環境、農業、家族、そして心のこと
先週の土曜日のお昼、
仕事帰りによく立ち寄る食料品店に、
熊本から農家の方がお米を売りに来られていて、
お米と一緒に揚げた玄米餅にだし汁をかけたものもテイクアウトで販売されてるんです。
これ、
私、大好きでして、見かけたら寄らずにいられないほど美味しいんです。
今日も注文。
注文したそばからお餅を揚げてくださる間、
熊本に台湾の工場が誘致されたので
お近くなのか聞いてみた。
ニュースでは明るいニュースのように伝えていたが、私は水が汚染されることが心配で、
どうなんだろう?という気持ちでニュースをそのままに受け止められなかったので。
実際、その方は近くの田んぼではないということだったが、
その近くの農家の方々は反対運動もされたし、
その方も反対運動に加わったそうだ。
でも、もう決まったことということで進められ、
さらに第二、第三の工場も作られるようだとのこと。
過去には大変な公害があったというのに、
今、
世の中には公害の記憶が薄れているのかもしれないな。
経済優先の社会が進んで、
汚される自然は何も声を出さないから、
決める人達は、汚される自然から遠いところにいるか、または汚れる頃には自分はもういないと思っているのか…
ちょっと考えても、汚れることはわかっているのに気づかないふりをして、目をそらすように
明るいニュースにしてしまうのかな。
実際に景気がよくなっている工場周りでは、
地価があがり、テナント料も上がり、
八百屋さんたちは撤退してしまっているそうだ。
スーパーの野菜と違って、八百屋さんの野菜はやはり新鮮だし、美味しいのに。
他には、
ラーメン屋さんもバイト代の相場が上がり、
今までのバイト代では誰も来てくれないそうだ。
きっと、もっともっとたくさんの問題が出ていそう。
プラスがあれば、必ずマイナスがあるというけれどまさに、そんな感じ。
なんだか、なんか、おかしくなってしまってる。
その方は腹の底からそう言っておられるように思えて、とてもその表情が心に残った。
リアル農家の方なので、うちの実家の農家の跡継ぎ問題も話してみたところ、
実際に、70代、80代の農家の親御さんで、
子どもたちに継がせたくないと言っている方はやはり多いそうだ。
農家をを継がせたくないうちの親、
継ごうと思って腰掛けのような気持ちで目の前の別の仕事をしていた弟。
相談もなく農業をやめてしまったことについて、
お互いに話しもせず、一年以上過ぎ、
このお正月に少し話す機会があった。
考えてみれば、お互いを思いあっているのにすれ違っている。残念な話ですね。
男親と息子って、まぁそうなりがちですよね。とその方はよくある話ですね。という感じで聞いてくださった。
しつこくこの話題ばかり触れてしまうが、
根底の問題ってなんだろう?
考え方のクセというか、遠慮してしまうところ。
これってどこから来てるんだろう?
農家って、歴史的にはつらい時代が長かったせいもあるのかな。DNA 的に。
大変でも仕方ないという思考とかが、染み付いてないかな…。
もちろん、豊かさを感じる、やりがいを感じるそういう素晴らしい経験もありつつ、
土地を守っていかないといけないという父の言葉は何度も聞いている。
自分は苦労しても相手は苦労させたくない。
その思い、
美しいけれど、
あなたの幸せはどうなるの?
あなたは辛くてもいいの?
愚痴っている父によく抱いていた疑問だ。
自分はいいんだ。という考え方、
これってわりと周りにないですか?
私はこの父の娘だから、こういう考え方でずっと来ていたかも。
だから、うまくスイスイいっている人に嫉妬もあった反面、
私なんて無理、ダメという思いもずーっとあった。
50を過ぎて、私の人生、このままなんとなく終わっていいのかな?って思い始め、
いい加減自分の人生は、自分でよくするしかない!ってはっと気づいて、
少しずつ、少しずつ
考え方を変えていくことを気を付けて、自分を大切にしていくと、
好転していくのを実感として感じるようになった。
父が自分の役割、農家の本家の跡継ぎを重く感じていることは、ずっと感じてきた。
付随して、いろんな役員が回ってくる。
何か全く違うことで、気分転換してほしいなと思い、いつだったか、陶芸をすすめてみた。
教えてくださる方が見つかり、
父と母、近所の方、親戚などを巻き込んで、
農機具をおいている倉庫の二階で部活のような陶芸クラブが始まった。
うちの庭には陶芸で作ったトトロたちがいたり、
普段使いの使いやすい皿も、多く出来た。
もう20年以上になるので、なかなかの腕前になっている。
今、父はこれに加えて、ボーリングもやっている。
親が趣味を持って、自分で楽しめていることは
子どもとしても安心だなぁと思う。
母はもともと趣味の多い人なので、その辺の心配はなかったので、そこもありがたいことだと常々思う。
陶芸クラブが始まったときのように、
農業も、楽しみを感じられるような思いかたができないものかなと、
アンテナを広げてみるとー
たくさんいらっしゃる!
noteにも!
試行錯誤、苦労はありながらも、
強い思いを持ちながら細々と農業をされてある方が。
環境の問題。
跡継ぎ問題、
食の問題。
心の問題。
何もかもが繋がっていて、ああ、そうか!と気づかされることの連続だ。
来週くらいに、父や母に手紙を書いてみようかなと思う。
面と向かっては言えないけど、伝えたいことを整理して伝えてみたいと思う。
3月の私の誕生日あたりには、
毎年、川べりを歩いて行くあのお店で三人で食事ができるように…
本日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。