ある日のイベント
(タイトルの挿絵は私が描いているイラストで、以下で公開中です。地団駄をふんでいるイメージです)。
福島太郎様の企画「ウイナーメーカー チャレンジ」に参加致します。福島様はkindle本をがんがん生み出していらっしゃる作家さんという顔を持っていらっしゃり、今も新刊を絶賛準備中です。
はるかぜるりいの思い出話に、しばしお付き合いくださいませ。
それではいってみましょう。
もうかなり何年も前のこと。
とあるお祭りのブースでハンドメイド体験のプログラムを作って欲しいと依頼されました。
そこでリース飾りの試作品を試行錯誤して作り、一緒に行う仲間に見せ「いいんじゃないこれ!」とお墨付きをいただき、材料を準備しました。
お祭りですので参加人数見込むのが読めない場合、「先着〇〇名」とします。このときは先着20名として、20名分用意していました。参加費200円。
良心的な価格ですけれど、経費賄って、ちょっとだけ収益上げて、お祭りを手伝うサポーターメンバーさんたちのお茶代くらいにはなるかなあという感じで、打ち合わせにて決定。
当日はそこそこに盛況で、通行人に呼び込みを行い、次々参加者が訪れます。その日は作業手順を覚えたサポーターメンバーが3名いたため、参加人数が少ないときには、私は呼び込み担当。
すると、とある小さなお子さんを連れた若いお母さんがやってきて、足をとめました。
「これ、どうやって作るんですか?」と尋ねられ、簡単に作り方を説明。「どんな材料使うんですか?」と尋ねられ、材料を説明。
そして完成品を手に取り、じいっと眺めてひと言。
「分かりました」
おお、体験参加して下さるのかな?と思いきや、、
「自分で作れるのでいいです!」と、お子さんの手を引き、きびすを返してすたすたと、立ち去ってゆきました。
え?
えええ?
えええええ?
一瞬何が起こったのか分からず呆然と立ち尽くす自分。その後はさくさくとイベントをこなして終了。
あのときのことは今でもはっきりと覚えています。参加体験してもらえなかったということは、勝てなかった、しかも美味しいトコだけ持っていかれて、ダブルで勝てなかったよ、それも「自分で作れます」と堂々宣言されちゃって、トリプルで勝てなかったよ。
なんてことを考えつつ、「勝てなかった、でも」で自分を無理やり納得させる作業が始まりました。
でも、あのお母さんなんか生活が苦しそうだったし、仕方ないよね(マウントをとっていた当時)。
↓
でも、黙って完成品を盗んじゃうよりはよかったよね。(最悪の事態よりはよかったと自分を納得させていた数年前)
↓
でも、私のハンドメイド品見て、何かを子どものために作りたい、っていう気持ちになってくれてよかったよね(かなり毒の落ちた今)。
私に大きな命題を残してくれたこのおかあさん。そのとき連れていたお子さんはおそらくもう、中学生くらいになっていると思います。どんな暮らし向きなのだろう?ちゃんと食べられているだろうか?困っていないだろうか?そんなことを考えております。
福島様の「ウイナーメーカー」というお言葉を拝見して、上記の思い出が突然想起されました。ずっと忘れていたのに、未だに完全な折り合いのついていない出来事です。
ただ「でも」の内容は、これからも変わってゆくのだと思うのです。そのつど自分の中での持て余したナニカを昇華できることを願いつつ。
私の行もまだまだ続くのでありました。煩悩は続くよどこまでも。
福島様、楽しい企画に参加させていただきましてありがとうございました。
そしてこっそり予告宣伝。
はるかぜるりいの次のkindle本は、ハンドメイドについての内容です。詳しくはもう少し作業が進んでからに致しますね。