『スクエア』拾遺 その8
まずは本編から御覧ください
本編をお目通しいただいていない方は、先に本編を御覧いただいてから、こちらを御覧ください。
フォトストーリー『スクエア』の撮影は、その名が示す通り、ほぼすべてスクエアフォーマットで撮りました。
むかし、デジタル化以前に、雑誌の巻頭グラビアなどはロクロクを使って撮ることが多かったそうです。ハッセルなどは中判なのに軽快ですからね。ロクロクは正方形に撮れるわけですが、それをトリミングして雑誌の巻頭にドーンと載るわけです。
それと同様に、本編で使用しなかったスクエアの元画像をトリミングして組んだものを御披露します。
例によって、並び順で時間の経過を表現した組み写真です。横書きの本をめくる感覚で左上から右下へ順番に御覧ください。
拾遺というくらいで、このシリーズは本編で未使用のカットを拾い集めて組んでおります。古人曰く「残り物には福がある」と。
あまり使わないフルサイズ機で撮りました。平素はフォーサーズ機を主に使っています。この場面では、主人公のハッセル君(HASSELBLAD500C/M)にプリズムファインダーが初めて合体します。
あたかもマジンガーZがジェットスクランダーを得て勇気百倍したごとくハッセル君もまたプリズムを載せて格段に使い勝手が良くなりました。その喜びを表す場面なので、いつもとチョット絵柄を変えてみようと、ピントを薄くできるフルサイズ機を使ったのでした。
あらかじめ一年で撮り終える計画を立て、その期間に私が入院を余儀なくされたりしましたが、転んでもただでは起きない性格でカメラを持ち込んで病室場面を撮ったりしました。
実を言うと、物語が進むにつれて、だんだんヒロインが可愛く見えるよう撮っておりました。やはり、何度も撮影して撮り慣れてくると、より可愛く撮れるんですが、そのことを演出に使えないかと思っておりました。
本編も是非、二度でも三度でも、お楽しみいただければ幸いです。