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大阪もちつきサークル 遊んで浸れるチープ・ポップユニット:Artist Pick Up

音楽ディストリビューションサービス・sprayerを利用している注目のアーティストをピックアップ。今回は大阪もちつきサークルをご紹介!


『キラキラポップ:ジャパン』にも選出された創作ユニット

2023年立秋に結成された創作ユニット・大阪もちつきサークル。その全体像は謎に包まれているが、吉田靖直(トリプルファイヤー)とのコラボレーションなどで知られる大阪在住のトラックメイカー・西中島きなこが率い、イラストレーターの原田理沙がメンバーであることが明かされている。世の中で生きにくさを抱える彼らが意気投合したことが、ユニット誕生のきっかけとなった。

2023年11月15日に初のシングル「めざめ」をリリースしデビューすると、12月6日に2ndシングル「やくそく」、2024年1月13日に3rdシングル「きおく」と、計3曲を立て続けにリリース。「めざめ」「やくそく」はSpotifyの人気公式プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』にも選出され、ひしめく人気アーティストの中で確かな存在感を放った。


チープな音とシリアスな言葉で編み上げる世界

レトロな電子機材を多用しあえてチープさにこだわっているというエレクトロ・ポップな楽曲たちは、原田理沙によるユルいタッチのアートワークと相まって、音の出る絵本のように無邪気で「!」に満ちた楽しさが弾ける。

ドタバタと駆け抜ける46秒のショートチューン「めざめ」、バリエーション豊かなパーカッションに身体が揺れる「やくそく」、80年代ディスコを彷彿とさせる「きおく」。シンプルながらも再生するごとに新たな発見をもたらせてくれるアレンジに、気付けばリピートを止められなくなってしまう。

一方、男女ツインボーカルの絡み合いは時に物憂げで儚い。歌詞に耳を傾けてみると、その語り口は意外なほどに生々しく叙情的だ。「今日も迷子になったような / 喪失感で空を見る / 月の光が射すほうへ / 僕はもう帰れない」(やくそく)、「忘却の果て死んだ瞳で / 口づけをする殯屋の中」(きおく)……別れや喪失、死の匂いが漂う言葉の数々に思わずギョッとさせられるが、そんな音と歌のギャップこそが、遊んでも浸っても味わい深い彼らならではの個性を形作っているのだ。

「きおく」リリース時の西中島きなこのコメントによれば、現在発表済の3曲をもって大阪もちつきサークルというプロジェクトは一区切りとなり、「また何か気が向いたらお遊びでリリースするかも知れません」とのこと。彼が率いるバンド・THEハオルチアオブツーサや新たなプロジェクトでの活動に注目しつつ、また「お遊び」をリスナーに披露してくれる日も待ち遠しい。


Text :サイトウマサヒロ
Edit :sprayer note 編集部


大阪もちつきサークル

オモチャ箱から飛び出したメイドin大阪ひねくれポップ

▼Official Site(大阪もちつきサークル)
https://osaka-motituki-circle.jimdosite.com/
▼X(Twitter)
https://twitter.com/osakamotituki
▼Official Site(西中島きなこ)
https://soumei.wixsite.com/otonibinkan


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