サッカーの不確実性、偶然性に強くなるには?
サッカーには戦略、戦術があるけれど
サッカーには戦略、戦術があるけれど、戦術におぼれては克つことができません。それは、ビジネスでも、同じなのです。
戦略、戦術は「あの場所へ行こう」「この道がいちばん近道だ」と地図を見ながら語っているのと同じ。
実際の道を歩き始めたら、近道だと思っていた道がとてつもない坂道だったりすることもある。遠回りしたほうが早く目的地へつくのではないか?とルートを変えることもある。
サッカーで起こる不確実なこと、偶然出くわす局面に強くなるには
不確実なことや偶然出くわす局面に強くなるために、最初にやることは「観察すること」です。アイデアのタネは身近にたくさんある。それはサッカーのプレイのしかたでも、ビジネスのアイデアでも。
けれど、そのタネに気づけるか、気づけないかというのは、【偶然はとてつもない可能性につながっていると信じているか】どうかにかかっている。
偶然って、たまたま遭遇する、たまたまそうなったと思って通り過ぎる人が多いから、本当にチャンスであっても見過ごしているケースが多くてもったいないのです。
僕はサッカー下手だったけど、まわりの選手が上手かったから
そう語っていた元Jリーガーの話を聴いたことがあります。お二人ともJリーガーとして15年以上活躍してきていたので、「サッカーが下手」という意味がわかりませんでした。
けれど、二人は同じチームのJリーガーとたまたま見比べて、自分がまわりの選手よりも「サッカーが下手だ」ということに気づいた。
まわりの人たちを観察することで、自分のポジションを確立していった選手
そのうちの一人はMFでした。まわりの選手が上手すぎるので、Jリーガーになっても自分のサッカーは下手だと感じた。そのMFの選手は、まわりの上手な選手をとことん観察しました。そうして、一人一人の特性をしっかりと把握して、「彼らの上手なサッカーをどうやったら活かせるだろう?」と考え抜いた。そうやって、いつしかチームのキャプテンとなり、日本代表へと選ばれました。今は引退して会社経営をしています。
たとえば、引退後に、あなたが指導者になるときにも必要なチカラ
観察するチカラというのは、サッカー選手として上を目指すためにも欠かせないチカラで、もちろんプレイにも活かせます。引退後、たとえば指導者になるときには、この観察するというチカラは、ポータブルスキル(特定の職種、時代背景にとらわれない能力。経験からくる個人の対応力をさす)となって、豊かな指導力を下支えしてくれます。
[レアル・マドリードの試合に同行した時/写真;善福克枝]
元Jリーガーの杉山新さん。彼もまた「僕はサッカーがヘタだったんで」と語っていたお一人です(この時のエピソードはまた後日)
現在、東京の私立高校でコーチをしている元Jリーガー杉山新さんの観察眼はとてもクールでした。現役時代のこと、レアルのナチョ選手のこと、指導している子どもたちのことなど、色々な話を聞かせてもらいました。
観察するチカラは、想定を超えていくジャイアントキリング実践学の土台
観察するチカラは、想定を超える成果、結果につなげていくための土台となります。いわば、ジャイキリ実践学の屋台骨となるポータブルスキル。
観察も「ただ観る」という第1ステップから、第4ステップまであるんです。こうした1〜4ステップの視点を持っていると、やったことのないことでも想定を超える成果、結果につながるアイデアが湯水のように出るようになっていきます。
次のnoteでは、具体的な「観察するための視点」についてお届けします。