ひめいち 【Vol.6 鷺草号】
◇ひめいち 座右の書
本のない家は窓のない部屋のようなものだ Luiz Heinrich Mann
本をよく読むことで、自分を成長させていきなさい。 本は著者がとても苦労して身に付けたことを、 たやすく手に入れさせてくれるのです Socrates
■姫路検定で役に立つ(はずの)書籍10冊
ランキング順ではありませんし、★とかもつけません。
順不同で、いざ。
1.姫路城100ものがたり/中元孝迪・著
帯コピーを借りるなら、「圧倒的な存在感で姫路城を学ばせる!」でしょうか。画像の付箋が見た目にうるさい、と思われるかも知れませんが、この本の値打ちを察していただくために、あえてこのままにしました。(外せばまた貼るのがたいへんですし)
「歴史の中の姫路城」、「素顔の城郭-美の秘密」、「城主列伝」、「城下町『人もよう』」の四部構成は、人と城、そして歴史上の出来事をクローズアップさせ、さらに交差させて”姫路城” という宇宙の全貌を浮かび上がらせます。
もちろん、100の物語は一話一話、単純に読み物としても面白い。
【神戸新聞総合出版センター ¥1,600+税】
2.姫路城の基礎知識/日本城郭研究センター
さすが城郭研究センターの姫路城解説本。
わずかA4判33頁に姫路城の知識が過不足なく詰め込まれています。
蔵書として場所を取らないというのも good !。(これは乱雑になりがちな受験勉強机にあっては、馬鹿にならない要素です)
内容としては、城の歴史や城下町と街道、伝説なども盛り込まれていますが、特に、天守をはじめ櫓、門、塀、石垣など城内の建造物、構築物が端的にしかも抜けがなく解説されており、"お城自体" を学ぶには最適。
姫路城の解説本は他にもたくさんありますが、内容、手軽さ、コスパの三部門とも1位です。(個人的見解)
姫路検定受験者必携!といっても過言ではないでしょう。
【姫路市立城郭研究室 ¥500】
3.姫路城開城/藤原龍雄・著
幕末から明治維新の混沌とした流れの中、実際の史料に基づき丹念に時代を探ります。
ふたりの高須隼人。討伐の名の下に姫路城に迫った備前藩の真実。佐幕派(酒井忠績)VS 尊攘派(河合屏山)の絶望的なイデオロギーの交錯。姫路藩の家名存続、本領安堵のための懸命な方策の数々。どれもこれも目からうろこがボロボロ状態になりました。
それにしても、もし備前藩の包囲に応戦していたなら、いまの姫路城は・・・。
【神戸新聞総合出版センター ¥1,800+税】
※「姫路城開城」の初版は2009年。近年、新史料による史実解読も進んでいるようです。さらに詳しく、深くと思われる方は、「播磨学紀要」第24号(播磨学研究所)などを併せて読まれることをお勧めします。
ただし、ひめいち受験生でいる限りは、あまり深く入り込まないように。
"及ばざるは過ぎたるよりまされり by 家康" の場合も多いのです。
4.増補 姫路城漆喰の魅力/日本城郭研究センター
Ca(OH)2 。
いきなり何のこと?って思われる方が多いかも知れません。
これは水酸化カルシウム、すなわち漆喰材料のもと、消石灰の化学式です。
石灰、貝灰に麻、紙苆を混ぜ、布海苔で練る。これを土塗り面に塗れば、ゆるやかに(Ca(OH)2がCaCO3(炭酸カルシウム)に化学変化して)硬化し、白く美しい漆喰壁や屋根目地漆喰となる。
400年前からの伝統工法は、材料が紙苆(すさ)からマニラ苆、布海苔から銀杏草に変わったりしていますが、基本的には同様です。
いつかこういうのを解答とする問題が出てくるかと期待していますが、なかなか出題されません。
それほどマニアックでもないと思っているんですけどね。思っているのは本人だけ?。
でも作業工程の名前(壁漆喰と屋根目地漆喰は異なります)や材料名、各部の塗り厚みなどの基本知識は憶えておいて損はない、と思います。
(憶えていたのに(出題されなくて)損をしたとは言わないでください)
【姫路市立城郭研究室 ¥500】A4、31頁
5.バンカル BanCul(季刊)/公益法人姫路市文化国際交流財団
ご存知、人気のバンカルです。
えっ!?こんな集団で反則ではないかと?
いえいえ、座右の一冊ではありませんが、十分役に立ちます。
ただ、試験対策としては情報が多すぎて取捨選択がキーになるんですね。
そうです、この時こそ鍛え上げたひめいちセンサー(問題感知臭覚)を発揮するのです。
と言いつつも、これを読むときくらい緊張感をほどいて、お茶でも飲みながらごゆるりとで、いかがでしょう。○○を調べたいときに、「たしか△月号に○○の特集があったはず・・・」で良いじゃないですか。
最近、評判が良くてジュンク堂とかでも品切れが多いのが難点。そんな時は姫路文学館のショップに行けば99%の確率でお目にかかれます。
【神戸新聞総合出版センター ¥686+税】←20年以上この価格です。あっぱれ!
6.天下の名家老 河合寸翁/姫路市教育委員会生涯学習部文化財課
人気上昇中の河合寸翁(道臣)。
物語であれば、『姫路城凍って寒からず 小説・河合道臣』寺林峻・著
史料として、『河合寸翁 姫路藩の名家老』熊田かよこ・著
そして、教材としてはこの『姫路藩の救世主 天下の名家老』でしょうか。
上の2冊もひめいち挑戦者としては読むべきかと思いますが、河合寸翁をわかりやすく学ぶにはこれになります。
わかりやすいはずですね、どうやら小学校高学年~中学生向けに市教育委員会が作成した一冊のようです。
ただ、意外なことに寸翁を題材にしたひめいち出題は極めて少ない。
(過去10年の検定出題では、第9回の”寸翁神社” 、第11回の"名菓玉椿の誕生の経緯” の二度しかありません ひめいち倶楽部調べ)
これから全国的にも知名度があがる(はずの)天下の名家老。出題の可能性は十二分にあるはず・・・ですよね。
【姫路市教育委員会 ¥463+税】A4、34頁
7.おまえの道を進めばいい 播磨の文人たちの物語/安水稔和
娘の本棚にこの本を見つけて目を通したとき、思わぬ宝物を発見したと喜んだものです。
おそらくこれもこども向けの学習教材。三上参次、井上通泰、辻善之助、有本芳水、和辻哲郎、初井しづ枝、阿部知二、椎名麟三、岸上大作と、それまで名前くらいしか知らなかった播磨の文人たちが描かれています。
出身地域、生い立ち、その世界に入ったきっかけなどが平易に記されていることもあり、身近な存在として感じられ、また資料としても優れものです。
『古寺巡礼』和辻哲郎、『冬の宿』阿部知二、『自由の彼方で』椎名麟三など、案内人の郷土の文人読書歴はここからのスタートでした。
【ひめしん文化会】
価格は不明ですが、市内の図書館ほぼすべてにおかれています。
8.姫路の文化財/姫路市教育委員会
ただ市内の文化財にはどんなのがあるかを調べたい、というだけであれば、市のHPから一覧を確認するという方法があります。
1,300円/冊を支出して入手するという方は、結構、奇特な人の部類に入るのでしょうか。
しかし、その奇特な人から言わせてもらえば、名所旧跡神社仏閣町歩きのガイドブックだと思えば決して高くはないのです。
近くにあるのに知らない名所旧跡がなんと多いことか、と教えてもくれます。
-指定等文化財-(第1巻)平成15年版
-地域別文化財-(第2巻)平成14年版
-指定等文化財-(第1巻)追録 平成23年版 これは¥300。
惜しむらくは画像がカラーでないことでしょうか、白黒のガイドブックは少々もの足らないかと。(個人的要望)
【姫路市教育委員会編】
9.新・姫路の町名/播磨地名研究会
地名の由来などは、それこそ諸説有りの宝庫なのでしょう。
でも、そうと割り切ってでも欲しい一冊です。(この本、なかなか見つかりません)
どうしても調べたい場合に、図書館で2~3度借りていますが"座右の書" とは言えません。手元に置いておきたい一冊なのです。
神戸新聞総合出版センターさん、重版出来と行きませんかね。
もしくは"(続)新・姫路の町名" 発刊準備中!であればもっと嬉しい!。
10.姫路市史/姫路市史編集専門委員会
姫路市史!?、そんなお堅い本、と敬遠していませんか。案内人は正直、回避してました、そこまで手を伸ばさなくてもと。
一巻¥5,000~で、全十六巻ということもありますしね。
ただ、ひめいち試験問題には、この市史にしか記されていないものもあるのです。ネット検索でどれだけ探しても答にたどり着けないという鬼問です。
第17回試験の9,飾磨県新庁舎候補の"高砂 十輪寺" がそうでした。(あくまでひめいち倶楽部調べ)
もちろん、この十六巻すべてに目を通して憶えるというのは、到底現実的とは言えませんし、100点満点を目指しているわけでもないのですが、せめて自分の興味のあるところだけでもいかがでしょう。
第五巻(上)の廃藩置県~行政機構の変遷~維新期の経済改革など、限定的に読んだだけですが、結構引き込まれたのも事実です。
【姫路市】
■十冊からはこぼれてしまいましたが、こちらの二冊でも繰り返し学ばせてもらってます。
また、この8月に参考テキストとして”姫路検定サブノート”が刊行されるようです。どんな内容になっているのか楽しみですね。
■MYひめいち物語 【その六 失敗に学ぶの巻】
要冷蔵の食品を冷凍庫に入れてしまうというのは、よくあるヘマですが、今回はちょっと。うかつにも程があるというのはこういうことなのでしょう。
もしかしたら、合格の見込みもなくはない。かも。
と、うちに帰って持ち帰った試験問題を見直そうと開いたとき、見覚えのない問題が現れたのです。
オーマイガァ!!、なんやこれ?!
ぅっ!言葉もありません。ありませんので書けませんが、やっちまったぜ~・・・ですよね。
そう、最後の頁の問題を読み飛ばしていたのです。問題がまだあるというのに気がつかなかったのです。
野球で言えば痛恨のエラー。サッカーなら無念のオウンゴール(ちと違うか)。
これはもう、自分のうかつさ加減を笑うしかありません。
まあ、よく考えてみると最後だと思った方言の問題は、小論文とはいえませんよね。
実は、後づけ言い訳になりますが、問題にかかる前にまず試験全体を見渡すという習慣はあったのです。
でも、今回は割と自信があったので(例の根拠のない自信)早く問題に取りかかりたいの一心で始めから突っ走ってしまいました。競馬でいうと入れ込みすぎってやつです。
タラレバを言っても空しいだけなのですが、
[問6・小論文]がもし書けていたら、です。
世界遺産検定を少々かじっていた私とすれば、世界文化遺産登録の6条件のひとつにでも、姫路城以外の国宝4城があてはまるか否かで攻めていたと思います。
登録条件には、(ⅰ)人類の創造的資質を示すものか、や(ⅱ)文化交流を証明する遺産、(ⅳ)建築技術や科学技術の発展を証明する遺産、などがあるのですが、(姫路城はⅰとⅳ)
もっとも可能性がある条件となると、(ⅲ)文明や時代の証拠を示す遺産、になるのかなと。
で、この条件について、松本城、犬山城、彦根城、松江城の4城が世界文化遺産として相応しいレベルなのかどうかに狙いを定めて・・・、
結論はご想像におまかせします。
てことで、とてもわかりやすい第15回の敗因でした。
(小論文が書けていれば確実に合格したのか、という点は棚の上の方に上げています)
この試験の合格者はおひとり。あっぱれ!。
また、学びの機会が与えられました。
まだまだ行きまっせ、前へ。
(次号に続く)
■演習問題 [赤松氏]
赤松氏のキーワードを四つあげろと言われれば、
”勇猛”、”大胆”、”知略”、”反骨” だと思っています。
なにやら播磨人気質(かたぎ)に、ぴたりとあてはまるような気がしませんか?。
赤松氏の歴史は物語性に富んでおり、学ぶと言うより、味わう、ですよね。
□次号予告
・ひめいちリテラシー(小論文をどう攻める)
・MYひめいち物語 【その七 目指すは警察犬きな子 の巻】(仮題)
・演習問題 [黒田氏]
次号は夏休み明けにUPの予定です。
☆Back Number
・Vol. 1【創刊号】 合格率2.7%の姫路検定試験1級に楽しく挑戦しよう
・Vol. 2【紫陽花号】 奇跡のご当地検定試験を考える
・Vol. 3【梔子号】 ひめいちに登拝しよう
・Vol. 4【七夕号】 続けることの大切さ 難しさ
・Vol. 5【向日葵号】 イマドキのひめいち勉強法
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?