4月から先生になる皆さんへ
4月から晴れて教壇に立つことになる皆様、改めておめでとうございます。教職について色々な報道が流れる中でも志を高くもち続け、大学での単位や免許状の取得、教員採用試験での合格を経て採用に至ったことに、敬意を表します。
さて、今頃は4月以降の子どもたちとの出会いにワクワクするとともに、職員室の同僚や先輩の先生方とのかかわりについて不安もあるのではないでしょうか。今回はそんな先生方に向けて、この3月中の残り半月でやっておくとよいことや準備しておくべきものについて簡単に紹介します。
必要な準備
①教材研究のストックをためておくこと 子どもたちの登校が始まると、現実問題としてなかなか教材研究だけに集中する時間を確保することが難しくなります。現状わかっている範囲だけでも、授業ができるようにスライドや参考資料、指導略案などを作成し、授業へのイメージをもっておくとよいと思います。特に授業に関しては最初のガイダンスが重要です。どのような姿勢で臨んでほしいのか、その教科の魅力はどんなところにあるのか、どんな場面で役に立つのか、その教科の理解が深まると世界がどう広がるのか、などなど。生き生きと語ってあげてください。評価についても触れておくと後々トラブルになりにくくなります。
②学校組織をできる限り理解しておく 採用前の関わりというと、だいたいその学校の校長先生や副校長先生・教頭先生や同学年や同教科の先生ぐらいしか話せず不安になるものです。3月中は現場も卒業や学年末の処理で激務の日々なので学校への連絡は極々最小限度にしておくべきです。採用前の今のうちに、改めて校務分掌や校内組織図などを眺めておきましょう。採用試験で学んだ書く職層の役割などもじっくりと復習できるラストチャンスです。自分がやるべき仕事も、全体を俯瞰しながら、部分として頑張ることが先へとつながります。
③必要な服装の用意 TPOに応じた服装が求められるのはどの世界でも同じです。特に教員は求められるものが同じ学校という場で行われるので服装については特に注意したいところ。ジャージ、Yシャツ、スーツ、念のため冠婚葬祭のためのネクタイ等をロッカーに常備している先生もいました。私は入学式の時にずっと昔のズボンを間違えて持参してしまい、パツパツの状態でウエストのホックが閉まらないまま臨んだことがあります。あれは恥ずかしかった…。
④配属先のICT環境の確認 もし可能ならば教室内やGIGAスクールでどのような端末が配布されているのか確認しておくとよいです。GsuiteなのかTeamsなのかによっても作業がおおきく違うはずです。グーグルフォームとか、学校で使える環境にあるととても便利です。保護者とのやりとりは格段に早まりますよ。
⑤自分の机回りに必要なものリスト 例えば筆記用具、PC、カップ、教科書類、子どもの提出物置き場など自分の仕事をイメージして物の定位置を考えましょう。周囲の整頓されているベテランの先生の机上を見習ってみるのもよいです。
⑥室内履きと運動靴と出張用の靴 靴もTPOで使い分けることになります。スーツに運動靴というTHE教員!という人も見かけますが、運動靴もスーツに合うような機能的なものもあるので、うまく統合するのもひとつですが、やっぱりかなり汚れるのが実情なので、分けておいた方が結局長持ちすると思います。運動会練習で短パンに革靴という強者を見たことがあります。
⑦職員室で 数少ない授業のない空き時間。教材研や分掌の仕事に充てられる貴重な時間です。が、一息入れてください。休憩時間もろくに取れない現状はどうかと思いますが、少し休めるところでは休んでおかないともちません。ホッと一息できるコーヒーとかお茶とか、オシャレな紅茶で香りを楽しむとか、そんな余裕がないとダメです。目を温めるアイマスクを使っている人もいました。管理職の先生に怒られない程度に、うまくね!
⑧自分のことを大切にしようと意図的に思っておくべき 学校の先生はトイレにもろくに行かれず、膀胱炎になるんだよ、なんて脅された記憶があります。そんな酷い職場…最悪じゃないか!と思っていましたが、私は12年間でそんなことは一度もありませんでした。中学校だったからかしら。小学校低学年で目が離せないとなると、ありえるのかもしれません。ぜひ自身の体調管理の優先順位を下げないでください。トイレに行かれない職場なんておかしいです。他の先生と声をかけあって、必要な時間は確保しましょう。
つらつらと書いて2000字を超えてしまいましたが、今できることは多少やっておくと4月からはスムーズです。ただ、想像通りではないことの方が圧倒的に多いはずなので、準備はほどほどに、今しかできないことをリストアップして楽しんでおくのも必要な姿勢かもしれません。
教育は国を成す根幹であると思います。だからこそ、先生を志し教壇に立つことになる先生にはポジティブに教育現場を楽しんでもらいたい。自分の子供はそんな先生に指導してもらいたいと思うからです。様々なネガティブ要因にくじけることなく、前だと思う方向に進み続けてくださいね。私たちは学校の先生を応援しています。
Supportia学長 瀧澤 哲郎