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カオスでドープな夢へと誘うSSW・ムラサキチハヤ:Artist Pick Up

音楽ディストリビューションサービス・sprayerを利用している注目のアーティストをピックアップ。今回は、ムラサキチハヤをご紹介!


テーマは「夢の中で見た世界を具現化する」

2023年4月から別名義でバンドスタイルでの活動を開始し、ヴィジュアルロックシーンを中心にしながら広範にわたるロックリスナーを巻き込みザワつかせたムラサキチハヤ。しかしわずか一年余りでその殻を脱ぎ捨て、2024年9月から現名義に。ソロのシンガーソングライターとしてのキャリアを歩み始めた。

作品に通底するのは、「夢の中で見た世界を具現化する」というテーマ。本来同じ空間には配置され得ないオブジェクトが共存し、荒唐無稽な場面転換に翻弄される。そんな脳内世界を音楽に昇華させられるのが、バンドという形態に囚われない彼の強みだ。

死生観を投影したという1stシングル「銃で撃たれる夢」は、洒脱なインディーロックのアンサンブルと仄かに耽美さを醸すムラサキチハヤの歌声が混ざり合うだけでも十分に個性的。さらに古琴の音色や祭囃子のような太鼓が加わることで、もはや現実を超越した多国籍サウンドを作り上げている。

最新シングル「脳に潜む」はさらにカオティックに

2025年1月14日には、2ndシングル「脳に潜む」をリリース。脳内に潜むパラサイトとの葛藤が描かれており、内面的な闘いと精神的な混乱が色濃く表現されたロックチューンに仕上がった。

ジャキジャキと切れ味鋭いギターストロークから幕を開ける同楽曲は、フェスブーム以降の邦楽ロックシーンの王道である4つ打ちのビートに身を揺らしながら疾走する。が、当然一筋縄では行かないのがムラサキチハヤだ。いよいよクライマックスかという盛り上がりを見せたかと思えば、直前までのバンドサウンドは鳴りを潜め、おどろおどろしい瘴気が辺りに立ち込める。そして、呪詛的なコーラスに導かれ、彼が再び登場する。一体なんだ、この楽曲展開は!? 目を覚まして、慌てて記憶を手繰り寄せながら夢日記を付ける必要はない。再生ボタンを押せば何度でもこの悪夢に飛び込めるのだから。

さて、ムラサキチハヤは、2月7日に初の単独公演『羊太夫を見つめて』を東京・神楽坂の神楽音/Kaguraneにて開催する。対バンライブでも、ムラサキチハヤがテルミンを演奏しサポートメンバーはヘルメットマスク着用でステージに立つなどアクの強い世界観を提示しているというのだから、ワンマンではより鮮烈な体験ができることだろう。

Text:サイトウマサヒロ(@masasa1to
Edit:sprayer note編集部


Profile:ムラサキチハヤ

『夢の中で見た世界を具現化する』をテーマに作品を届けている。2023年4月から活動を始めたバンドスタイルの活動を経て、2024年9月を機に『ムラサキチハヤ』へと改名し、新たなスタートを切ったシンガーソングライター。

歴史的な楽器やメロディ、時には崩壊したサウンドとも思えるような表現を『夢』へと落とし込み、現実では体感できないようなサウンドがそこにある。
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