中判カメラ・ロクロク物語 その2
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いまさら中判でもあるまいと思います
この記事はシリーズ物なので、よかったら「中判カメラ・ロクロク物語」別記事も御覧ください。
中判用フイルムの値が高騰したばかりか、店頭在庫がなく入荷待ちである場合も少なくないので、いまとなっては中判を常用することは不可能です。御承知のとおり、フイルムは消費期限があるので買いだめが出来ませんし、たまたま欲しいフイルムがあったときに買っておき、消費期限が切れる前に撮るということでは、業務用にはなりません。
業務ではなく趣味として撮る場合でも、大昔は多様なタイプのフイルムを選んで買っていたことを思うと、いまある物を買うしかない状況はキビシイと思います。いまやフルサイズの画質が中判に追いつき、追い越したとさえ感じますし、いまさら中判なんかで撮る意味はあるまいと、正直そう思っています。
さりとて、中判で撮ったストック画像を掘り起こしてみると、捨てがたい中判ならではの味わいがあるのです。
作例『にほひおこせよ』
例によって組み写真を御披露しますが、今回はコマ割りなしで上から下に順番どおり御覧ください。
タイトルは『にほひおこせよ』です。
単純な「起承転結」です。
梅林に入って来た
梅を愛でた
移動して上着を脱いだ
腰を下ろした
その流れのなかで被写体さんが何を感じていたかは、御随意に解釈なさいますように。
この日は高曇りで陽射しが弱く、まあまあの撮影日和でした。
いかにも中判らしいのは二枚目、正面向きアップです。あたかも画面から浮き上がってくるような立体感は、いまのフルサイズ機でも再現することが困難です。
トイカメラで撮れば良いものを
いま古いフイルムカメラとオールドレンズで、フレアやゴーストを入れた写真を撮っている人を見受けます。私からすると、そんな風にして遊ぶならトイカメラを使えば良いのになぁと思います。
古いレンズだって深いフードをつけるなど「ハレ切り」をシッカリやればハレーションなんか起こしません。デジタル以前には、そうやってマトモな写真を撮ってきた古強者たちに、あえて恥を掻かせているみたいに思えて、見ていて不愉快です。そのカメラを設計、製造した人たちの真心を蹂躙するかのような行為ですからね。
そういうわけで、私は中判でトイカメラでやれば良いような「おふざけ」なんかするつもりはありません。ピンボケでもなんでも、一所懸命に撮った写真は見れば誠意が伝わってきますが、わざわざ写真を穢すかのような表現手段は正視に耐えないと感じます。
そんなわけで、私は父が遺したロクロクを「おふざけ」に使う気は針の先ほどもございません。
おわりに
この記事は実質無料です。わざわざお買い求めくださらないで大丈夫ですけれども、投げ銭として買ってくださると嬉しいです。
追記
現在、ロクロクの中判カメラを主人公に据えた、フォトストーリーを制作しております。先日、予告編を公開しましたので是非御一覧のほどを。
謝辞
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