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Yukka 「全世界で聴いてもらえるような音楽を」 パリ『Japan Expo』でも話題を呼んだシンガーソングライター:sprayer interview

2024年4月14日にニューアルバム『STAGE5』をリリース、同日に大阪・世界館にて200人規模のワンマンライブ『「STAGE5」Release ONEMAN LIVE』を開催し、その直後からヨーロッパ各国を周るツアーをスタートさせるという怒涛の大発表を行ったシンガーソングライター・Yukka。多様なジャンルで耳触りの良いJ-POPを追求してきた彼女は、現在各地での路上ライブにて革命前夜の予感を漂わせている。そのルーツや楽曲制作でのこだわり、海外での活動で広がったビジョンなどについてインタビューした。


音楽だけは飽きなかった

ーYukkaさんが音楽を始めたきっかけを教えてください。

一番最初のきっかけは、中学生の時に吹奏楽部に入ったことです。本当はバレーボール部に入ろうと思ってたんですけど、先輩が怖そうやったからやめて(笑)。で、みんなで一つの音楽を作り上げる楽しさを知りました。それから、中学2年生の時に吹奏楽部のメンバーからバンドに誘われて。

ー作曲はそのバンドで演奏するために始めたんですか?

いや、最初は一人で無料のDTMのソフトを使って、ドラマのBGMを再現したりしてたんですよ。そのうち、「これ自分でも曲作れるんちゃう?」って思うようになって、作曲するようになりました。

ーなるほど。吹奏楽以外ではどのような音楽を聴いていましたか?

嵐とONE OK ROCKにハマってて、その2組をずっと聴いてましたね。

ー音楽を本気でやっていこうと思い始めたタイミングはいつごろだったんでしょう?

高校生の頃にはかなりバンドに夢中で、学校のあとはとにかくバンド! って感じだったんですよ。メンバーはそこまで熱量があるわけではなかったんですけど、私が他の楽器も教えたりして。高校3年生でみんなが進路を決めていく時期に、自分だけは音楽をこのままやって行きたいって決めました。

ーどこかのタイミングで決意したっていうよりは、自然に熱くなっていったというか。

そうですね。昔から好奇心がめっちゃ強くて、色んなことを初めだけ全力でやっては途中で飽きるタイプなんです。パティシエになりたいと思ってお菓子作りにハマってた時もあれば、イラストレーターになりたいと思って絵を描き始めたり。音楽もその一つやったんですけど、なぜか飽きずにここまで続いてるっていう感覚です。

ー現在のYukkaという名義に改めたのは2020年11月からですよね。それ以前も音楽活動を行っていましたが、このタイミングでリスタートを切ったのはなぜでしょう?

Yukkaになる前、ライブハウスにいっぱい出演してもなかなか思うようにお客さんが増えなくて、このまま続けるのも少し違うかなと思ってYouTubeを始めたんですよ。で、何本かは数十万再生まで伸びて、これはイケるなと思ったんですけど、そのコンテンツは基本的にカバーだったんです。結局そのチャンネルの登録者って、Yukkaのファンっていうよりはあくまでカバーコンテンツのファンだから、オリジナル曲を上げても全然見てもらえなかった。カバーとオリジナルの落差が見えちゃうのが悲しくなって。これからは自分の曲をどんどんやっていこうって心機一転する意味で、Yukkaという名前に変えました。

ーより対面でのライブとオリジナル楽曲を重視して。

もちろん今もYouTubeは使うけど、自分の世界観を表現するためのミュージックビデオとか、自分の思いを語るラジオ動画だったりとか。「ユッカの音楽が好きやな」「音楽についてもっと深く知りたいな」って思ってくれる人に向けたコンテンツにこだわってます。

ー再生数を増やすよりも、深いものを伝えるためにYouTubeを活用しているんですね。

そうです。あとは路上ライブでも、有名な曲をカバーするとワーって人が寄ってくれるんですけど、去っていくのも早いというか。それだったら、たとえ一人だとしても自分の曲でファンが増えた方が価値があると思うので、オリジナルの曲だけを歌ってます。

ー路上ライブとライブハウスでの公演は、どのようなバランスで行っているのでしょう?

路上はあくまでワンマンライブに来てもらうための手段というか、新しい人に知ってもらう場所って考えてます。今は4月にワンマンライブがあるので、それまでに路上ライブを50回やろうって決めてて。


重視するのは歌詞とメロディのマッチ感

ー楽曲制作について質問させてください。先ほど嵐とONE OK ROCKにハマっていたという話もありましたが、現在のYukkaさんの楽曲はどういった音楽から最も大きな影響を受けていますか?

ポップからバラード、ボカロっぽい曲やEDMっぽい曲、ロックな曲まで、結構色んな曲を作るんですけど……今は、全世界で日常的に聴いてもらえるような音楽を作りたいと思ってて。テンポ感やメロディーの流れ、韻の踏み方とかが心地良い曲。日本の人もやけど、海外の人が聴いても「良いミュージックだね!」って思えるような曲を目指してます。

ーなるほど。

エド・シーランがすごく好きなんですけど、結構早口で言葉を羅列するような曲が多いのでそこは影響を受けてます。洋楽が元々好きで、YouTubeを熱心にやってた時も洋楽を日本語でカバーしてて。その時に、日本語は色々な言い回しができるし、日本語には日本語の良さがあるなって感じました。海外の人が聴いた時にも、歌詞の内容と聴き心地のどちらも良いって思えるような曲を作りたいなと思ってます。

ー楽曲制作の中で一番こだわるポイントや時間をかける作業はどういった部分ですか?

大切にしてるのは、歌詞とメロディのマッチ感ですかね。それが合ってないと聴きにくくなっちゃうので、組み合わせをめちゃくちゃ重視してます。例えば、「君が / 好きだ」って歌うか、「君 / が好きだ」って歌うかで全然違うじゃないですか。ワンフレーズでちゃんと内容が伝わるようにしたいんです。

ー曲作りはどのようなプロセスで行っていますか?

最初にメロディが思いついてそこにコードを付けるか、ギターの弾き語りでメロディを作っていくことが多いですね。アレンジは最終的にいつもお世話になってるアレンジャーさんにお願いするんですけど、自分の頭の中に既に音が鳴ってる時もあるから、DTMである程度デモを作ってからお渡しすることもあります。

ーアレンジにもYukkaさんのアイデアがかなり盛り込まれているんですね。

「ティーチャー」はアレンジも全部一人で打ち込んでるし、その他に90%くらい自分で作ってる曲もあります。

ーYukkaさん名義ではこれまでに3年間で50曲以上を発表していて、ハイペースな制作を続けてますよね。

一応、月に3曲はちゃんと人前で演奏できる曲を作るっていう目標はあるんですよ。なので、常に作り溜めている感じです。


異国の地で広がった可能性

ー国際的な活動を盛んに展開されているYukkaさんですが、最初に海外でライブをしたのはいつ頃だったんでしょう?

6年前ですね。ふと、アメリカに歌いに行きたいと思って。深く考えてたわけじゃなく、「アメリカ行ったらどうなるんやろ?」みたいな。で、1ヶ月間、サンタモニカとかハリウッドとか、色んな場所で毎日路上ライブをしました。

ー初の海外での路上ライブを経て、心境の変化などはありましたか?

音楽に対する向き合い方が変わったと思います。自分の心が開けて、「こんなことをしてもいいんだ!」と思えるようになったし。気持ちの面以外にも、アメリカでCDを10枚くらい買ってくれた人がいたんですけど、その人がイギリスの友達に私を紹介してくれて、ロンドンのイベントにも出れたり。これからは毎年海外に行こう! って決めたタイミングでコロナ禍になったからしばらく行けてなかったんですけど、今年は韓国とフランスにも行けました。

ーフランス『Japan Expo Paris 2023』でのライブは盛況で、CDも即日完売したんだとか。

めちゃめちゃ良い感触でした。ステージに立った瞬間から、音楽を全力で楽しむ覚悟が伝わってきて。CDを買う時にも、「音楽がすごい良かった!」「ライブパフォーマンスが痺れました!」みたいなことを言ってくれるんです。日本では「アーティストを応援するためにCDを買ってあげよう」っていう感覚の人が多いと思うんですけど、フランスの皆さんは純粋にただ音楽が好きだからCDを買ってくれる人が多くて。嬉しかったですね。

ー今後も海外でのライブに対する意欲は……?

めっちゃあります。旅行自体も大好きだし。大好きな音楽のおかげで大好きな旅行に行けるって、最高やないですか。

ーちなみに、どこか行ってみたい国や場所は?

ドイツとかウィーンとか……アメリカやったらニューヨークとかも行ってみたい。


一生忘れられないようなパフォーマンスを

ー悩んだ末の決断からスタートした「Yukka」としての活動ですが、3年間を経て順調に進めている実感はありますか?

そうですね。今はなりたいアーティスト像や進みたい道に従順に進めている感覚があります。それまでは、どうやったらYouTubeが伸びるかとか、どうやったら路上ライブに人が集まるかとか、数字に向かって努力しちゃってて。やりたいことは別にあるのに、自分の心からズレてることを続けちゃってました。でも海外でのライブも踏まえて、たとえ数人でも自分の本当にやりたいことを好きって言ってくれる人がいるなら、それを伸ばしていこうって思えたんです。

ー来年4月14日にはニューアルバム「STAGE5」がリリースされます。どのようなアルバムになっていますか?

去年からリリースしてきたシングル+新曲で、12曲入りのアルバムです。全曲、「こういうスタイルの音楽をやっていきたい!」って思える音楽だけを詰め込んでるので、今のYukkaを感じてもらえる作品になると思っています。

ー新曲でも新しい挑戦をしているのでしょうか?

新曲は全部新しいテイストの曲になってます。だけど、リスナーのみんなは”Yukka節”が効いてるなって感じてくれると思います。

ー同日には、大阪・世界館にて史上最大キャパシティとなる200人規模でのワンマンライブ『「STAGE5」Release ONEMAN LIVE』が開催されます。どんなライブにしたいと考えていますか?

来てくれたみんなが、「楽しかった」「良かった」だけじゃなくて、歌詞やMC、パフォーマンスから何かを感じてくれたり、意味があったと思える一日にしたいです。今は、そのためにどうやって伝えようかなって、構成を考えている段階です。

ーワンマン後にはヨーロッパツアーも控えています。

現状はフランスとベルギー、あとはイタリアやドイツにも行くかもっていう感じです。『Japan Expo Paris 2023』で知り合ったツアーマネージャーの方がYukkaのことを気に入ってくださって。その方がいま色々なイベントに声をかけてくれています。

ー今回も、また新しい出会いが広がっているかもしれないですね。では、ワンマンライブやヨーロッパツアーよりもさらに先に向けて、Yukkaさんが見据えている目標を教えてください。

まだまだ歌詞に出来ていない思いや感情がたくさんあるんです。それを一つ一つ形にして、誰かにとって意味のある楽曲をいっぱい作っていきたい。それと、ライブもこれからだんだん規模を広げて、海外でもイベントだけじゃなくワンマンツアーをやったりとかして、Yukkaの音楽が好きだっていう人を増やしていきたいです。あとは、「こんなの初めてだ!」ってみんなが思うようなパフォーマンスをやっていきたいって思ってます。

ーというと?

来年のワンマンでは映像や照明も駆使しようと考えてるんですけど、そうやって聴覚だけじゃなく視覚でも楽しませたり。あと、最近〇〇〇〇〇を始めたので、〇〇をやりたい(笑)。そんなんしてる人絶対おらんじゃないですか。

(※編集部注:〇〇の部分は、Yukkaさんご本人より「ワンマンライブ当日までの秘密」にして欲しいとのことでした。ぜひワンマンライブにてお確かめください。)

ーそれでは最後に、ワンマンライブに参戦するファンの方にメッセージをお願いします。

『「STAGE5」Release ONEMAN LIVE』、めちゃめちゃ久しぶりのワンマンライブで、200人動員っていう大きな挑戦をします。みんなが「来てよかった!」「一生忘れられない!」っていうようなパフォーマンスやメッセージを届けようと思っているので、4月までワクワクしながら待っててくれたら嬉しいです!

Text:サイトウマサヒロ(@masasa1to
Edit:sprayer note編集部


Profile:Yukka

日本のシンガーソングライター。Yukka(ユッカ)。 特徴的な歌声と癖のある歌い回しで、Jpopらしいキャッチーな音楽と耳心地の良いリズムに乗った歌詞を幅広いジャンルで描く。 学生の頃から作曲することが大好きで、 音楽経験を積み2020年11月からYukkaとしての活動がスタート。 日本では大阪と横浜で開催された計6回の単独公演はいずれも完売。 日本の音楽や言葉に誇りを持ち、 世界の音楽と繋がりたいという思いがあり、 アメリカ・ロサンゼルスでの路上ライブツアー、イギリス・ロンドンでのジャパンフェスに出演など海外でも活躍している。 2023年にはフランス・パリで行われたヨーロッパ最大級の日本フェスティバル『Japan Expo Paris 2023』に出演、2回目のステージの途中でCDがすべて完売、国内外問わず注目を得ている次世代シンガーソングライター。

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