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#11 いざという時の熱中症の対処法について
前回記事(#10 梅雨から要注意!熱中症予防のポイントは!?)では、熱中症のメカニズムやその予防法について情報をシェアさせて頂きまた。今回は、細心の注意を払っていてもいざ熱中症になってしまった時にはどうしたらいいのか。について情報シェアさせて頂きます。
前回のおさらい
暑い環境下でおこる障害のことを総称して熱中症と呼んでいます。熱中症は、①熱失神(めまいや立ちくらみ、失心など)②熱疲労(倦怠感、悪心など)③熱痙攣(けいれん)④熱射病(体温上昇、意識障害など)の大きく④つに分けられます。
①熱失神と②熱疲労の対処法
この二つに関しては、③熱痙攣や④熱射病に比べ重症度は低くなります。
ポイント
⇨意識があるが体の温度は上昇
⇨疲れ/頭痛/吐き気 etc
対処法
◎涼しい場所に移動する
(日陰 /風通しが良い/エアコンetc)
◎休息をとる
◎着替える
(服内の湿度が高いと熱放出効率が悪い)
◎水分・塩分の補充
◎経過観察
③熱痙攣の対処法
①熱失神や②熱疲労の症状からさらに悪化すると熱痙攣が起こります。
ポイント
⇨多量の発汗(体温調整の為)による
体内のミネラルバランスの崩壊。
⇨水分のみを大量に摂取することで、
さらにミネラルバランスが崩れる為要注意。
対処法
◎水分摂取の際にしっかりとミネラル
(特に塩分)をしっかり補充すること。
(経口補水液など塩分をメインにした
ドリンクを選択すること)
◎自分で水分を摂取できない際は、
病院にて点滴を行う。
◎①熱失神と②熱疲労の対処法と同じ。
④熱射病の対処法
この状態まで症状が悪化してしまうと意識障害が起こります。
ポイント
⇨体水分量が減ると汗をかけない為、
体温調整ができない。
⇨脳内で体温調整がが行われる為、
体温が上昇しすぎることで調整機能に
支障をきたす=意識障害が起こる。
対処法
◎意識障害=すぐに救急車119
◎救急車が来るまでに時間がかかる
→AEDを用意しておくこと
→自分で体温調整できない為、
外から全身を冷却する。
*全身に水をかけて体を冷やす
(水道水散布法)
*首/脇/股関節/膝裏などに
水や氷をあてる
*アイスバスなど氷や水が入った
バスタブで体を冷やす。
(冷水浴法)
まとめ
熱中症の各症状のメカニズムや段階に応じた対処法をしっかり整理しておくことで状況がさらに悪化しないように常日頃から準備しておきましょう。最後に、この情報が親御さんや監督・コーチの方々のお役に立てば幸いです。
P.S.
うちの子に“緑の日“でお休みだよ。と話をすると、“ピンクの日“はいつ?と聞かれました。
プロフィール
大城英稔(おおしろ ひでとし)
学歴
東京都 玉川大学文学部教育学科健康教育コース卒業
米国 マーシャル大学大学院 運動生理学専攻 卒業
略歴
スポーツおきなわ 代表理事
沖縄国際大学 非常勤講師
沖縄県スポーツ協会 医科学スタッフ
沖縄県テニス協会 医科学委員長
元国立スポーツ科学センター常勤トレーニング指導員
元Bリーグ琉球ゴールデンキングスストレングス&コンディショニングコーチ