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古色を出すための研究 その4

HASSELBLADでの撮影分、現像できました

 かねてご案内しております、フォトストーリー仮題『スクエア』の制作が終盤にさしかかりました。

 仮題『スクエア』は写真で綴るストーリーで、主役はHASSELBLADという古い中判カメラです。いま中判を運用するにはコストがかかりすぎるので、もはや事業向けに中判が用いられることは、ほぼ無いと思います。フイルム生産も、いつまで続くかわかりません。ヨドバシの修理・フィルム館でさえブローニーは品切れであることが多いです。コダックでもフジでも、そこにあるものを買うしかない状況です。かねて御承知のとおり、フイルムは消費期限があるもので、買い置きして何年も寝かせておくことは出来ません。

 そんなわけで、中判は「撮るなら、いましかない」わけです。

 HASSELBLADの場合は、一本のフイルムで12枚撮り。フイルム代と現像とスキャンで概ね一本あたり5000円くらいかかります。その12枚の中に使えるのが一枚あるかどうかで、二枚あればバンザイを叫ぶほど嬉しいです。

 HASSELBLADに用いるブローニーの生産は続いたとしても、ますます希少価値があがり、このあとも価格は高騰していくことでしょう。事業向けには引き合わないほどコストがかかる状況は、今後も続いていくでしょう。

 ベテランのプロが、作品撮りのために採算を度外視して使うか

 もとより採算を考えないアマチュアが使うか

 細々と需要があるので「明日にも息の根が止まる」ほどでは無いにせよ、写真文化の表舞台からは消え去ってしまうでしょう。

老兵は死なず、ただ消え去るのみ

2023年4月撮影

 中判ロクロク、デジタルとは一味違うと感じました。

 この味わいをデジタルで再現すべく、現在工夫しているところです。

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