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「伽話」 写真を組む319

そもそも組写真って?

 組写真とは、何枚かの写真を組み合わせることです。組むことでドラマを表現するものであって、一枚のなかにドラマを詰め込む単写真とは撮り方も違ってきます。テキストをつけないとストーリーと呼べるほど複雑な状況を説明しづらいですが、写真を組むことで状況の「流れ」は創れます。

作例を御覧ください

 私なりの流儀ですけれども、紙媒体になぞらえ、横長の一段分を本の左右見開き2頁に見立てたうえで、マンガの様なコマ割をします。横書きの本をめくる感覚で左上から右下へ順番に御覧ください。

*画像をクリックすると大きくなります。

2005年11月撮影

夕景を撮る予定ではなく

 ファッションとしてのロリータ服は、もはや家を出るときからこのような出で立ちであるハズです。冷ややかな視線を向けられるのは覚悟のうえで、そのまま電車やバスにも乗るものだと、その界隈の人から聞きました。

 かねて見知った被写体さんからロリータ服での撮影を持ちかけられたので撮ったわけですが、そこまでの覚悟が無い人だったようで、現地で着替えるということだそうで、着替えの時間を多めに見積もって、午前中には現地に入って準備する段取りをいたしました。

 ところが更衣室に入ったまま二時間以上も出てきません。さらには……

 更衣室の中でファッション談義が盛り上がり、充分に愉しんだのだそうで「もう帰りたい」と一枚も撮らないうちに言われてしまいました。さすがにソレは許せません。

 時間は押しているのにシッカリ食事をしてからの撮影スタートで、もはや斜光になっておりました。衣装の色味を壊さずに撮れる時間は僅かでした。
夕方まで撮るつもりがなかったからストロボも持たずに出たからです。もう夕焼け色が衣装にかぶるのは「味」だということにして、なんとか予定した半分くらいは撮ったのですが、閉園時間が迫ったので撮影終了でした。

 しかし、このあと本当の苦難が訪れるのでした。

 更衣室で施設の従業員さんたちをも巻き込んで、再びファッション談義が盛り上がり、閉園時間を二時間も過ぎてから、ようやく出てきたのでした。

 現地で着替えるタイプのロリータさんは、それ以来、撮影おことわりしております。

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