入院日記 1 (スリッパが履けない)
第1回
検査のつもりで来ただけなのにあれよあれよで入院に
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11月中旬の月曜日、木々の色合いも美しくなり「来週あたり紅葉でも見にいこーよー」というような朝。
なんか、左半身に違和感があるなぁ...足も左足だけ踏ん張れないし、歩くと不自然な感じだし。
前の日の午後から少し気になっていたのだがそんな違和感が徐々に増してきて、これはおかしいと確信したのは週初めの朝、左足のスリッパがすっと履けないと気づいた時。
1日、2日様子を見ようかともおもったのだが、その週後半にはずっと前から楽しみにしていた旅行を予定しており整形的な原因であれば、応急措置でもしてもらってなんとか旅行には行きたい。是非行きたい。どうしても行きたい。
ちなみに旅行先は東京3日間。
初日にはこの2月に予約を取っていた(良い席はこれくらい前でないと取れない)劇団四季のミュージカル「アナ雪」。
で、その後舞浜に移動して某有名遊園地のバケーションパッケージという、入園チケットはもちろん直営ホテルの宿泊も人気アトラクションに待たなくて入れるパスもパーク内レストランの優先予約もショーの特別観覧席もおまけにポップコーンやらオリジナルグッズやらがいっぱい付いた(つまり行けばなにもかもほぼストレスなく楽しめ、特別感満載の)プランではじけられる計画なのだ。
つまり、めっちゃ奮発したSen-sing家最大級のイベントなのである。
(と言っても、娘ふたりが嫁いだ今は奥さんと水入らずのふたり旅)
もうその時点ではミュージカルの入場QRコードも発行済みだし、TDRバケパのたくさんのチケットが入ったケースも送られてきているし、新幹線の切符も発行済みである。
これで行きたいと思わない人はいないはず。
で、話を戻して、この症状どこで診てもらうか。
左半身に違和感、思うように体が動かないとなれば...こういう場合は脳を診てもらうべき。
旅行を考えればここは最悪を想定して、神経内科でまずアタマの中を診てもらおう。
(初め整形外科も考えたが、整形→内科→脳神経とか回されたらすぐに1~2日経ってしまう)
近くには大きな公立の病院もあるのだが、そこでの初診は進捗が遅くなるだろうと避けて評判がそこそこ良かった中くらいの私立病院へ行くことにした。
1時間ほど待たされたが、神経内科専門のK先生の一通りの診察の後、「ん~、とりあえずMRIを撮ってみましょう」
アラ還風のベテラン先生で、マスクが少しお顔に比べて小さいんじゃないかなとおもったがそんなことを言えるはずもなく、看護師さんに(人生初の)車椅子に乗せられ検査室に連れて行ってもらう。なんか急に「患者」に変身したような不思議。
MRI。磁気共鳴画像(診断装置)、話には聞いていたがもちろん初体験。
不安半分、わくわく半分で画像でしか見たことがなかった白色巨大寝台付きトンネルに入る。
「おお~これがMRIか!」よく医療ドラマで出て来るアレである。頭を動かないようにされ、ギャンギャンとかギュヨンギュヨンとかちゃんと表現できない色んな音の世界へ。(MRIは入院中何度か入った。詳しくはまた後の記事でと考えている)
この検査、嫌がる人も多いらしいが私は短時間ならこれくらいの音は平気、というか逆に落ち着く感じ、変なのかな自分。
時間的には20分くらい。
お昼前に診断結果が出て、K先生少し嬉しそうに(そう感じたのだ)頭を輪切りにした画像の少し白くなった部分を指さしながら、「はい小さいけど脳梗塞ですね」
「早く発見できて良かった、二週間くらいの入院になるでしょう」
ん!?、良かったって、ちっとも良くないのだが、私「はっ?、で、いつから入院になりますか」(まだ淡い期待を抱いている)
K先生、至極当然のように「今日今からですよ、看護師さん入院手続きしてあげて...」
検査のつもりで来ただけなのに
あれよあれよで入院に
かくして、ガラガラと音を立てて東京ツアーは崩れていった。
【つづきますので良かったらまた】
補足:もし、ひょっとして、ありがたくも本記事を読んでわが身を案じてくださってる方がおられるならご心配には及びません。
今、こうやって記事が書けているのですから。
みなさんの何かしらのお役に立てたら & 自分自身の(人生初めての入院の)記録として残しておこうとおもったのです。
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