全国通訳案内士試験とは
「全国通訳案内士」の資格を得るための国家試験です。語学系としては唯一の国家試験と言われています。
全国通訳案内士とは
つまり、外国語を用いて訪日観光客に付き添って案内するガイドです。報酬を得ることができます。
ただし。
「平成29年(2017年)までは、この資格を持っていない人は通訳案内してお金もらっちゃいけなかったけど、2018年から無資格でもお金もらっていいよ」となりました。法が変わるまでは、資格名称もただの「通訳案内士」でした。
東京オリンピックによるインバウンドを見据えての対応だったと思いますが、そのオリンピックがパンデミックで無観客だったわけですから、世の中何が起きるかわからないものです。
今や資格なくても報酬を得ていいのに、なんでこの資格を取るの?という質問には、
Because it's there.
とお答えしたいと思います(嘘です。いくつか理由はあります)。
全国通訳案内士試験のスケジュール
オリンピックが開催されるはずだったコロナ初年度の2020年と、オリンピックが開催された2021年はイレギュラースケジュールでしたが、そんなことは近い将来にはないでしょうから、何のイレギュラーもない2023年のケースをご紹介します。
官報公示:2023年4月28日(金)
施行要領公開:2023年5月22日(月)
願書受付:2023年6月1日(木)~7月10日(月)
筆記試験:2023年8月20日(日)
筆記試験合格発表:2023年9月29日(金)
口述試験:2023年12月10日(日)
最終合格発表:2024年2月2日(金)
試験科目
スケジュールを見てもわかる通り、試験には筆記の一次と口述のニ次があります。当然ながら、一次をクリアした人だけがニ次に進むことができます。
また、言語は10カ国語から選択でき、出願時の選択が筆記にも口述にも適用されます。私はもちろん、受験者の圧倒的多数を占める英語で受験しました。
一次試験<筆記>
英語 <90分>
日本地理 <30分>
日本歴史 <30分>
産業・経済・政治及び文化に関する一般常識 <20分>
通訳案内の実務 <20分>
筆記は科目単位で合否がわかり、今年の合格科目は、翌年に限り免除になります。
また、科目ごとに本試験を免除される条件が設定されていて、出願時にそれをクリアしていれば、本試験で受ける科目数を減らすことができます。
二次試験<口述>
プレゼンテーション <3つのお題の中から一つを選び、2分程度のプレゼンを英語で実施。考える時間は30秒>
通訳 <試験管が読み上げる30秒程度の日本語文を、すぐに英語にする>
シチュエーション問題 <通訳問題に関連する、特定の状況でのコミュニケーション>
試験時間は1から3で大体10分。
科目別筆記試験免除条件(2023年の場合)
1. 英語
・英検一級
・TOEIC Listening&Reading Test 900点以上
・TOEIC Speaking Test 160点以上
・TOEIC Speaking&Writing Testの内、 Speaking Test 160点以上
・TOEIC Speaking & Writing Test の内、 Writing Test 170点以上
※TOEICは受験年前年の4月1日以降に取得した点数のみ有効(2023年受験の場合、2022年4月1日以降に取得した点数)
2.日本地理
・総合旅行業務取扱管理者
・一般旅行業務取扱主任者
・一般旅行業務取扱主任者認定証保有者
・国内旅行業務取扱管理者
・国内旅行業務取扱主任者
・国内旅行業務取扱主任者認定証保有者
3. 日本歴史
・歴史能力検定日本史 1 級
・歴史能力検定日本史 2 級
・大学入試センター試験 日本史B 60点以上
※センター試験は2018年4月以降の得点が有効。そして2021年以降の「大学入学共 通テスト」は対象外。
→今から免除を狙うのであれば、歴検一択。
4. 産業・経済・政治及び文化に関する一般常識
・大学入試センター試験 現代社会 80 点以上
※センター試験は2018年4月以降の得点が有効。そして2021年以降の「大学入学共 通テスト」は対象外。
→今から免除目的で受けられる試験はなし。
5.通訳案内の実務
免除条件なし
6.前年合格科目
前年に合格した筆記科目は翌年の筆記が免除。
私は2020年1月のセンター試験で日本史の、2022年5月のTOEIC Speaking テストで英語の免除をとりました。
その二つと前年合格科目の組み合わせで、合格した2023年は筆記全科目免除でした。
以上、通訳案内士とその試験の概略でした。
受験を検討している方は、最新の公式要綱をご確認ください。こちらで毎年案内されます。