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24 流されるままに

こんにちは。green green 🌿です。
コロナはそこまでひどい症状は出ず、
部屋に閉じ籠り、寝たり起きたり、本を読んだりして過ごしています。
ずっと寝ていたら、手術のあとの集中治療室のことを思い出しました。
身体がだるくて、仕方なかったなぁ。

その手術前の日、出会った大切なある人について書いてみようと思います。


20代半ば過ぎ、
癌が見つかり、手術をすることになった。
手術前日の夜。
ベッドサイドに主治医の先生がこられて、昨日手術した人がいるから、
その人の部屋にいって話を聞いてくるといいよ。
話はしてるから~ と言われて…

そんなキツいときに伺っていいのかな?
全くの知らない人なのに…

ノックして、その方の病室に入る。
おいくつぐらいだろう?60代くらいの女性だと思う。そのあともお歳をちゃんと聞いたりはしなかったのだが、
知的でひとなつこい感じのかたがにこりと笑う。

明日、手術なのね。
もうね、1.2.3と数えると、寝ちゃって、
気づいたらもう終わってるわよ。
ぜんぜん心配いらないわよ☺️

そんな風に優しく言われて、
私はその晩はゆっくり休むことが出来た。

いざ、手術の朝。
ものすごく早くからいろいろな処置があって、
ぼんやりとされるがままに過ぎていく。
点滴をされ、鼻にチューブが入れられ、
オペ室に向かう。

オペ室の部屋の色は、もうはっきりとは覚えていないが寒ざむしい感じではなく、ちょっと安心した。
昨日の方にいわれた通り、吸入麻酔とともに数を数え始める。
1.2.zzz

そして、手術は終わっていた。

オペ室のベッドから、移動するベッドに移されたとき、ものすごい至福感が訪れた。
ベッドが温められていて、
冷えた私のからだを癒してくれた。

今まで感じた至福感のなかでも、あれは本当にすごい威力だった!

翌日かその翌日?から、水のようなお粥から始まる食事は普通にみなさんと食堂で食べる。
そこであの女性に出会った。
ここではAさん と呼ぶことにする。

同じテーブルで食事しながら、
まだ私はあまり力が入らないでいたが、
先の経験者なので、
全てわかってくださった上で、車イスの私を部屋まで送ってくださってお別れした。

少しずつ元気になると、病棟のいろんな部屋のかたのところにAさんと伺ったりした。
誰とでも仲良くなれる方で、
とても自然な感じで、いやなところが全くないのだ。

病院のお風呂は広くて、人と入ることも出来るほどで、ご一緒させてもらった。
Aさんは、これまでもいくつかの癌の手術をされてきたそうで、もう慣れっこよと話された。

これまでにAさんのような人に会ったことがない。
Aさんは、面白い職業遍歴のかただ。
プロボーラー!
医療事務、
俳句の主宰

今はとにかく俳句!で、そばに常にメモが置かれていた。
そう、オペの日でも。

先に入院されたAさんは、先に退院されていった。
優しいご主人がお迎えにこられていてお似合いのご夫婦だった。
入院中もお願いされた俳句関係の本を差し入れされていた。
お二人の姿は、穏やかな日だまりのような光景だった。

それから、通院で一度お会いしたきり、Aさんにあうことがなかったが、
私が結婚し、子どもと受診していたある日、再会した。
駅まで、ゆっくり話しながら歩く。
「あなたのこと、時々思い出していたのよ。
多分、あなたもその時わたしのこと思っていてくれるんじゃないかと思って。」

まさに、そんな感じ。
そういう方で、そう思わせてくれる人。
一緒にいると、とても自然に振る舞えて、
自分らしくいられた。

その頃、私は、自分が母と小さい頃一緒にいられなかったため、専業主婦を選んで暮らしていた。
娘と二人きりの世界が長く、少し息詰まっていたかもしれない。
今は、なんだか自分がない感じなんです。って相談したら、
流されるままやってみるといいわよ。私はそんな風にして今まで来たけど、
ちょうどいいタイミングで来ることに流されるといいわよ。と優しく話された。

駅に着き、お別れした。
あれから、Aさんにはお会いしていない。
今でも、時々、Aさんのことを思うときがある。
Aさんが私のことを思ってくださっているのかな?
そう思うと、ちょっと力がわいてくる。
Aさんのような素敵な方と出会えた自分に。


いろんなことが起こるけど、このAさんに言われた
流されるままに という言葉がずっと心に深く刻まれて忘れられない言葉となっていた。
迷ってしまったとき、
流されるままに流されてみるって、一見自分がないようにも思えるが、
自分を信頼しているから出来るってことなのかも。

落ち着いていて、余裕がある最近は
流されるままに にしたがってみる。
どっちかな?
選んだ方にトラブルがあれば、待ってみる。
そのあとなぜかスムーズに流れたりして、
無理せず進めたりする。
今回、コロナになって大切な予定に行けなかったが、
これも何かの流れのうちと捉えてみようと思う。

今日も最後までお読み頂きまして、ありがとうございました!
無理しがちな忙しい時ですが、暖かくしてお過ごしください。









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