
PS5発表で感じたのは、3つの方向性が変わりつつあること
6月12日、ソニーから新型ゲーム機「Play Station 5(PS5)」の本体デザインと、同時期に発売されるゲーム、いわゆるローンチタイトルなどが発表された。
PlayStation 5公式サイト
プレイステーション 5、本体デザインと発表タイトルの公式情報を公開(GAME Watch)
この模様はネットにて生中継されたが、日本時間の午前5時と、さすがに事前に起きてリアルタイムで見るのは無理な時間だったので、朝になってからニュースサイトで確認した。
それを見て、私なりに感じたことは3つある。今回はそれについて書いてみたい。
デザインの方向性
画像は公式サイトより。
まず、期待されていたことの一つである本体デザインについて。PS2以降は黒を基調とし、中でも4は直線で描かれた立方体のようなデザインだったが、今回は黒い本体の周りを白い曲線を帯びたカバーで包み込む。
これまでは無機質な物体を思わせるものから、今回はまるで白い衣をまとった人間のようで、「物」から「生命」への変化。
と言ったら言い過ぎかもしれないが、黒から白へ、直線から曲線と、これまでと全く異なる要素を取り入れるのは、今までと全く異なる一新したゲーム機という意味だろうか。
ちなみに、それ以前に発表された、マイクロソフトの次世代ゲーム機「Xbox Series X(画像は公式サイトより)」は、黒いボディと直線で構成されたボックス型のデザイン。
シリーズの中で2000年代に発売された「Xbox360」の本体は曲線を取り込んだデザインだったが、「Xbox One」から直線的なものに変わっていく。それに対してPSは直線から曲線。お互いが完全に真逆に進んでいるところも面白い。
また余談だが、それ以前にPS5コントローラーのデザインが発表されたとき、私がTwitterで、
— つかさん / 司隆 (@spread_bomb) April 7, 2020
などとネタを書いたわけだが、PS5でも『レイディアント・シルバーガン』などSTGが充実してくれたら嬉しい限り。
メディアからダウロードへ
PS5の発表で話題の一つとなったのが、本体ラインナップの中に「デジタルエディション」という、メディアを搭載しないダウンロード専用タイプがあることだ。
ダウンロード専用のゲーム機と言えば、ソニーが携帯ゲーム機「PlayStation Portable(PSP)」のイランナップとして2009年に発売した「PSP Go」があったため、「PSP Go以来約10年ぶりのダウンロード専用ゲーム機」と話題になった。
でもダウンロード専用のゲーム機は、2019年5月に発売された「Xbox One S」があったり、ゲームの供給方法がダウンロードのみの据置ゲーム機としては、2013年にアメリカなどで発売された「OUYA」もあった
ので、今回は初めて「ローンチからダウンロード専用をラインナップに加えた据置型ゲーム機」と、限定的な言い方になる。
これについては正直、今はゲームに限らずディスクで供給という時代ではなくなったので、当然と言えば当然の流れだと思う。
でも、PS2の時はDVD、PS3ではBDと、ゲーム機がメディアの普及に一役買っていた歴史を見れば、PS5に次世代BD「Ultra HD BD」を搭載するのも、当然と言えば当然とも思った次第。
私はすでに、ゲームは主にSteamなどダウンロードのみ。それ以前に、本格的にダウンロード販売を取り入れたXbox360の時からメディアを使用することはほとんどなかったので、PS5も「ゲームを楽しむ」という意味では、ダウンロード専用で十分という考え。
その反面、次世代BDに触れたいという気持ちもあるので、いざ買うとなれば(ローンチで買うつもりはないが)、結構迷うかもしれない。
ローンチタイトルの見せ方
今回発表された、ローンチタイトルについて、シリーズ新作など過去のタイトルを引き継ぐものも目立つが、ここで目に留まったのがこれ。
「Hyper Light Drifter」のクリエイターが送るPS5タイトル「Solar Ash」が2021年に発売予定(GAME Watch)
今まで、新ゲーム機のローンチタイトルとして、初代PSやセガサターンなどの時は「リッジレーサーが、バーチャファイターが家庭で!」とアーケード移植のアピールが多かった。
そして、PS2などでは「○○シリーズ新作!」など周知タイトルを引き継ぐものが多かった。それは今回のラインナップでも同様だが。
そして、今回のPS5では「○○のクリエイターによる新作!」というものがある。これはPS5だけではなく、Googleのクラウドゲーミングサービス「Google Stadia」や、アップルによる定額制ゲームサービス「Apple Arcade」でも、ラインナップの中にそのような謳い文句があった。
別に、この傾向は今に始まったことではなく、初代PSでアーケードのSTG『雷電』を「アーケードのスタッフによる移植」と謳っていたり、更にはアーケードのSTG『ゼクセクス』は開発中の時期に「『グラディウスII』のスタッフによる新作STG」と雑誌記事に掲載されたこともある。
ただ、80~90年代に比べて、今はインディーゲームが数多く発表され、製作スタッフという「人の姿」がより強く見えるようになった。そんな時代だからこそ、その見せ方が増えてきているなと、時代の流れを感じた次第。
変わったのか、変えるのか?
私がPS5の発表で感じたのはこの3つ「デザインの方向性」「メディアとダウンロード」「ローンチタイトルの方向性」だった。でも、どれもが「今の時代に合わせたPS」という感がある。
でも、これから先、PS5が発売されて、ゲームの流れを大きく変えることになるのだろうか。そんな期待もある。
いいなと思ったら応援しよう!
