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『スクエア』拾遺 その2

まずは本編から御覧ください

 本編をお目通しいただいていない方は、先に本編を御覧いただいてから、こちらを御覧ください。

 1972年頃に撮影されたという設定の写真で、HASSELBLAD500C/Mで撮影しました。カメラの前でピースサインをする風習が一般化するのは80年頃のことでしたが、そのきっかけは72年にカメラのCMで井上順さんがピースをしたことで、こどもは早速マネしてました。オトナがピースするようになるまでには、もう数年間かかったように記憶しています。

 この奥行き感は中判ならではで、デジタルではフルサイズ機でも再現することが困難です。

 ちょっと砕けすぎかと思って使用しなかったカットです。本編では何度か言及しましたが、いまのデジタルとは異なって中判だと手間もカネもかかるので、いきおい真面目に撮ることになるのです。棒立ちで、緊張した面持ちじゃないと古い写真に見えないのです。

 同じ日に、同じ場所で現代編も撮りました。

 大正時代を思わせる古建築を背景に撮りました。けして悪くは無いけれど建物に目が引かれてしまうので使用しませんでした。

 ドラマ仕立てだと、カメラ目線のカットは使いどころが難しく、なかなか気に入ったカットでも結局は使わないことがあります。これもそうです。

 右向きと左向き、両方を撮っても、使うのは一方だけです。この場合は、左向きを使用して右向きが未使用になりました。写真の出来具合よりは巧く嵌まるかどうかを優先して選びます。空が曇っていたため、光に強弱がなく面白みの無い絵柄になるので、チョット工夫しました。

 テーブルの上に銀レフを置いて、強めに光を返しました。何度も繰り返し御覧いただくと、様々な気づきが得られると思います。

 全編スクエアだらけのフォトストーリー、是非、二度三度とお楽しみください。

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