「手動」 写真を組む321
そもそも組写真って?
組写真とは、何枚かの写真を組み合わせることです。組むことでドラマを表現するものであって、一枚のなかにドラマを詰め込む単写真とは撮り方も違ってきます。テキストをつけないとストーリーと呼べるほど複雑な状況を説明しづらいですが、写真を組むことで状況の「流れ」は創れます。
作例を御覧ください
私なりの流儀ですけれども、紙媒体になぞらえ、横長の一段分を本の左右見開き2頁に見立てたうえで、マンガの様なコマ割をします。横書きの本をめくる感覚で左上から右下へ順番に御覧ください。
*画像をクリックすると大きくなります。
無形文化財みたいなもの
クラシックカメラやオールドレンズを有形文化財に喩えるなら、カメラの露出制御やAFに頼らず「手動」で撮る技術は無形文化財に相当します。
なにで撮ったか、どう撮ったかは二の次
などと、つい先日、声高に叫んでおきながら、舌の根も乾かぬうちに使用機材について言及するのは気恥ずかしいけれど、御披露します。
まず、亡父が遺した古い Nikkor が三本あります。
Nikkor-H Auto 28mm f3.5 1960
Nikkor-S Auto 55mm f1.2 1965
Nikkor-Q Auto 135mm f3.5 1966
それらを Nikon Df に着けて撮りました。
Df にしても2013年11月28日発売の旧製品ですが、レンズの方は正真正銘オールドレンズです。もちろんピント合わせは手動で、露出制御もカメラにまかせることなく手動で撮りました。それで、どうにか撮れるように技術を維持したいので、たまに持ち出しております。自分のなかに無形の文化財を維持保存するために。
いまは Nikon Zf という新型が出ておりますが、Df から乗り換える予定はございません。オールドレンズをアダプター無しで装着できる利点が消えてしまっているからです。そこに目を瞑れば「優れたカメラ」だと思いますが目を瞑る気が一切ないのであります。