映画館体験記 in マルタ
皆様こんばんは。
いかがお過ごしでしょうか。
私は本日、1ヶ月弱が経過したマルタ生活にて初めて映画館へ行って参りました。
この国には、ミニシアターや名画座といった概念は存在しないので?!(怒)、隣町のシネコンにて『アバター2』を鑑賞して来ました。
ということで今回は、マルタの映画館事情について綴りたいと思います。
個人的には、非常に非常に非常に興味深かったです…。
まず、いかにして本日『アバター2』を観ることにしたのかと申し上げます。
3/13 (sun) 10:00 am
こちらに来て1ヶ月弱が経過し、相当勉強した甲斐もあって(?)だんだんとリスニング力が上がってきていることを実感したため、これなら映画館に行ってもお金を無駄にすることは無いだろう、と思い今日(3/13)の午後に映画館へ行くことを決心。
3/13 (sun) 10:30 am
そもそも、さほど苦労せずに行ける映画館が2館しか存在せず、どちらもシネコンで上映映画はほぼ同じ。選択肢はアバターかマーベルかといったところ。ならば近い方の映画館でアバターを見ようでは無いかと心に決める。
3/13 (sun) 12:00 pm
フラットメイトのスペイン人の友達(基本的にネイティブレベルの英語力)が、「私も先週、友達と『クリード3』を観に行ったけど、私でもたまに難しい場面があったわ。」と言われ、急に自信がなくなる。
(だってアバターって日本語で話されても難しいでは無いですか…?)
3/13 (sun) 15:00 pm
自信を失ったまま、友達とダラダラと冷麦(先週帰国した日本人の友達が授けてくれた)を食べてしまい映画館を諦める。取り敢えず、アマプラで『アバター1』を購入し鑑賞するも、クレイジーイタリアン(イタリア人って本当にイカれてます…。え、私の友達だけですかね…。)に邪魔されて見終わらせるのに5時間ほどかかる。
3/14 (mon) 8:00 am
本日公開された秋学期の成績を朝食用のコーヒーを沸かしながら確認。ドキドキ。はい。ありがとうございます。フル単でございます。これにて経済学部の専門必要単位を全て取得したしました。ありがとうございます。と、すこぶる良い気持ちで身支度をし学校へ向かう。
3/14 (mon) 8:50 am
登校中に、美しい石造りの街並みを見ながら、やはり放課後(午前中が授業で午後はフリーというスケジュールです)映画を見に行こうと健やかに決心。(全てはフル単のお陰)
3/14 (mon) 13:00 pm
フラットに帰宅し、リビングでイタリア人の友達に「これは偽物だから買うな」と言われたラザニアを食べていると(ちなみに店先で8分ほど押し問答。購入するのに一苦労でした。)、トルコ人のフラットメイトも帰宅。「お前、今日の午後は何するのか。」と聞かれ、「アバター観に行こうと思う。」と言うと、「あの映画はアメージングでビューティフルだ。トルコで既に鑑賞したがまた観たい。ついて行ってもいいか。」と聞かれ、「ワイノット?」と答えました。
こうして、トルコ人のフラットメイトを同伴者に、マルタ生活初の映画館訪問の運びとなりました。
私が訪れたのは、サンジュリアンという地区にある『EDEN CINEMAS』です。
シネコンにしては小さいな、という印象でしたが、マルタ共和国の国土や人口を鑑みたら妥当な気も致しました。
中はこんな感じ。日本とさほど変わりませんね。
ここからが本題。それはそれは、カルチャーショックの連続でした。
まず入場口にスタッフがいませんでした。つまり、そこは無法地帯。チケットなんて購入しなくても勝手に出入りできてしまうようなセキュリティの甘さでした。ちなみにトルコの映画館も同様らしいです。どっちがコモンなの…。
『AVATAR THE WAY OF WATER』(2022) in EDEN CINEMAS
劇場内に入ると、おっと誰もいないではありませんか。私たちが到着したのも上映5分前だというのに。
中はこんな感じでした。
私が鑑賞したのは16:30~の回だったのですが、16:30を何分か過ぎてようやく予告編がスタートします。
3回に1回は予告編なしの上映が当たるようなミニシアターに慣れている私からすると、「16:30からは本編始まって欲しいのですが…?」という気持ちなのですが、この国にいる人は時間を守れない人種なので(小声)(私はレイシストではありません。あくまで個人的な考察結果だと思ってくだされば…。)、仕方がないと思いましょう。
さて、こちらはポジティブなショック。
日本では、映画泥棒が裏路地をパルクールのごとく駆け抜けるマナー喚起のCMが、こちらでは太っちょのおじさん(なんか見たことある)が落ち着いた映像にシックにナレーションするというもの。なんて思っていたら最後に、「サンキュー。フロム、アルフレッド・ヒッチコック。」
なんと、映画マナーをヒッチコックが教えてくれるなんて…。なんてクールなの…。マチルダ、本編開始前に感動しました。
そしていよいよ本編。こちらに関しては、また改めて記事にしますね。
本作は190分もあるため、恐らく15分ほどでしょうか。インターミッションがありました。これは日本も同様でしょうか?
日本国内で鑑賞した方がいらっしゃいましたら是非教えて下さい。
190分の大作も遂に終焉。大変興味深かったです。
ただ驚くべきはここから。
まず、エンドロールに入った瞬間場内の照明が点灯するのです。えっと、クレジットまでが映画じゃないの…。ならば無論、マルティーズはそさくさと席を離れます。連れのトルコ人もタバコを吸うからと退席。
そもそも10人もいない場内に1人残された私はクレジットを見続けました。シネフィルとしてのプライドは、例え、地中海の小さな島国に来たとしても捨てやしません。
が、しかし、何だか後方から笑い声がするなと思うと、2名の清掃員がクスクス笑いながら出入り口に立っているではありませんか。念のため確認しますが、スクリーンにはエンドロールが鮮明に流れています。
私が居座るので流石に清掃は始めませんでしたが、劇場のドアは全開ですし、照明はピッカピッカですし、何なんだここは…。
通りでこの国にミニシアターもなければ、名画座も無い訳です。
予告でヒッチコックが登場したのは幻だったのでしょうか。
以上が、私の映画館体験記 in マルタ でした。
いかがでしたでしょうか。
マルタ共和国は、シネフィルが住んではいけない国ランキングトップ5に確実にランクインするでしょう。
そんな国で、私は懸命に生きています。
日本のどこかで私を憐んでいる方がいらっしゃいましたら、どうか、心躍る映画ニュースをマルタまで届けてください。
最後まで読んでくれた方がいらっしゃいましたら、全マルティーズに「エンドロールは最後まで観ろ」と説教する勇気が持てそうなぐらい嬉しいです。
ありがとうございました。
【追記】
帰国1週間前に発覚した事実なのですが、どうやら国内に数ヶ所、名画座が存在するようです…。
私は未体験のまま帰国いたしました…。
不甲斐ない…。