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#1 子どもの運動能力はどう伸ばすべき?

 よく、親御さんや現場の指導者から“子どもの運動能力を伸ばすにはどうしたら良いですか?というご質問を頂くことがあります。

その他にも、“運動能力を効率よく伸ばせる時期があるって本当ですか?“ “ 【ゴールデンエイジ】までにスポーツを始めていないと手遅れになるって本当ですか?“などの声を聞くことがあります。

*【ゴールデンエイジ】とは、サッカー界でよく使われる表現で、
JFAハンドブックでは“動作習得に最も有利な時期とされています。運動学習能力が向上し、大人でも難しい難易度の高い動作も即座に覚えることができます。“  と記されています。

そこで今回は
 ①運動能力を伸ばすにはどうしたらいいの?
 ②運動能力が伸びる時期は決まってるの?

上記2つのポイントについて数回に分けて情報を共有させて頂こうと思います。

そもそも“運動能力“って何?

運動能力は大きく分けると【体力】と【スキル】の2つに分けることができます。

【体力】とは、筋力/持久力/瞬発力/全身持久力/ 柔軟 など主に数値化することができる要素になります。

【スキル】とは目で見たり、身体で感じたりした情報をもとに状況の予測や判断、意思決定を行い、運動を調整するといった能力になります。

また、【スキル】とよく類似しているのが【テクニック】で、日本語に変換するとスキル=技能、テクニック=技術となります。具体的には、走る・飛ぶ・曲がるなどの【テクニック】を鬼ごっこで鬼から逃げるという“目的達成の為に運動を調整する能力のことを【スキル】と表現します。

勘が良い子ってどんな子?

 子どもの中には“勘が良い!“などと表現される子がいますが、
それは、
①新しい【テクニック】をすぐに体現できる能力
②監督やコーチが新しい戦術を落とし込む際に、知覚情報からの状況予測・判断・意思決定などをもとに持っている【テクニック】をうまくコントロールできる【スキル】能力の高い子
上記の能力が高い子どもたちのことをそう呼んでいるのかもしれませんね(^^)。

スポーツと“運動能力“の関係


 スポーツを“運動能力“で考えてみると、競技によっても【体力】と【スキル】の比重が異なること考えられます。記録系競技(ウエイトリフティング/ボート/自転車/マラソン etc)は“運動能力“の中でも【体力】要素の占める割合が【スキル】に比べて大きいと考えられます。最近では対人系競技においても選手の大型化やパワーゲームに戦略・戦術がシフトすることで、【体力】要素の占める比重が増えてきたように感じます。
それとは逆に飛距離よりも繊細なショットで勝負したいゴルフ選手や小柄なピッチャー(プロレベルで身長が180cm未満の選手)にとって【スキル】要素の比重がより大きくなることが予想されます。

①“運動能力“を伸ばすにはどうしたら良いのか?


 ポイントは、最近の競技の動向(戦略・戦術)・ポジション特性・身体形態(身長/体重/体格)etcを複合的に考え、将来の目標から逆算した適切な運動刺激(課題・強度・量・タイミング etc)を入れることが効率の良い“運動能力“向上に繋がるのではないでしょうか。
その他にも、各カテゴリーの指導者が共通理解を持ち、協力して選手を縦断的に育てていくことも非常に重要なポイントになるのではないでしょうか。
今回は、概念的なことをお伝えしたのですが別のタイミングで具体的な刺激入れについてはお話させて頂けたらと思います。

まとめ

 “運動能力“を構成する要素について整理することで、“運動能力“を伸ばしていく為のヒントについてお話させて頂きました(^^)
次回は、“運動能力“を効率よく伸ばせる時期はあるのか?についてご紹介させて頂きます。この内容が、選手をもつ親御さんや指導者・コーチの方に有益な情報としてご活用頂けると幸いです。


プロフィール
大城英稔(おおしろ ひでとし)

学歴
東京都 玉川大学文学部教育学科健康教育コース卒業
米国 マーシャル大学大学院 運動生理学専攻 卒業

略歴
スポーツおきなわ 代表理事
沖縄国際大学 非常勤講師
沖縄県スポーツ協会 医科学スタッフ
沖縄県テニス協会 医科学委員長
元国立スポーツ科学センター常勤トレーニング指導員
元Bリーグ琉球ゴールデンキングスストレングス&コンディショニングコーチ




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