくいかず、中でもう一ヶ所歯を切断しつつねじるようにさまざまな方向に先生が移動して3人がかり(ペンチで脱臼を試みる先生、吸引係の先生、そして顎を押さえる係の私・・・笑)で何とか抜歯に至りました。
物理的に歯を思いっきり押して引いてをしているので麻酔が効かず、途中からヒーと悲鳴が出そうになりました。あるいは小声で出ていたかもしれません・・(遠い目)

1時間10分程かけて終わりましたと声をかけられたときにはもう放心状態でした笑
縫合される前にジェルを抜歯窩に入れてあり、縫合した上からガーゼを20分以上しっかり噛んでくださいと説明され、3日分の抗生剤と痛みどめを処方してもらって徒歩で帰宅しました。

※ ちなみに抜歯がまだの方を無駄に怖がらせるつもりはないので補足しておくと、私の抜歯は女性で顎が小さく生え方・歯の形も全てS級に難しいと言われました。
大体の方は私よりもましだと思いますので、安心してください笑

抜歯後はガーゼを2回ほど変えましたが、タラタラと血が混じった唾液が口の端から垂れて食事どころではなく、入浴もシャワーのみささっと浴びて枕にタオルを引いて横になりました。
が・・痛くてしんどくて全く寝られない!
思い出したくもないレベルですが、痛み止めを飲んでも全く効かず、横になるとしんどいので座位でうとうとしては痛みで目が覚めて・・というのを何回も繰り返し、明け方にようやく少し睡眠が取れました。

ただし、2日目以降は夜起きるまでの痛みはなかったので、やはり直接的な痛みは抜歯当日夜が一番強かったと思います。
朝日がこんなに恨めしかったことはなかったですね・・


抜歯2日目から1週間

抜歯翌日も仕事があったので泣きながら職場に行きました。
骨切り整形でもしてきたのかレベルに顔が腫れていますので、マスクとティッシュはマストです。私は姑息な人間なので、会う人会う人にわざとマスクを下げて顔を見せ、大変だから早く帰りたいアピールをしていました。
自分史上ブサイク顔を晒しても良いメンタルをお持ちの方にはおすすめの方法です。
あと親知らずは老若男女問わず平等に話題にしやすいので、人との話題に困った際にはしばらく「親知らずって生えてますか?」で乗り切ろうと思っています。

・・というのは冗談ですが、私は2日目から4日目までは頬が真横にプクッと腫れました。大きさはゴルフボール1個分はあったと思います。

この腫れはだんだん顎から首にかけて重力に従って下がってきて、5日目から1週間を経過するまでは二重顎のような状態になりました。二重顎のような腫れは抜いた方だけではなく首の真ん中から逆サイドに少し超える辺りまで波及していて自分の顔ながらドン引きした記憶があります。
またフェイスラインの顎の骨が触れる部分に有痛性のしこりができて、それは徐々に小さくなりましたが完全には消えるまで3週間はかかりました。後ろは耳のほうまで炎症は波及していたのか、耳の後ろの辺りまで触ると嫌な痛みが2週間程度続いていました。
また腫れから少し遅れて頬から首(鎖骨のあたりまで)にかけ褐色から黄色の紫斑が出てきました。
腫れ・紫斑を含めて見た目が全くわからなくなるには10日程度かかったかなと思います。よく見るとあざや二重顎があるも、パッと見でマスクなしでの生活が問題なくなるまでは5日程度でしょうか。


※個人的な転載ご了承ください

私は腫れが出やすい体質というのもありますが、横方向への腫れは動画の上の女性の方くらいかそれ以上、首の二重顎は下の動画の方くらい腫れました・・
この方々も大変苦労されたと思いますが、お二方とも翌日からしっかりメイクしてお仕事に行かれて食事もとっていらして、本当に尊敬します・・!
これから抜歯の方はぜひご参考ください。

このように腫れと痛みは覚悟していたのですが、やはり口の中も腫れているため口が開かず食事が取れないことと、神経麻痺が残っていたのがストレスでした。

神経麻痺については次のセクションで別途記載します。

食事については、他の親知らずを抜歯した方のブログや動画を拝見していると翌日か3日目には固形物を食べ始めていた様子でしたが、私は指1本分しか口が開かず食欲もなかったので、5日間はほぼウイダーインゼリーとストローでペットボトル飲料を飲むのみの生活でした。4日目からようやくお粥を小さなスプーンで少量ずつ食べ始めましたが、一人前食べるのに顎が疲れて2/3程度しか食べられませんでした。

スーパーまで行くのもしんどかったため全ての食糧を近所のコンビニエンスストアで調達していたのですが、本当にいい時代に生まれたと思います。
蛋白が取れないからプロテインジュース、カロリーが足りないから水ではなくポカリスエット、ビタミンと微量元素も摂りたいからサプリメントやそれらが含有された飲料、後はゼリーやお粥も何種類もあり飽きません。
下手に自炊するよりもこのような生活の方が良いのかもしれないとすら思う今日この頃です。
ともかくウイダーさんには大変お世話になりました。

そんなこんなで1週間が経って抜糸をした頃から急に食欲が出てきて、一方で口は指1.5本までが限界だったので果物や麺類を細かくちぎってちまちま食べるフェーズに入りました。
2週間経過しても頑張って指2本分しか開口しなかったので歯科医の先生に伺ったところ、顎の筋あたりまで炎症が非常に強く波及していたので時間はかかると思うとのこと。痛みで開けられないというよりは顎関節症のような、無理に開けると顎がかくっと外れてしまいそうな恐怖感があり、これが神経麻痺とともに最後まで残った症状の一つでした。


少し話が戻りますが、これから抜歯予定の方へのアドバイスを1点。
抜歯を乗り越えたという謎の達成感による上から目線ですみません笑

抜歯後にできる血の塊(瘡蓋のような血餅と言われるもの)がうまく出来ず、抜歯した穴を埋める歯茎の再生が進まずに骨が一部露出したような状態になる「ドライソケット」になると、痛みがとても強いんだそうです。
その状態にならないためには血餅をうまく作って取り除かないことが重要なようで、細かくはもちろん主治医の先生のご指示に従っていただきたいのですが、

・最初に噛むガーゼは指定の時間通りしっかり噛む
→全身どこからでも、出血したときの一番的確な止血方法は圧迫止血(直接押さえて止めること)です。
・強いうがいをしたり、歯ブラシや舌で傷口を触ったりしない

は本当に気をつけた方が良いと思います。
特にうがいは最初の2-3日はほぼ口に含んで口角からたらーと流すかんじで、グチュグチュは絶対にしませんでした。
ドライソケットは本当に辛いと聞くので、ぜひ気をつけてみてください。

さて、1週間以上経ってくると痛み止めは1日1回程度の内服でよくなり、2週間経過したときには痛み止めもなく生活できるようになりました。

神経麻痺と開口障害を除くと、全治10日程度といったところでしょうか。
大変な旅でした。


以上、抜歯から1週間の経過でした!!

既に抜歯された同志の方、肩を組んで共に健闘を労いたいです。
最初の数日は本当に辛かった!
普段は秒で流れていく1週間という期間が、小学生の頃のように長かったですね・・・分かりにくいですね、すみません・・
でも今はこれで親知らずがなくなったんだ!という達成感でいっぱいです。

そしてこれから抜歯の方、怖がらせてしまう部分もあったかと思いますがごめんなさい。ただ私は多分最上級に大変なケースですので、参考程度にしていただければと思います。
最悪のケースを知った上で手術に望まれると、思ったより楽だった!なんてこともあるかもしれません(楽観的思考)・・

長文読んでくださってありがとうございました。

次の回で神経麻痺について書こうと思います。





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