2029年を見据えて。株式会社ポーラのビジネスアイディアコンテストでのSpready利用方法
2029年に創業100周年を迎える株式会社ポーラは2021年からビジネスアイディアコンテストを実施し始めました。新規事業創造をしたことない社員を巻き込んでのビジネスアイデアコンテストはどのように進められたのか、その中でSpreadyはどう利用されたのか、株式会社ポーラ新市場企画プロジェクトチームの 大塚さんにお話をお聞きしました。(聞き手 Spready柳川)
△株式会社ポーラ新市場企画プロジェクトチームの 大塚さん(左から2人目)。梶川さん(右から1人目)と前川さん(右から2人目)は実際にビジネスアイデアコンテストの参加者。
------2029年に創業100周年を迎えるにあたってビジョンなどを刷新されたそうですね
株式会社ポーラは2029年に創業100周年を迎えます。創業100周年を迎える2029年のビジョンを“私と社会の可能性を信じられる、つながりであふれる社会へ。“と定め、そのビジョンに向けた行動スローガンを、「We Care More. 世界を変える、心づかいを。」と掲げています。
ポーラ創業者の鈴木忍が、手が荒れた妻のためにたった一つの乳鉢でハンドクリームを作ったように、一人ひとりが自分らしく、人・社会・地球を目の前のことからケアしたり、誰かとつながり心づかいを届けることで、自身や社会の可能性を信じられる未来になればという想いを込めています。
------2021年から始められたビジネスアイディアコンテストもその流れなのでしょうか?
これまで弊社は化粧品を中心に事業を行ってまいりました。しかし、世界が変化する中で、化粧品だけでポーラが掲げる企業理念が達成できるのか?という問いに私たちは「No.」だと考えているので、「We Care More. 」を掲げているんですね。
つまり化粧品だけに限らないケアを開発していこうということで、新市場企画プロジェクトチームが立ち上がりました。
新市場企画プロジェクトチームでは新規事業を社内のメンバー全員を巻き込んでやっていこうと考え、ビジネスアイディアコンテストの社内公募を決めました。
------募集されてみていかがでしたか?
ビジネスアイディアコンテストを募集する前に、新規事業の作り方などを学ぶワークショップなどを開催し、社内の注目や関心を集めることを行った成果もあり、1期目は31名40件、2期目は14名14件の応募がありました。
現在1期からは3案、2期からは2案が採択され、事業化に向けてブラッシュアップを行っているところです。
------今回2期目のビジネスアイディアコンテストからSpreadyをご利用いただきました。ご利用のきっかけはなんだったのでしょうか?
2期では、1期目の反省を生かしてスピードを意識しようと決めていました。1期目でもそうだったのですが、特に苦労する点が自分たちでアプローチできない顧客層への検証です。
2期目の最終選考に残った2人の事業は、LGBTQ+のカップルの方向けの事業と化学物質過敏症の方向けの事業でした。
社会性がとてもある事業であり、掲げた「We Care More. 」に沿った事業であることから最終選考に残りましたが、なかなか直接出会うことのできない顧客層であることから顧客理解や顧客検証のときにつまづくことは容易に見えていました。
Spreadyなら自分たちが出会えない人に出会え、手に入らない情報を手に入れることができると考え、利用し始めました。
(実際Spreadyにセッションを出したお2人にもご意見をお伺いしました)
△LGBTQ+のカップルの方向けの事業で応募された梶川さん
------梶川さんはビジネスアイディアコンテストに応募されたきっかけはなんだったのでしょうか?
自分の周囲に当事者がいて、課題を身近に感じていました。日頃からなんとか解決したいと思っている中で、ビジネスアイディアコンテストが発表され、ポーラという大きな会社が取り組むことに意義があるし、解決できるのでは?と考え、応募をしました。
------Spreadyを利用しなくてもターゲットペルソナの方には出会えていますか?
LGBTQ+と一括りにしてしまっていますが、性的マイノリティの総称の意味なので、とても多様性があります。また本人の捉え方や状態、周りの理解などでも状況が違うので、様々な状況の方にお会いしたいというニーズがありました。
------実際Spreadyをご利用されてみていかがでしたか?
今まで自分のツテで会っていた方たちとは状況や考えていらっしゃることが異なる方たちに出会え、それだけで発見がありました。
自分の周囲では出会える方が限られていたので、使うことができてよかったです。
梶川さんのLGBTQ+のカップルの方向けのセッションはこちら
△化学物質過敏症の方向けの事業で応募された前川さん
------前川さんにもお聞きします。ビジネスアイディアコンテストに応募されたきっかけはなんだったのでしょうか?
わたしも自身と近い存在である家族が化学物質過敏症を発症したことがきっかけです。ポーラの入社を喜んでくれた家族がいまはポーラの化粧品が使えない、自分の家族に使ってもらえないということにとても心を痛めていました。
調べると国内で1,000万人以上発症している方がいらっしゃるのに、解決の手立ては未だないということが分かり、何とかしたいという気持ちをずっと抱いていました。
実は1期目のビジネスアイディアコンテストのときから考えていたのですが、既存の化粧品事業を否定する事業にもなりかねないことから応募してよいか迷っていました。1期目の方々の自由な発想に背中を押され、2期目に応募することが出来ました。
------実際Spreadyをご利用されてみていかがでしたか?
Spreadyがなかったら出会える手段がなかったので本当にありがたかったです。
今まで1次情報が家族だけだったのですが、皆さんからお話を聞いていると、発症する部位・症状が十人十色だということが分かりました。
様々な方から症状や課題をお聞きして、この病気のデメリットを理解し、解決する意義を強く感じられた機会でした。
それだけでなく、皆さんとても協力的で、化学物質過敏症の方を支援している団体の方を紹介いただけたり、「いつでも手伝うよ」と声をかけてくれた方がいらっしゃったりと1度のインタビューで終わらず長期的に関わってくださる方も多かったのが印象的でした。
課題に対して当事者であったり熱量高くいらっしゃる外部の方を巻き込んで事業を創っていくのが理想的ですよね。
前川さんの化学物質過敏症の方向けのセッションはこちら
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株式会社ポーラでは全従業員が個人目標の25%ウエイトを中長期での変革への取り組みに充てることができるという制度があるそうです。ビジネスアイデアコンテストに応募されていらっしゃる方々は普段の業務を行いながら、この25%の部分を使って取り組みされていらっしゃいます。
社内に挑戦風土を作ること、2029年ビジョンに向けてこれまでの既存事業である化粧品による美容という枠組みを超え新たなチャレンジをしようとしている株式会社ポーラ、そしてそれに応える従業員の皆さんがこんなに多くいらっしゃることに感銘を受けるインタビューでした。
株式会社ポーラでは、同じ立場の他社の新規事業事務局と繋がり、社内の挑戦風土を醸成するためにWSや社員交流会を実施されています。自社だけでは難しいことも様々な企業が繋がることで起こるシナジーがあると考えられていて、同じ志を持ち、共に前向きに挑戦してくれる企業様を探しています。Spreadyで募集しておりますので、ご興味を持たれた会社様はぜひこちらからご応募いただけましたら幸いです。
お読み頂き、ありがとうございました!
ぜひSpreadyにご興味をお持ちいただいた皆さまはこちらからお問い合わせください。
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