【バスケ】ゼロステップの考察
昨今、SNSでもゼロステップに関しての議論が再燃してきました。
Twitterの140字という制限ではなかなかまとめ辛いのでnoteに自分の考察を文字にしておこうと思います。
この作業ってなかなか難しくて楽しいです。
この記事の需要はかなり少なそうですが、そもそも自分のnote自体そんな需要はないので自由にやっていこうと思います(笑)
もしご意見ありましたらコメント欄、TwitterのDM、リプライ、リツイートなどでご指摘いただけると勉強になります。
それではよろしくお願いいたしますm(__)m
1.ルールの確認
考察をする前にまずルールの確認をしたいと思います。
以下は2020バスケットボール競技規則からの抜粋になります。
25-1 定義
(Travelling)
25-1-1 トラベリングとは、コート上でライブのボールを持ったまま、片足または両足を方向に関係 なく、本項に定められた範囲を超えて移動させることである。
25-1-2 ピボットとは、コート上でライブのボールを持ったプレーヤーが、片方の足(ピボットフット) はフロアとの接点を変えずに、もう片方の足で何回でもどの方向にでもステップを踏むこと ができることである。
トラベリングの定義はこうです。
そして今回のゼロステップに関する部分は【参考資料】トラベリング【1】基本的な考えから抜粋。
1.動きながらフロアに足がついた状態でボールをコントロールした場合、コントロールをした後に2歩までステッ プを踏んでも良い(0歩目の適用)。その場合、ステップは2歩までの原則は変わらないため、0歩目→1歩目→ 2歩目とし、1歩目→2歩目→3歩目とカウントはしない。※0歩目適用の場合、1歩目がピボットフットとなる。
2.ドリブルが終わる時も、上記【1】1の考え方が適用される。
3.上記【1】1.2の場合、明らかに空中でボールをコントロールしたあと、フロアに足をつけた場合は、そのつ いた足が1歩目(ピボットフット)となる。
憲法解釈じゃないですけど、動いながらとは?みたいな少し曖昧な表現にも取れるので、個人個人によって解釈が変わってきそうではありますよね…
ちなみになぜか着地と同時コントロールした足が0歩目という解釈が巷でされておりますが(自分もそう思ってました…)、ルール上は動きながらフロアに足がついた状態でボールをコントロールした場合となっているので、ここの部分はよく理解する必要がありそうです。
2.論点の整理
Twitterで話題になったと思われるのがこちらの動画です。
Twitterでバズったりすると一気にいろんな方がリツイートしたりリプライ欄のたくさんの意見を目にすることができ、ふと我に帰ると「あれ?論点ってなんだっけ?」なるのですが、
動画内のステップがリーガルなのかイリーガルなのかというのは、極論ゲームの中でレフェリーが判定することなのでSNSでいくらディスカッションしたところで、答えは出ません。(個人的にはイリーガルだと思うんですが…)
本質的には育成世代にこの練習メニューってどうなの?ってところだと思うんです。
それについてちょっと違う角度から考察して行きたいと思います。
3.なぜ導入されたか
そもそもなぜこのゼロステップというルールが導入されたかというところに遡りたいと思います。(ルールが導入されたというよりは捕捉的に解釈が付け加えられたと思っていますが…)
ゼロステップが施行されたのは2018年の4月。
このゼロステップという解釈が競技規則に付け加えられた経緯は、ステフィン・カリー選手などが多用するステップバック、ジャイムス・ハーデン選手などが使うユーロステップなど、あと個人的にはスピンムーブなども含まれると思ってるんですが、今まで若干トラベリングかトラベリングじゃないかグレーだった部分を明確にするためだとの意図があったと思います。
なのでこの解釈の個人的解釈は(ややこしくてすみません…)、現行のルールで曖昧になっていたものを明確化するものであり、新たにできることを増やすためのものではない。
と思っています。
4.実際のゲーム
ちょっと話は逸れますが、実際のゲームのお話。
私は一般の試合からミニバスまで年代を問わずレフェリーに派遣させて頂いてますが、特にミニバス、中体連あたりの子達はピボットフットの概念は崩壊気味です。(担当地区のS級審判も言ってました。)
これは子供達の概念が崩壊しているというべきか、指導者の理解が曖昧というべきか微妙なところですが…
実際、レフェリーをやっていても「ん?今、軸足変わったよな…」「明らかに空中でコントロールしてから3歩ステップしたよな…」と思いながらもゲームの流れや、ベンチやギャラリーの目を意識すると笛をならせずに流してしまうことが増えました…
これも良くないんだと思いますが、本当に明らかなもの以外はゲームの進行を考えると致し方ないケースもあるかと…(同業の方がいたらコメントかTwitterの方に意見が欲しい…)
このレフェリー心理もイリーガルなステップを蔓延させてる一旦でもあるような気がします。
5.育成世代でやるべき事
話を元に戻すと、私は他のチームがどんな練習をしようが別に否定する気はありませんが、ゼロステップ自体はメインディッシュというよりはスパイスやソース的なもので、知っているとよりバリエーションが生まれたり、奥行きが出るものと思っているので、
まずはメインディッシュの基本的なシュート、パス、ドリブルのインテンシティ(強度)を上げることやバリエーションを増やすことの方に時間を割いた方が良いのかなと…
そのバリエーション増やすためにゼロステップ活用してるんだと言われるとそれまでなのですが…
指導に正解はないので難しいところです。
6.最後に
3項のなぜ導入されたかのところで考察しましたが、どちらかというとボールミートの部分よりは、シュートにつながるドリブルの終わりの部分を明確化したかったと思うので、
ミートでゼロステップを使って云々とルールの抜け道をかいくぐってあれこれやってしまうと、またルールが変更になったり、厳格化されたりとよろしくない方向に向かっていってしまう気がします。
今回ゼロステップの考察を文字に起こす作業をするにあたって、ルールブックを読み返したり、ググってみたり、YouTubeを見たり、色々自分も改めて勉強になりました。
下の動画は実際のプレーと判定、解説、考察もあって面白かったのでリンクを貼ってみました。
ということで、今回は以上になります。
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それではまた。
Dr.T
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