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15 リハビリする原動力
こんばんは!green green 🌿です。
サンドウィッチマンの「病院ラジオ」という番組が好きです。11/4の放送見られましたか?
リハビリ専門病院が舞台ということで、
そういえば…と思い出したあのときのことを書こうと思いました。
初めて勤めた病院の3年目くらいかな?
私はその頃、病棟業務、
ベッドサイドにお薬をお持ちして、説明したり、
服用後の様子をお尋ねしたり、
ということをしていた。
慣れないはじめの頃は、距離感が難しく感じる人もいたけれど、
少しずつ打ち解けると、親戚のように接してくださる患者さんもいらっしゃって、
単調な入院生活を楽しくしようと思われている姿に若くて未熟な私は、
逆にとても助けていただいた。
病気になって感じていること、
日々の変化など、
いろんな話を聞かせていただく事で
たくさんの気づきを頂いた。
リハビリもある病院だったが、
新しくこられたリハビリの先生と患者さんの一部の方の間でトラブルがあったらしく、
俺はもうリハビリはせん!
という人が出てきた。
話を聞いてみると、私の担当の患者さんは、
あなたはこれ以上治りませんと言いきられたそうだ。
専門家として、いろんな背景があっての発言だったかもしれないけど。
そんなこと言っていいの?と、その辺に詳しくない私は同調してびっくりしてしまった。
その患者さんたちは独自のリハビリを開始したという。
その後、いろいろあった後、
皆さんが専門のリハビリを全くしなくなったという訳ではなかったし、
その患者さんはゆっくりだが自分で歩けるようになられた。
言われた時のお気持ちを思うと、私もつらかった。
でも、
ひどいと思われるこの事も
結局はよい方向に向かう力に
実は変わったのではないかと今は思ったりもする。
(このことについての客観的な良し悪しは、ちょっと無視してお読みください。)
残業した日の夜、
スタッフが帰ったあとの
電気が消えた検査室や
レントゲン室などの前の廊下で
そのうちの一人の患者さんと会った。
「◯◯さん(私の名字)、
ちょっとこの車椅子乗ってくれん?
重さがないと、押しにくくてね。」
頼まれて、その車椅子に座る。
その人が私の座った車椅子を押しながら、
廊下を一往復。
避難灯とわずかの明かりのなか、
なんの話をしたかなぁ、と思い出してみた。
そうそう、
トイレはウォシュレットのついてる一階のトイレまで来てるんだよね。とか、
トイレに行く時間帯はやっぱり朝一番だよね。とか、
(トイレは入院患者さんにとってはとても大切な問題だって気づかされる).
そんなたわいもない話なんだけれど…
足がうまく動かないなりに、
リズムをもって押されるのを感じながら、
こんなに出来るようになるまで、
この暗い中で何を考えて続けてこられたのか…
押されて進んでいく先にあるガラスに
車椅子に座っている私が映る。
何となく私もその患者さんの不安の荷物を一部持ってるような心地だった。
リハビリの先生に
出来ないと言われた事に対して、
絶対に出来るようになってやる!という気持ちで
きっとはじめられたと思うが、
簡単ではなかったのは明らかだし、
やり方にもかなりの試行錯誤があったと思う。
結局、その方は無事、歩けるようになられて
退院され、
外来にくるたび、病棟の私たちに会いに来てくれた。
隠れた努力に同席させて頂いたのは
たったの1日だけだけど、
先が見えない中で続ける不安な気持ちは
言葉では語り尽くせないと思う。
なのに、たわいもない話をしてるって…
そういう軽さを持っている人の重さに想いを馳せる。
そんな風にどうやったら出来るんだろうかと…
病院ラジオで
リハビリを頑張られている方々を見ていて、
あの日を久しぶりに思い出し、
一緒に経験させて頂いたことって
いつか私にも訪れるかもしれないことだな…
貴重な体験だったなと改めて感じる。
そして、あの廊下の暗さを思う。
最後まで、お読みくださいまして、ありがとうございました。
番組に登場された方のお友だちで、番組にも出ておられた方のnote を見つけました。
こちらも是非お読みになってみてください。