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「洋館」 写真を組む316

そもそも組写真って?

 組写真とは、何枚かの写真を組み合わせることです。組むことでドラマを表現するものであって、一枚のなかにドラマを詰め込む単写真とは撮り方も違ってきます。テキストをつけないとストーリーと呼べるほど複雑な状況を説明しづらいですが、写真を組むことで状況の「流れ」は創れます。

作例を御覧ください

 私なりの流儀ですけれども、紙媒体になぞらえ、横長の一段分を本の左右見開き2頁に見立てたうえで、マンガの様なコマ割をします。横書きの本をめくる感覚で左上から右下へ順番に御覧ください。

*画像をクリックすると大きくなります。

2024年11月撮影

白壁の洋館

 大正12年の関東大震災の復興期に、外国人の邸宅として建設された洋館で撮りました。場所柄、特別な許可を得ないかぎりレフ板や照明機材を用いることが出来ないので、カメラとレンズだけで撮っております。

 雲の流れが速く、照ったり曇ったりでしたが、意地でも露出制御をカメラまかせには致しません。また、AFが効かないレンズをつけたりしましたので撮り終えてドッと疲れに襲われました。

 被写体は、桃田とろさんです。

なにで撮ったか、どう撮ったかは二の次で

 高いカメラを買えばセンスが良くなるなんてことはありません。カメラやレンズは工業製品だから、同型のものが何千、何万とありますが、それらの同型機で撮った写真が同等にスバラシイものになるわけじゃないのです。

 また、撮影技法も撮り手の「個性」にはなりません。後天的に習得できるものですから、誰でも学びさえすれば同じことが出来るようになります。

 たとえば、こんなような。

定番の撮り方

 逆光線で背景を暗めに、頭にタッチライトを乗せ、少しだけハレーション気味にしつつ、前ボケの花をあしらって……よくある撮り方です。

 私の場合そうやって撮ると、どこかで見たような写真にしかなりません。 定番の撮り方でも、突き詰めれば「真似の出来ないレベル」にまで達すると思いますが、一つ覚えにソレしか撮らないのではツマラナイでしょう?

 技法なんかは自慢することでも無いと思っていますし、ましてカネ次第で誰でも手に入れられるカメラやレンズを自慢するのはカッコ悪いとも思っておりますが……

 私も俗物ですから、手持ちのカメラやレンズについて語ったことがあり、そういう機材関連の記事と、技法を論じた記事は、閲覧数が多いです。

 満を持して公開した作品よりも「順光で撮る」の方が閲覧数が多いのは、内心忸怩たるものがございます。

 今回、たまにしか使わないレンズを引っ張り出して撮っておりますけれどソレについて語るのは後日に譲ります。

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