人間行動の予測
人間は相手の動きを見て、相手が今何をしようとしているのか、これから何がしたいのか、何をどうしたいのか、読み取ることができます。つまり人間は、人間の行動を予測します。人工知能やロボットは、運動や行動の予測をどの程度できるのでしょうか。
特に、スポーツにおいては、相手の動きを読み、味方の動きを察知することが重要です。このため人間の運動を予測する能力は、スポーツロボットを実現する上で必要不可欠な要素です。
ボールなどの飛ぶ物体の動きを予測するロボットについては、以前紹介しました。ここでは、人間の動きを予測するロボットを紹介します。
機械学習における行動予測
人間の運動を撮影し、画像中の人間領域や骨格の位置と姿勢を推定し、記録します。現在の状態から未来の状態を予測するモデルを機械学習によって取得します。モデルを使って現在の状態から未来の運動を予測することができます。
人手で行動のラベルを付与した学習データがあれば、映像から次の行動を予測するモデルを学習することもできます。
移動体による人間の運動予測
ドローンや車輪ロボットなど、街や屋内で使われるロボットは、人間とぶつかったり、人間の移動を妨げたりしないように動く必要があります。このため、人間の移動を予測する様々な方法が提案されています。
ヒトとロボットが協調するための予測
従来の産業用ロボットは、人間と触れ合うことのないよう柵に覆われていました。人間の近くでロボットを使うためには、ぶつかったり、互いに邪魔しないように、ロボットが人間の動きを予測する必要があります。
作業を行う時に、人間がどのように動くか、ロボットはどのように動けば良いかを、ロボットは学習します。
まとめ
人間の行動と運動の予測について、機械学習と、移動ロボット・作業ロボットへの応用について簡単に紹介しました。
スポーツを撮影して記録し、これらの技術を応用すれば、同様に競技者の移動や運動も予測できます。様々なスポーツの運動を予測する機械学習技術について、私は研究を進めています。